『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年10月13日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。
「10周年3時間★水彩画&俳句タイトル戦スペシャル」です。
このたび秋のタイトル戦「金秋戦」決勝が行われました。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
今回はスペシャルでしたから、19時からの3時間でした。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
2022年「金秋戦」
2022年10月13日放送の「10周年3時間★水彩画&俳句タイトル戦スペシャル」では、秋のタイトル戦「金秋戦」が開催されました。
読みは「きんしゅうせん」です。
出場者
2022年の金秋戦決勝の出場者です。
- 梅沢富美男(永世名人)
- 村上健志(永世名人)
- 藤本敏史(名人10段)
- 千原ジュニア(名人10段)
- 横尾渉(名人10段)
- 立川志らく(名人6段)
- 皆藤愛子(名人3段)
- 森口瑤子(名人初段)
- 松岡充(特待生2級)
- 春風亭昇吉(特待生5級)
敬称略で失礼します。
決勝に勝ち進んだ10人(シード含む)は上記のとおりです。
段位等に間違いがあったら申し訳ありません。
予選の感想は当ブログで過去に記事にしています。
あわせてご覧になってください。
お題「大谷翔平」
今回のお題は「大谷翔平」さんでした。
大谷さんは季語ではないでしょう。
他に季語を添える必要があります。
結果
2022年「金秋戦」の結果です。
優勝者は「藤本敏史」さんでした。
フジモンさんですね。
- 藤本敏史(名人10段)
- 村上健志(永世名人)
- 春風亭昇吉(特待生5級)
- 横尾渉(名人10段)
- 松岡充(特待生2級)
- 千原ジュニア(名人10段)
- 梅沢富美男(永世名人)
- 森口瑤子(名人初段)
- 立川志らく(名人6段)
- 皆藤愛子(名人3段)
敬称略で失礼します。
上位2名、フジモンさんとフルポン村上さんのお二人が次回のシード権を獲得しています。
感想
『プレバト!!』2022年「金秋戦」の放送を視聴しての感想です。
フジモンさん優勝
先ほども書きましたとおり、名人10段の「藤本敏史」さんがタイトル戦初優勝を成し遂げました。
句は、大きく振りかぶっている人が秋のさわやかさの真っ只中にいることが詠まれています。
ワインドアップポジションを取るピッチャーが昨今少なくなっているそうです。
その中で大谷選手のワインドアップ、これは高校時代のワインドアップポジションのことみたいですけど、それを詠まれたと。
野茂英雄さんがメジャーリーグに初挑戦したことにもかけていらっしゃると仰っていました。
季語は「秋爽」。
読みは「しゅうそう」。
秋の季語です。
ゆっくり振りかぶるピッチャーの動作、その短い時間を映像にしている真っ向勝負を挑んだ句。
ピッチャーとはどこにも書いていないけど読めばわかる。
秋爽の季語がよい。
ストレートで爽やか。
季語の中心に立っているかのような、それがピッチャーという存在である。
一点だけ、「秋爽に」の「に」がない方がスッキリした。
「に」がなければ、2位の句と順位付けで迷わなかった。
「に」がないと、きっぱりとした空気が出た。
よい句でしたね。
個人的には2位の方が、テーマを詠んだという点で上かなと思っています。
テーマ度外視で、17音の出来だけで捉えるとこちらが1位です。
2位は村上健志さん
惜しくも優勝を逃し2位となったのはフルーツポンチ「村上健志」さんでした。
句は、案山子が大谷の球を大谷が打っていることを詠まれていました。
案山子のコンクールみたいなところでの出来事が詠まれています。
投手としての大谷選手とバッターとしての大谷選手を、別々に作られたカカシがあって、実際には決して見ることのできない夢の対戦がカカシで実現しているという。
二刀流ならではの場面ですね。
季語は「案山子」。
読みは「かかし」あるいは「かがし」。
秋の季語。
このアイデアはさすが村上さん。
日本中にどれだけの大谷選手の案山子が並ぶか。
そういう世相もさり気なく描いていてよい。
今回順位を悩んだ。
俳句の世界では先に何かを出しておいて実はそれ案山子でした、という「案山子オチ」の発想がない訳ではない、とのことでした。
つまり、俳句の世界から見た場合の、1位より2位のこの句の方があるある感が強かったみたいで、そこが順位の分かれ目になったということでしょう。
こちらもよい句でした。
俳句あるあるで順位を決めるのではなく、できれば純粋に兼題をいかに詠んだかで順位を決めて欲しかったなと思います。
個人的には、1位の句は村上さんの句に比べて大谷選手感が弱いので、テーマをいかに捉えたかについては、村上さんの方が上だと思っています。
偶然ですけど、実は私もこの秋に、案山子になっている大谷選手の句を作りました。
シンパシーを覚えるので、その意味でも村上さんの句が1位であって欲しかったです。
3位は春風亭昇吉さん
3位は春風亭昇吉さんでした。
句は、白州の雲を右投げ左打ちが穿ったことを詠まれていました。
大谷選手の快刀乱麻の活躍を詠まれたそうです。
右投げ左打ちなのですよね。
白秋の雲はモヤがかかったすっきりとしない空のことで、それに穴をあけるような活躍だったということのようです。
季語は「白秋」。
読みは「はくしゅう」。
秋の季語。
雲を穿つように孔を開けるってどういうこと思うと、右投げ左打ちとくる、ああ打った球が雲を砕く、そういうことかとなる。
悩んだところが1つある。
それは「穿ぐ」という動詞。
(原句では「穿ぐ(うぐ)」と表現されていました)
穿つは掘られたり削られたりして穴が開くこと。
大谷選手のようなホームランのイメージより、こつこつとヒットを積み重ねていくイメージが合う。
穿ぐがこの句のイメージ合うのか。
ストレートに「裂く」の方がホームランのイメージに合う、または「撃つ」としてもよいのではないか。
ここがもったいない。
2音の動詞を昇吉さんが探して欲しいと、夏井先生の鑑賞・評価でした。
よい句でしたが、1,2位の句と比べるとやや差のついた3位とは思います。
でも昇吉さんは今回が初めての決勝進出だったみたいですし、3位ですからね。
今後のご活躍が楽しみです。
そうそう、志らくさんが自分より昇吉さんの順位が上だったら、昇吉さんの講演会にノーギャラで出演してやると言っていましたから、これで実現ですよね。
志らくさんはやっぱりギャラ交渉はさせてなどとみっともないことを、後で言っていましたがそれはダサすぎです。
そんな小さなことを言わずに、事務所が駄目だと言ってもノーギャラで出てやるくらいのことをしてよと思います。
自分から啖呵を切ったことなのですから貫くべきでしょう。
その他
その他の方です。
今回はテーマが難しかったこともあって、全体的に低調だったかなと思います。
また男性の方が詠みやすいテーマだったかもしれませんね。
その点で兼題のチョイスがやや公平性に欠けていると感じました。
4位横尾さんのフェンウェイパークの句や6位ジュニアさんの17画の名前をつける句は、大谷選手感が弱かったです。
5位松岡さんの三箇条の句は兼題に引っ張られすぎて、ややインパクトに欠けた印象を持ちました。
特にジュニアさんの句は、17音だけの勝負ならもっと上位に行けたと思えるくらいよい句だったので、普段の永世名人への道に出していたらと思わずにいられません。
7位梅沢さんのゴミをポケットに入れる句と、10位皆藤愛子さんの生姜を擦る句は、添削句が素晴らしかったですね。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年10月13日放送の「金秋戦」を視聴した感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。