ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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アニメ『タッチ』第16話「せつないネ! 和也のハートはレモン色!」が原作の良さを壊していると感じました

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tvkテレビ神奈川』では毎週日曜日の夜に、往年の名作アニメばかり放送されています。

2022年2月21日から『タッチ』の再放送も始まっています。

2022年6月5日の放送は第16話「せつないネ! 和也のハートはレモン色!」でした。

視聴して、原作の良さを壊しているなとがっかりしました。

 

目次

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tvkの日曜日の夜がすごい

神奈川県のローカルテレビ局『tvk(テレビ神奈川)』の日曜日の夜の放送ラインナップがすごいことになっています。

 

dysdis.hatenablog.com

 

  • 20時00分:『ガラスの仮面』
  • 20時30分:『キャプテン』
  • 21時00分:『らんま1/2』
  • 21時30分:『北斗の拳』
  • 22時30分:『SLAM DUNK』『妖怪人間ベム』
  • 23時00分:『銀河鉄道999』
  • 23時30分:『機動戦士Ζガンダム』

 

上記リストのとおりです。

上にリンクを貼った記事に書いています。

超豪華ですよね。

 

アニメ『タッチ』の再放送始まる

2022年2月20日から、『tvk』の日曜夜の時間帯に名作アニメが1作品加わりました。

 

タッチ 完全復刻版(1) (少年サンデーコミックス)

冒頭で申し上げたとおり『タッチ』です。

 

dysdis.hatenablog.com

 

アニメの再放送や『タッチ』そのものの思い出については以前当ブログに書いています。

上にリンクを貼った記事がそれ。

あわせてご覧になってください。

 

第16話「せつないネ! 和也のハートはレモン色!」

2022年6月5日は、第16話「せつないネ! 和也のハートはレモン色!」が放送されました。

 

概要

16話の概要です。

 

南を抱きしめ「好きだよ…南…」「南が好きなんだ。誰にも渡したくない」と和也が告白。翌日、体調を崩した南を見舞う達也。南は「好きだよ、タッちゃん」と告白。遅れてやってきた和也は…。

 

番組の録画データには上記引用部のように書かれています。

 

原作と違う!

アニメ16話の内容の一部が原作とは異なりました。

これまでにも様々なアニメのオリジナル要素はみられました。

しかし今回の改変は、それまでのオリジナル要素よりも重要な変更に感じられました。

 

南が体調を崩して熱を出します。

原作ではそんな南の様子を気つくのは達也だけ、和也を含めて誰も気がつきません。

アニメでは達也だけでなく和也も気がつきます。

 

原作では、気がついた達也は南の腕をつかんで強引に保健室に連れていき、家まで送り届け、南の父マスターに報告するとそのまま部屋まで連れて行ってもらうようお願いされます。

アニメでは、和也が部室で南の体調不良を放っておかずユニフォーム姿のまま南を家まで送り届け、マスターに報告、南を引き渡して部活に戻っていきました。

達也はというと、後にレモンを買って南の部屋まで見舞いに行っただけです。

さらに、子どものころ南が体調を崩したときに和也と二人でお小遣いを出し合ってレモンを買ってあげた、という原作にはないエピソードを挿入して。

 

理由は尺?

どうしてこのような改変をしたのか。

理由は「尺」かなと思っています。

第16話の中で切りのよいところまで放送するには、原作通りには描けなかった可能性です。

達也が南を送るだけでは時間が余るから、和也に気づかせるエピソードを追加したり、回想シーンを追加したりする必要があった。

 

あるいは、和也の今後の展開を考えると、世間の和也への評価を、原作以上に上げておきたいという思惑があったかもしれません。

 

台無しと思う

個人的には16話の改変は要らなかったなと思います。

原作の方がずっとよいストーリーに思えるからです。

 

尺の問題であることが正しい認識だとして、それは作り手としては致し方ないことなのかもしれません。

でも、原作の良さを壊してまで変えることではないと、個人的には思いました。

 

今までの達也は、ほぼ全てにおいて和也に勝てない「ダメアニキ」で、世間からもそういう認識を得ていました。

学校のアイドルである南は、野球部のエースである和也こそが相応しいと。

上杉と朝倉両家の親たちですら、現段階ではそう思っているでしょう。

 

しかし、当の本人たちは全然そんなことを思っておらず、特に和也は兄・達也に対して小さくない「劣等感」さえ抱いている。

その象徴として、今回のエピソードは強く機能していたはずです、原作では。

 

いつも一緒に登校して部活でも一緒、家でも一緒にいることの多い南の容態の変化を、いつも遅刻して部活も異なる、家でもテレビを観たり漫画を読んだりしていることの多い兄貴だけが気づいた。

やっぱり兄貴には敵わないと和也は痛いほど感じたはずです、原作のこのシーンは。

 

でも、でもというかだからこそ、和也は野球を頑張って、南の子どもの頃からの夢だった甲子園に彼女を連れて行くことで、敵わない兄に対して少しの間だけでもリードを奪いたいのです。

可能性は小さくとも、そこに一縷の望みをつなぎたいと和也は考えているのだと私は思っています。

 

なので、今回の物語の改変はあだちさんの想いも台無しにしているのではないかと、個人的には思っています。

 

フォローはされていた

アニメ16話でも、そのフォローはされていました。

 

レモンを見舞いに持っていった達也だけが南の部屋に入り、立ち上がった際によろけた南を、達也が抱くように受け止める。

この達也が南を抱くシーンは原作にもありました。

アニメでもこの抱くシーンを描いたことで、結果的に南が達也を受け入れていると視聴者が受け取れるように描かれています。

アニメでも部屋に入れたのは達也だけでした。

 

達也だけが部屋に行けた、達也がレモンの思い出をしっかり覚えていた。

それらを和也が気づいたことで、その直前に自分が宣戦布告した相手である達也もまた、南のことを好きだと気づける。

アニメでもそういう風に描いていて、その点はフォローできていると思います。

 

それでも、です。

そういうフォローがあったとしても、やはり原作のように南の容態の変化に気づけるのは達也だけにした方が、南にとっても視聴者(というか私)にとっても良いと思うのですよね。

レモンという「物」を装置として使うのではなく、達也が南のことをどれだけ想っているのかを、ここではもっと「むき出し」の行動なり態度なりで示すべきだったと感じます。

普段は達也をつかみどころのない人間に描かれているからこそ。

そのくらい、3人の中では重要な局面を迎えているはずですし。

 

おわりに

ということで『tvk(テレビ神奈川)』のアニメ『タッチ』の再放送第16話「せつないネ! 和也のハートはレモン色!」が原作の良さを壊してしまっていると感じたことを書いた記事でした。

 

『Amazon』でも観られるようです。

tvkを観られない方で、気になる方はぜひ。

 

 

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