2022年6月サッカー日本代表は『キリンチャレンジカップ』を戦いました。
6月14日はその決勝戦でしたっけ、チュニジア代表との試合を行いました。
試合を観ての感想を書きました。
目次
『キリンチャレンジカップ』
サッカー日本代表は『キリンチャレンジカップ』が開催されていました。
ワールドカップカタール大会が控えているので、その模擬戦の意味合いも大きいでしょう。
選手たちにとっても本戦出場への生き残りを賭けた戦いになっているはずです。
チュニジア戦の結果とメンバー
2022年6月14日、チュニジア戦が行われました。
チュニジアはFIFAランク35位のチームです。
日本は23位。
大した意味はないです。
試合結果
試合結果です。
ホームの日本がスコア「0 - 3」でチュニジアに敗れました。
得点者は55分「モハメド・アリー・ベン・ロムダン」(PK)、76分「フェルジャニ・サッシ」、90+3分「イッサム・ジェバリ」です。
日本代表のメンバー
チュニジア戦の日本のメンバーです。
以降、敬称略で失礼します。
フォーメーションは433のようです。
4123や4141かもしれません。
ゴールキーパーが「シュミット・ダニエル」。
ディフェンダーが右から「長友佑都」「板倉滉」「吉田麻也」「伊藤洋輝」。
ディフェンシブハーフが「遠藤航」。
インサイドハーフが「原口元気」と「鎌田大地」。
フォワードが右から「伊東純也」と「浅野拓磨」と「南野拓実」。
交代は46分原口→「田中碧」、60分浅野→「古橋亨梧」、鎌田→「三苫薫」、71分南野→「久保建英」、伊東→「堂安律」、82分長友→「山根視来」です。
チュニジア戦を受けての感想
2022年6月14日行われたチュニジア戦を受けての感想です。
他の3試合も観た
一応キリンチャレンジカップの全試合を観ました。
この記事はチュニジア戦の感想としていますけど、大会に通じて言えることも多いと思います。
対処されると弱い
前提として、チュニジアはとても良いチームでした。
今大会で一番勉強になった相手と思います。
よく組織されていて、日本のことも研究していましたね。
選手個々の技術レベルも高かったです。
特に13番サッシと14番ライドゥニですか、この中盤の2選手が印象に残りました。
その組織され、日本のことを研究してきたチュニジアは、日本のビルドアップのところで潰しにかかりました。
日本のCB2人に、チュニジアはしっかりと2人あてて、さらに遠藤航へもマークをつけました。
たったこれだけの対策で、日本はボールの出しどころを失っていました。
この対策の対策として、よくあるのはディフェンシブハーフ、つまり遠藤がセンターバックの間まで下がって、センターバックが広がり3バック化させることです。
その上でサイドバックが少し前に出ることでしょうか。
相手もバランスを崩してまでディフェンシブハーフについて行かないことが多いと思います。
そんな初歩的な対策の対策すらできていなかったですね、見ていた限り。
遠藤
特に遠藤は試合数をこなしていたことで、完調からは程遠いパフォーマンスでした。
クラブでも大車輪の活躍だったみたいですから、ヘタってしまうのも仕方のないことです。
ワールドカップ本戦でも同じことが起こる可能性は十分あります。
遠藤のポジションの代替を今から使っていく必要があるでしょう。
遠藤の代わりは現メンバーで言えば守田を思い浮かびます。
場合によってはDFの板倉を一列前に上げる選択肢も出てくるでしょう。
また、この試合は世界に対して、日本の弱点をさらけ出した試合でもあります。
ビルドアップのところで遠藤を狙い撃ちするだけで機能不全になるのですから、楽なものですね。
本戦グループステージで当たるドイツとスペインにしてみれば、対策をするまでもないレベルかもしれません。
しかし日本とすれば「この対策の対策」をしていく必要があります。
森保監督にそのアイデアがあるとは到底思えないですけど。
結局、本番では遠藤守田田中のいつものメンバーに戻すことで対策とするのではないかと想像します。
吉田
吉田は3失点全てに絡んでいたでしょうか。
しかも直接絡んでいるので2失点時点で、ベンチへ下げる必要があったくらいです。
吉田は遠藤と同様、疲労が溜まっていたことが低調の理由の一つにあったでしょう。
しかし彼の場合はそれ以上に、加齢による能力減退の影響が大きいと感じます。
身体的な能力の低下と、若い頃から散見された判断力不足がより顕著に現れている印象です。
相手選手の飛び出しや裏抜けに対する判断、その後の対処が直接失点に結びついていました。
チュニジアはリードを奪ってから守備を固めてのカウンターを狙っていましたが、そのターゲットが吉田だったように見えました。
吉田の裏を狙うということですね。
そして彼らの狙いはまんまと成功していました。
ビルドアップでもかつてほど積極的かつ効果的に縦パスを入れられなくなっています。
谷口や板倉の方がずっと積極的に縦パスを入れられている印象です。
諸々、吉田は退く時が来ていると感じます。
冨安のコンディションが大丈夫そうなら彼を中心に、板倉と谷口と伊藤でセンターバックを組ませた方がよいです。
これらの選手の方が吉田より守備だけでなく攻撃面でも効果的になると感じます。
シュミット
ゴールキーパーのシュミット・ダニエルは厳しいですね。
代表のレギュラーは無理と感じられる、チュニジア戦でのパフォーマンスでした。
キックの技術が不安定、守備範囲が狭い、飛び出しの判断がよくない、シュートブロックが上手くない。
皆無なくらい、良いところが見つかりませんでした。
とりわけ現代サッカーにおいて守備範囲の狭さと判断の悪さは致命的です。
守備範囲の広さと正しい判断力があれば、少なくともチュニジア戦の2失点目は防げたはずです。
現代サッカーにおいてゴールキーパーはゴールキーピングだけでなく、ビルドアップのパス回しに加わることと、ときにスイーパーとして機能することは、もはや必須級でしょう。
長友の貢献度
右サイドバックの長友は貢献度が低かったです。
攻撃への貢献がほぼなかったと言ってよいくらいでした。
守備に専念していたと言えば聞こえがよいですが、それでも90分間は体力が保たず、交代をしています。
90分間スタミナが保たない選手をスタメンで起用する意味はないと感じます。
交代前提のスタメンは、それだけで交代枠が1つ埋まっていることを意味し、スタートの段階ですでに戦術的な不利を抱えていることになるからです。
ワールドカップ本戦は過密スケジュールですから、これが大きな問題となるのは明らかでしょう。
その長友が前線に上がらないこともあってか、チュニジアの左サイドバックが高めの位置を取っていました。
4番のアブディでしたか。
これが後述する中盤の数的不利につながっていたように感じます。
ガーナ戦では山根がよいプレイをしていましたから、右サイドバックのレギュラーは山根でよいです。
左は伊藤でよいでしょう。
そういうことでお役御免。
中盤の不利
ということで、中盤の数的不利が生まれて、日本がチュニジアに後手を踏むことになりました。
失点の直接的な原因は守備陣のミスでしょうけど、その前に中盤に数的不利が生じていたことが、勝敗において大きな分かれ道だったと私は思っています。
試合では、鎌田が前に上がっても上がりっぱなし、日本の左サイドの南野も上がったら上がっりっぱなしになっていたことがありました。
先述したようにチュニジアの4番が上がっていたこともあり、日本の中盤に数的不利の状況が出来上がっていました。
サッカーを観ていると、433とか4231とかのフォーメーションをよく目にし耳にしますよね。
では、どのタイミングであの並びになるのか。
それを考えてみますと、ボールが相手に渡ったときと私は思っています。
フォーメーション=守備のスタート位置。
だとするならば、ポジションを戻れないことは、チームの守備がスタートから躓いていると言えます。
人がスタート位置にいないと、組織的なプレスのきっかけをつかめないですし、追い込みも予め想定されたようにはできない危険が高まります。
だから選手が前に出たまま戻らないことは危険なのです。
日本人は個人戦術が低い、戦術的な動きが苦手だと、海外のコーチから何度も言われています。
先ほどのビルドアップの問題も、選手が即座に戻らないことも、後述する中央で交通渋滞が起こることも、やはり個人戦術のレベルが低いことが大きな原因と感じます。
更に言うと今回、守田がいなかったことで、日本はいつもの中盤3人衆を組めなかったことも、その遠因としてあります。
やはりあの3人でないと、特に守備面でバランスが悪く、強度も足りていませんでした。
更に更に言うと、レギュラーの誰かが離脱することは常に想定したチーム作りを普段からしていないといけないはずです。
監督がそれをできていないこと、これがもっと根本にある原因です。
アタッキングサードへの運びとアタッキングサードからの攻撃
相手が組織的に守ってきたときの日本の弱点は、アタッキングサードへのボール運びと、アタッキングサードに入ってからの攻撃にも見られました。
組織されたアイデアがないことで、各選手がそれぞれ勝手に動いてしまい、相手を組織で崩す考えが希薄です。
試合開始から、いつもの森保ジャパンのサッカーである「戦術・伊東」でしたし、伊東が下がってからは「戦術・三苫」になっていただけ。
守る側としては守りやすいでしょう。
組織的に動けたとしても、それは長年一緒にプレイしていることで生まれる連携だったり、クラブの所属チームが同じ者同士の連携だったりがとても多い印象。
チュニジア戦は堂安と久保が後半途中から入りました。
が、彼らも攻撃を活性化させるどころか、彼らが入ったことで人が中央に集まり、交通渋滞が起きてしまいました。
リードしているチュニジアは守備をより強く意識していたこともあり、日本は前掛かりなってバランスが非常に悪かったです。
そして案の定カウンターを食らっていましたね。
この辺も監督やコーチから話が言っていないのでしょうか。
チーム練習で彼らは何を練習しているのでしょうね、大きな謎です。
一方、久保は現チームにとって貴重な存在でもあります。
狭いスペースであってもボールを受けられ、狭いスペースであっても独力で前にボールを運べるからです。
今回のようにビルドアップの段階から相手に封じられるときに、久保のように縦にボールを運べる人がいると、味方は相当助かるはずですし敵は嫌なはずです。
現にチュニジア戦でも久保が入ってからビルドアップがスムースになりました。
今の監督である限り戦術的なボール運びを望めないのですから、久保は重要なピースになると個人的には考えています。
しかし久保は今シーズン、クラブで苦戦していたそうです。
進歩が停滞したという記事や海外のコメントをいくつか読みました。
チュニジア戦でも、クラブでの苦戦した理由がわかるパフォーマンスでした。
ボールしか見ていないと感じられたからです。
チームのことより俺が俺がとなっていて、比較的活躍したガーナ戦でも独りよがりなプレイが目につきました。
個人戦術を高めないと、クラブでも代表でも厳しいかもしれません。
後述する原口はよい手本になりそうですけどね。
原口の重要性
原口元気は個人的に重要な選手と考えています。
某元代表選手がYou Tubeで原口を酷評していたようですから、私の見る目がないのかもしれません。
現代表チームの中盤で、彼ほどインテリジェンスの高いプレイをしている選手は他にいないと思います。
そのときどきの自チームのバランスをよく見ていて、ポジションの修正を図っている様子を何度も見かけました。
戦況も他の選手より見えているようで、必要とあらばミドル・ロングシュートを撃って攻撃に変化をつけようとしますし、必要とあらば身体を張って守備をします。
個人戦術の高さで言えば、現代表随一と言ってよいくらい。
先ほどから書いているように、現代表は個々の能力に依存されていますので、彼のようにチームのために動ける選手はもっと評価されるべきと感じます。
たいへん貴重な戦力で、不可欠なほど。
センターフォワード問題
現代表は相変わらずセンターフォワードに問題を抱えています。
適材がいません。
理想は全盛期の岡崎慎司。
浅野は何度も書いている気がしますけど代表、それもレギュラーは厳しいです。
チュニジア戦を観てもパラグアイ戦を観てもその考えは変わらないどころか、想いをより強くしています。
点を取っていても、です。
南野をセンターフォワードで使わない理由がわかりません。
チュニジア戦でも素晴らしい飛び出し&トラップからのシュートがありました。
オフサイド判定にはなったものの、あのようなプレイをできる人はなかなかいないので、ぜひ試してほしいです。
今、ヨーロッパで最も評価を受けている日本人フォワードは古橋でしょうか。
彼も使わない手はないと思います。
しかし、古橋は裏抜けすることで威力発揮するタイプと思いますけど、今のチーム戦術ですと合っていないと感じられます。
前田も古橋と似た状況でしょうか、しかし点を取れてはいるので古橋ほど状況が悪い訳ではなさそう。
選手の特徴の見極めの段階から見えていない監督ですから、南野や古橋は自分の特徴を活かす機会すら与えられなさそうで、かわいそうです。
今のチームの戦い方ですと、センターフォワードにはポストプレイヤーが欲しいところ。
大迫は怪我なり年齢なりで厳しいのであれば、監督には鎌田をセンターフォワードで使うアイデアを持っていただきたいです。
大迫と異なるポストプレイをできるでしょう。
身体を貼るポストプレイというより、高い位置で前を向いてボールを持て、ドリブルやパスの起点なりつつ、両ウィングとの流動的にポジションチェンジしつつという。
その意味で言えば、何なら久保や堂安をセンターフォワードにしてもよいくらいです。
鎌田CF説は以前当ブログに書いているかと思います。
ガーナ戦では「上田綺世」がセンターフォワードでした。
この試合では攻撃の連携が機能していたように思います。
久保と三笘、堂安、山根、そして上田、この連携が。
ただこれは、ガーナがチュニジアほどのチーム力を持っていなかったことも大きかったかもしれません。
ガーナはチュニジアと比べると戦術的な動きができていなかったですから。
ガーナ戦の活躍した彼らがチュニジア戦で機能したかどうか、これは見てみたいです。
それを含めて、今のチームの連携は、チームが、あるいは監督が植え付けた戦術ではなく、個人個人のひらめきなり、アンダー代表やクラブチームで培ったそれなのだろうと思わせます。
だから選手が変わるだけで連携が上がったり下がったりする度合いが激しいのです。
伊東と三苫の同時起用
先ほど「戦術・伊東」「戦術・三苫」と書きました。
しかし両者を同時起用されたことは、記憶が正しければまだ一度もないと思います。
伊東がいるとき、三苫がいるとき、いずれにしても攻撃が偏るので相手は守りやすくなります。
それを是正するためにも両者を同時起用することも試していただきたいです。
ワールドカップでベスト8以上を目指しているなら試さないといけないでしょう。
それがどうしても嫌なら、反対サイドに久保や堂安を入れることでしょうか。
とにかくわかりやすすぎるサイドの偏重は、ドイツやスペインなど列強相手には通用しないです。
戦術が幼なすぎる。
森保監督の限界
毎回のように書いていますが、毎回このように思うので仕方がありません。
この記事で書いた全ての問題点は一つの答えに通じているように思います。
森保監督では代表監督は務まらないということです。
この記事でもここまで書いてきたことは、元を正せばすべて監督の力不足に行き着きます。
選手の力が見えていない(見えていても試合には考慮しない?)、チームに戦術を植え付けられていない、コンディションが見えていない(見えても試合には考慮しない?)、試合展開を読めていない。
いずれも致命的と感じます。
田嶋会長の責任
森保さんを監督に任命したのはJFA会長ですよね。
現JFA会長は田嶋幸三さんです。
森保さんに代表監督を務めるだけの力量がないことは私の中では疑いのないことです。
監督を替えるタイミングはとっくに来ていると感じられます。
しかし田嶋さんは替えない。
それは森保監督を任命したのが自分だからでしょう。
自身の責任問題に直結するから「解任できない」のです。
ここまでを考えると保身のためと思われても仕方がないです。
そんな下らない保身のために、サッカーの人気は凋落してしまいました。
会長が責任をとって辞任をする、森保監督も会長と一緒に辞任する。
そうでないと日本サッカーは今以上に手遅れになるでしょう。
こちらも毎回同じことを書いています。
こちらもやはり会長も監督も変わっていないのですから結論も変わらないです。
おわりに
ということで、サッカー日本代表が『キリンチャレンジカップ』の決勝、2022年6月14日行われたチュニジア戦の感想を書いた記事でした。
サッカーの素人が書いている意見です。
見当違いなことを書いている可能性は少なからずあります。
ご了承ください。