2021年11月、サッカー日本代表は『FIFAワールドカップ カタール2022』のアジア最終予選の第5戦ベトナム戦と、第6戦オマーン戦を戦いました。
試合を観たので感想を書きました。
目次
サッカー日本代表がワールドカップ出場のピンチ?
サッカー日本代表が『FIFAワールドカップカタール2022』のアジア最終予選に4戦して2勝、グループ4位と本戦出場に向けて苦境に立っています。
各グループの2位までが自動的にワールドカップ本戦に出場でき、3位はプレーオフに回るのでしたっけ。
日本が4試合であげた得点がわずか「3」ですか、しかもスコア以上にサッカーの内容が酷いとのこと。
それによりサッカー日本代表の監督を務める「森保一(もりやす・はじめ)」さん、日本サッカー協会会長を務める「田嶋幸三(たしま・こうぞう)」さんの解任騒動まで発展しているようです。
ファンの怒りはそれ以前から溜まりに溜まっていたのですが、この3試合の体たらくでそれが一気に爆発したということでしょう。
第4戦、ホームでのオーストラリア戦では勝利をしたものの、内容的に手放しには喜べないものだったと思います。
観ていなかった
私はサッカーを観ることが好きで代表戦はずっと観てきました。
テレビの、しかも地上波しか観られない環境にあるので、サッカーというとほぼ代表戦しか観られないというのが実情ですが。
しかし、この数年はその代表戦すら観なくなっていました。
理由は単純、「つまらない」からです。
観ていて全然面白くないのですよね。
魅力がない。
勝っても負けても引き分けでも沸き立つものが一切ない。
こんな感覚は代表戦を観ていて初めてでした。
今まではどんなにつまらない試合でも最後まで観てきたので。
今回の代表は気がついたら試合を観なくなっていました。
理由
サッカー日本代表がつまらなく感じられる理由。
考えたことがなかったですけど、今考えてみますと1つ思い当たります。
それはもはや「俺たちの代表」ではなくなったと感じられることです。
あのお人が騒動と騒動の後も座に居座っていることで、代表があのお人の私物になっていると思えたのでしょう。
第4戦オーストラリア戦で久しぶりにテレビ観戦しました。
ベトナム戦・オマーン戦を終えての感想
2021年11月11日にはアジア最終予選第5戦ベトナム戦が行われました。
続いて同月17日には同第6戦オマーン戦が行われました。
いずれも日本のアウェイ戦です。
久しぶりに代表戦を視聴しての感想です。
結果
2戦の結果です。
いずもアウェイの日本がスコア「1 - 0」で勝利しました。
ベトナム戦は17分に「伊東純也」選手(以下継承略)の得点。
オマーン戦は81分にやはり伊東純也の得点です。
日本代表のメンバー
ベトナム戦とオマーン戦の日本のメンバーです。
フォーメーションはいずれも433のようです。
ベトナム戦
ゴールキーパーが「権田修一」。
ディフェンダーが右から「山根 視来」、「吉田麻也」、「冨安健洋」、「長友佑都」。
ディフェンシブハーフが「遠藤航」。
インサイドハーフというかセントラルハーフが「田中碧」と「守田英正」。
フォワードが右から「伊東純也」と「大迫勇也」と「南野拓実」。
交代は63分長友→「中山雄太」、63分南野→「浅野拓磨」、75分田中→「古橋亨梧」、75分大迫→「柴崎岳」、88分守田→「原口元気」です。
交代や交代のタイミングまでオーストラリア戦とほぼ一緒!
何これ怖い。
オマーン戦
ゴールキーパーが「権田修一」選手(以下継承略)。
ディフェンダーが右から「酒井宏樹」、「吉田麻也」、「冨安健洋」、「長友佑都」。
ディフェンシブハーフが「遠藤航」。
インサイドハーフというかセントラルハーフが「田中碧」と「柴崎岳」。
フォワードが右から「伊東純也」と「大迫勇也」と「南野拓実」。
交代は46分柴崎→「三苫薫」、62分南野→古橋、62分長友→中山、82伊東→浅野、88分大迫→原口です。
観られなかった
この2試合を私は観ていません。
地上波の放送がなかったからです。
今までこんなことありましたっけ。
地上波で放送されないと一般の方は観ないと思うのですよね。
『DAZN』で放送されていたのでしょうか?
代表戦のためだけに『DAZN』と契約しようと思う、普段サッカーを観ない方が果たしてどれだけいるのか。
この事実からも日本代表の人気停滞、あるいは日本サッカーの人気停滞が起こっているのかなと思っています。
魅力のあるサッカーをしていれば『DAZN』と契約しようとも思うのかもしれません。
しかし、そもそものところで日本代表が魅力的なサッカーをしていれば、スポンサーがもっとつくでしょうし、そうずれば地上波放送の契約を取りつけられるでしょうし、当然視聴者も増えるでしょう。
実際はそれができていない。
できていないから現在のような状況に陥っている。
この問題の根本を田嶋会長は理解していらっしゃるでしょうか。
わかっていて変えられないのであれば、保身のためと判断されても仕方がないでしょうね。
そんなしょうもないことのために日本サッカーの未来を捨てるのは一言「愚か」です。
左サイドが穴
この2試合は観られなくても、ニュースやネット情報を見る限り、相変わらず日本の左サイド、つまり長友のところが明確に穴になっているようですね。
オーストラリア戦後もブログに書いていますが、今や長友は日本代表の明確な弱点です。
オーストラリアの攻撃は右サイド、つまり日本の左サイドに偏っていました。
ベトナムもオマーンもおそらくそうだったと予想されます。
対戦国からは「長友が日本の弱点」だとはっきり認識されているはずです。
長友はベトナム戦もオマーン戦も、後半の序盤が終わろうとしている段階で中山と交代させられています。
それが何を意味しているかは明白で、長友には試合を90分間戦えるだけのスタミナがないのでしょう。
長友はオーストラリア戦でも長い時間、通常より高い位置にポジションを取っていました。
おそらくベトナム戦もオマーン戦も同様だったはずです。
どうして同様だったと思えるか、理由が同じところにあるからです。
常に高い位置にいないと、スタミナが保たないからそうせざるを得ない。
アジア相手なら攻撃的にふるまえるだけである程度やれると、本人なり監督なりが判断しているのでしょう。
スタミナだけでなくスピードも落ちています。
低い位置にいてはタイミングよく上がって攻撃に絡めない、また一旦上がってしまうとカウンターを食らったときに戻れない。
だから常に高めの位置を取っている。
90分間戦えない選手がスタメンなんて、チームは戦う前から戦術的なハンデを背負っているのと同じです。
スタメンは90分間プレイすることが大前提と、かつてイビチャ・オシムさんが仰っていたと記憶しています。
それは本当にそのとおりで、90分間戦えない選手はスタメンに起用すべきではないです。
短い試合出場で決定的なことができているならまだしも、プレイの出来も平均より下のはずです。
はっきり申せばチームの足手まといにすらなっています。
マークすべき選手をマークしない、右に流れてきた相手選手に簡単に釣られてしまう、そしてその空いたポジションを空けたまま戻らない(戻れない)。
空いたスペースはインサイドハーフなりディフェンシブハーフなり左センターバックなりがカバーをしてねと、職務を放棄するシーンはオーストラリア戦でも散見されました。
ベトナム戦オマーン戦でもそうだったと容易に想像できます。
そもそも長友はクラブチームで活躍をしているのでしょうか。
FC東京での活躍の報をまったく聞かないのですが。
Jリーグで活躍できていない選手がどうして代表のレギュラーになれるのか、甚だ疑問です。
そう言えばベトナム戦の前、Jリーグで横浜Fマリノスでしたっけ、と対戦したFC東京が8失点の大敗を喫していましたね。
彼が大いに絡んでいたとか何とか聞きましたが。
大迫の限界
長友と同様、大迫も限界です。
これもオーストラリア戦で書いたことです。
元々得点の多い選手ではなかったですけど、確実に前回大会時から更に得点力が落ちています。
実際にこの2試合でも点を取れなかったみたいですね。
オーストラリア戦では体のキレもスピードもスタミナも、以前より落ちているように私には見えました。
機動力が減り裏を取ら(れ)なくなっているので、相手ディフェンダーが下がらずに済んでいる点も気になるところ。
代名詞的なポストも以前より衰えているでしょうか。
プレッシャーに耐えられずロストする機会が増えている体感を持ちます。
それに、味方との距離が遠かったり味方が拾いにきてくれなかったりで、ポストが機能しているとも言い難いです。
詳しくは後述しますけど、個人技任せのチームになっている現状、大迫のポストは必要となっていないと思います。
対アジアにおいては、相手が日本を警戒するため守りに重きを置き、中央を固める傾向があります。
なので大迫を使ってわざわざ堅い中央を攻略するより、サイドに起点を作ってそこから攻略をした方が、相手は嫌がるでしょうね。
伊東や三苫が活躍していることにはそういう理由もあります。
トータルで大迫を使う意味は以前より大きく減退していると私には感じられます。
大迫はオーストラリア戦後に怪我をしてJを欠場していたようです。
ベトナム戦前に復帰しJで得点を決めていたみたいですけど、完調だったかは疑わしいものです。
戦術=伊東純也
もはや日本代表は「戦術=伊東純也」になっています。
10月のオーストラリア戦では右サイドを制圧していましたし、11月の2試合はいずれも伊東が得点者です。
ベトナム戦ではVARで取り消された幻のゴラッソもあったとか。
伊東がこれほどまでやってくれるとは個人的には予想外でした。
大迫の衰えや堂安や久保の怪我の影響もあってか、伊東が日本の救世主になっています。
伊東がいなかったらどうなっていたかと思うと恐ろしいですね。
逆を言えば伊東がいなかったら森保監督はとっくに更迭されていたかもしれません。
その方が日本サッカーのためだった?
伊東が活躍した理由。
あるいはオマーン戦でデビューした三苫が活躍したそうですが、その理由はどちらも同じで、ポジティブなものではないでしょう。
それはチームに戦術がないから、個人技に頼らざるを得ないのです。
ベトナム戦の後半はロングパスばかりの単調なサッカーだったと聞きます。
要するに「縦ポン」ですね、ハリル時代にも見られたあれです。
それは伊東や浅野、古橋のスピードやドリブル、決定力に頼っていることを意味します。
中盤のサポートがなかったであろうことも想像に難くないです。
全体に間延びしていて選手間の距離が遠かったのだろうなと。
森保監督の限界
これまで挙げた長友と大迫の限界、それと伊東様、いずれも原因は「監督」です。
監督に戦術がない、戦略がない、人を含めた戦術を変える勇気がないからこれらのことが起こっています。
森保さんは何も見えていないのでしょう。
見えていれば、そして状況を変える勇気があれば、まず長友や大迫は使わないです。
セルフジャッジ&キラーパスの柴崎も使わないでしょう。
オリンピックで中山がどういう選手かわかっているはずなのに、なぜか長友を使う。
クラブであれだけ活躍している古橋や三苫をスタメンで使わないで、なぜか大迫やクラブでプレイ時間の少ない南野を使う。
柴崎もクラブでも活躍をしているなどほとんど聞いたことがなく、しかもあれだけのやらかしをしたのになぜか使う。
権田にしてもそう、「谷晃生」の方が足技は長けているでしょうから使えばビルドアップにも貢献できるのに、試そうともしないで権田一辺倒。
浅野も、どうしても代表に必要な選手とは私には思えません。
守田や田中もサウジアラビア戦まではなかなか使われない選手でした。
この2人と山根、中山、三苫、彼らは使えばしっかりと及第以上のプレイをしています。
使う前から穴だとわかっている選手たちを使って、彼らをなぜ積極的に使わないのか。
そんなことをしたって相手チームが喜ぶだけではないのか。
私はそう思います。
森保さんが少しでもチームや選手のことを見えていれば、あるいは少しでも考えていれば、中4日の海外でのアウェイ連戦を同じ面子にするはずがありません。
試合と長距離の移動でコンディションが落ちていることが明らかだからです。
伊東は得点こそしたものの、いつもより低調だったとの情報が多数見受けられたので、やはり体調は万全ではなかったと推察されます。
他の選手たちも同様でしょうし、特に長友たちベテランはその傾向が顕著だったことでしょう。
監督が確固たるチーム戦術を持ちが、それがチームに浸透しているならば、誰が入ってもある程度のチームのクオリティは保つことができる。
現日本代表がそうであるなら尚の事、オマーン戦はベトナム戦と同じメンバーにしない方が良かったです。
チームクオリティを保ちつつ多くの選手に国際経験を積ませることだってできたのですから。
それができなかったのは森保さんのチームは「選手頼み」だから、これに尽きます。
「戦術=伊東」ではなく正しくは「戦術=人任せ」です。
その一方で今回、三苫がデビュー戦でいきなり活躍できたことは、森保さんが戦術を持っていなかったからこそ実現したのかもしれません。
要するに「森保戦術=人任せ」なので、独力で何とかできてしまう選手はいきなり放り込まれても何とかできてしまうのです。
中島翔哉しかり伊東しかり久保建英しかり三苫しかり。
代表に限らずですけど、チームは常に代謝させる必要があると思います。
チームの活動は存続するからです。
長友と大迫、柴崎、吉田、権田、この辺りは前回大会以降、代謝を進めていなければならないポジションだったでしょう。
○ーコさんなどもそうでしたけど、代謝を怠る監督は個人的には駄目な監督です。
自分の利益しか考えていないと捉えられますので。
等々考えますと森保さんでは限界でしょうね。
もはや手遅れかもしれませんけど、それでも続投させるよりはずっとマシ、一刻も早く解任すべきと私は考えます。
田嶋会長の辞任の是非
森保さんを監督に任命したのはJFA会長ですよね。
現JFA会長は田嶋幸三さんです。
森保さんに代表監督を務めるだけの力量がないのはもはや明白でしょう。
監督を替えるタイミングはとっくに来ていると感じられます。
しかし田嶋さんは替えない。
それは森保監督を任命したのが自分だからでしょう。
自身の責任問題に直結するから「解任できない」のです。
先ほども書いていますように、サッカー日本代表の人気はここ数年で著しく低下したと感じています。
世間の多くは既に日本代表への関心が薄い、あるいは無いでしょう。
理由は新型コロナウィルスのこともあるのでしょう。
サッカーどころじゃないと。
しかし2021年11月現在は全国で緊急事態宣言が解除されていますし、感染者数はパンデミックが起こって以来の落ち着きを見せている状況です。
今、一般の方々が代表に対して無関心な理由が全て新型コロナにあるとは、私にはとても考えられません。
理由は単純で、日本代表チームに魅力がないからです。
展開されるサッカーがつまらない、つまらない上に勝てない、勝てても展開されるサッカーがつまらない、そのループ。
これではファンが離れるのも無理はありません。
一番の問題は「閉塞感」でしょうね。
呼ばれるのはいつも同じメンバー、新しい選手が呼ばれたとしてもスタメン・交代はいつも同じ。
選手頼みサッカーな上に配置のセンスが絶望的に無い。
そして展開されるサッカーに魅力がない。
これらに対してファンやメディアは散々声をあげてきました。
しかし残念ながらファンやメディアの声は協会や監督には届いていないと私には感じられます。
届いているのなら無視されているでしょうね。
多くのファンも同じように感じていらっしゃることでしょう。
協会や監督や日本代表と、ファンとの間には大きな溝が生じてしまっているようです。
田嶋さんは既に大きなことをしてしまっています。
ワールドカップ予選に敗退してからあれこれと変えても手遅れの可能性が少なからずあるでしょう。
ハリルホジッチさんへの背信行為、彼はこの件の責任も取っていません。
ファンの不信はこの頃からずっとあるでしょうから、根は深いと感じます。
協会トップも選手時代にプロ経験がある人、もっと言えばワールドカップに出場経験のある人、海外で活躍した人たちが主導していく時代が来ているようにも思いますね。
日本サッカーリーグから続く古き悪し慣習、アマチュアリズムはここいらで断ち切る必要があると。
おわりに
ということで、サッカー日本代表が『FIFAワールドカップ カタール2022』のアジア最終予選、ベトナム戦オマーン戦を結果を受けての感想を書いた記事でした。