『tvk(テレビ神奈川)』では毎週日曜日の夜に、往年の名作アニメばかり放送されています。
2022年2月21日から『タッチ』の再放送も始まっています。
2024年2月4日の放送の第100話「勝つぞ明青! 甲子園は俺たちを待っている!」でした。
明青と須見工の、夏の甲子園の東京大会(でしたっけ?)の決勝が終わりました。
視聴した感想を書きました。
目次
tvkの日曜日の夜
神奈川県のローカルテレビ局『tvk(テレビ神奈川)』の日曜日の夜の放送ラインナップは古いアニメが複数放送されています。
- 19時00分:『らんま1/2』
- 20時00分:『魔法騎士レイアース』
- 20時30分:『姫ちゃんのリボン』
- 21時00分:『装甲騎兵ボトムズ』
- 21時30分:『キャッツ・アイ』
- 22時30分:『タッチ』
- 23時00分:『機動戦士ガンダムSEED』
記事作成現在は上記リストのとおりです。
アニメ『タッチ』の再放送始まる
2022年2月20日から、『tvk』の日曜夜の時間帯に名作アニメが1作品加わりました。
冒頭で申し上げたとおり『タッチ』です。
アニメの再放送や『タッチ』そのものの思い出については以前当ブログに書いています。
上にリンクを貼った記事がそれ。
あわせてご覧になってください。
第100話「勝つぞ明青! 甲子園は俺たちを待っている!」
2024年2月4日は、第100話「勝つぞ明青! 甲子園は俺たちを待っている!」が放送されました。
概要
100話の概要です。
10回裏。この回さえ抑えれば明青は甲子園だ。1塁も空いているし新田を敬遠するという達也に、孝太郎が立ち上がって守備の選手に指示を出した。達也と新田に勝負の土俵が用意された。
番組の録画データには上記引用部のように書かれています。
テンポが悪い
前回99話「もう後が無い!? 出るか! 柏葉サイン!」でも感じましたが、テンポが悪すぎます。
と言っても98話までもテンポがよかった訳ではなく、98話まではまだマシだった、くらいの認識です。
どうして99話になってテンポが今まで以上に悪くなったか。
それはおそらくですけど、99話からしっかり野球をし始めたからだと思います。
達也と柏葉の覚醒によって物語が試合にフォーカスを当てられたのが99話でした。
そこから制作陣は「野球」を描かざるを得なくなった。
それまでは、原田の解説、南、新田由加たちのセリフ、そういうもので試合を成立させてきて、野球をきちんと描いてこなかったのです。
野球をしっかり描いてこなかった「ツケ」みたいなものが、最後の最後に出てしまった印象を私は受けました。
あくまで私の個人的な感想です。
ラストバッター新田
それを最も顕著に感じられたのが、延長10回のラストバッター新田明男との攻防です。
テンポが悪く、見せ方も悪く、原作での緊迫感やスピード感、静と動の緩急といったものがまるで感じられませんでした。
達也ならではの豪快なフォームや豪速球、明青や会場が戦慄するような新田のバットスイングといった、動作の流れの中で漫画に描かれていない部分が描けていないので、ギクシャクしていました。
漫画に描けれた部分だけは綺麗めに描けているけど、動きの「流れ」がスムースに描けていないギクシャクさ。
間を描く漫画家
原作者の「あだち充」さんは「間(ま)」を描くことが上手い漫画家さんですよね。
最近のあだちさんの作品を読んでいないのわからないですが、『タッチ』連載当時は、キャラクターのセリフが少なめで、キャラの表情やコマとコマとの「間」から、読者にあれこれと想像させることで漫画を描ける方でした。
その「間」を素直にアニメで描くとなると、おそらくあっという間に物語が終わってしまうのでしょう。
ですから、原作にはないセリフや行動や場面、設定を追加したり、原作ではあまり登場してこなかったキャラを多めに登場させたりすることで、「間」を埋めてきたのがアニメ版でした。
例えば、柏葉英一郎の妻、名前を失念しましたが、彼女の出番がアニメ版では原作より多かったですよね。
そのためにここまで100話にも物語の冗長感、蛇足感がたんまりありました。
当時の漫画原作の人気アニメは、現在主流になっている1〜2クールや分割数クールの放送スケジュールではなく、年単位で通年放送されていました。
『交響詩篇エウレカセブン』くらいまでですかね。
テレビ局の年間の放送スケジュールに合わせた、あるいは人気コンテンツをできるだけ延命させるために、「間延び」を視聴者に押し付けていたのですね、たぶん。
例えば『ドラゴンボール』などもそうでしたし、『キャプテン翼』も相手ゴールに近づくまでに地平線が見えるレベルでしたね。
そういうことが『タッチ』にもあったということです。
別角度から言うと、アニメは映像です。
原作のままだとセリフなど音が少なくなり、まだ小さいお子さんや目の不自由な方にわかりやすくする意味もあるでしょう。
そういう間延びアニメは、「間」を描くあだち作品とは極めて相性が悪いのだと、今回改めて感じられました。
最後の一球の和也の霊
原作には、達也の最後の一球、和也が達也に加勢したような描写がありました。
和也とわかるように、はっきり描かれていませんけど、そう思わせる描写です。
そのシーンの描写がアニメ版ではカットされていたように見えました。
アニメ版では、達也の力だけで新田から三振を奪った、勝った、ということにしたかったのでしょう。
達也が和也に成り代わって南を甲子園に連れて行くのではなく、達也は達也として南を甲子園に連れて行く。
和也もそれを望んでいるのだという流れが、これまでありました。
なので、この改編(?)については、これはこれで個人的には納得がいきます。
原作どおりでもよかったですけどね。
達也やナインが新田を敬遠せず勝負し、タヒ力を振り絞ったからこそ、最後の最後に和也が力を貸しくれたということでも、問題はなかったのではと。
原作のままでは、達也個人では新田に勝てなかったことになるかもしれません。
でもそれは物語の芯の部分、上杉兄弟と浅倉南の3人の物語であり「バトンタッチ」であることを考えれば、新田との勝敗はそこまで重要ではないですから。
決勝戦後、柏葉英二郎が病室で「新田に打たれて甲子園に行けなかったとしても、お前らはそれをすぐ美談にしちまう」的なことを言っていましたが、まさにそういうことなので。
甲子園に行けなかったら達也と南の関係が終わるなんてことはあり得ないですし、それは天国の和也も同じでしょう。
アニメはそういう複雑なところをわかりやすくしたかったのでしょうね。
おわりに
ということで『tvk(テレビ神奈川)』のアニメ『タッチ』の再放送100話の感想を書いた記事でした。
↓『Amazon』でも観られるようです。
tvkを観られない方で、気になる方はぜひ。