ジブリアニメ『千と千尋の神隠し』が、もう何度目でしょう、2024年1月5日に日本テレビ『金曜ロードショー』枠で放送されました。
視聴した感想をあれこれ書いています。
特に「幻のエンディング」について書いています。
以下、ネタバレ要素を含みますから、バレても構わない方のみ下にスクロールしてください。
目次
アニメ『千と千尋の神隠し』
『千と千尋の神隠し』が日本テレビで放送されました。
不思議な世界に迷い込み両親と離れ離れになってしまった10歳の少女・千尋は、神々が集う湯屋「油屋」の主人・湯婆婆に名前を取り上げられ、謎の少年・ハクの協力を得てそこで働くことになる。湯婆婆、釜爺、ススワタリ、カオナシやオクサレ様と個性的なキャラクターと様々な経験を通して生きる力に目覚めていく千尋の全人類必見の大傑作。
日本テレビの『金曜ロードショー』のwebページには上記引用部のように書かれています。
本作の公式webサイトもありました。
放送日時
放送日時です。
2024年1月5日の21時00分から。
放送局は『日本テレビ』。
監督など
本作の監督について。
監督は「宮崎駿」さんです。
説明不要。
原作はあるのか?
本作に原作の小説などはあるのでしょうか。
宮崎駿さんのオリジナル作品と思われます。
感想
ジブリアニメ『千と千尋の神隠し』を観た感想です。
映画館で観た
私は本作を公開当時に映画館で一度観ました。
『天空の城ラピュタ』も映画館で観ましたので、この2作品だけですね、映画館で観た宮崎駿監督の作品は。
観るたびに面白くなっていく
映画館で初めて観たとき、正直そこまで面白くは感じませんでした。
しかし、テレビで放送されるたびに視聴してきて、観るごとに面白く感じられるようになりました。
私にとって、ジブリ作品のトップ3は1位ラピュタ、2位紅の豚、3位トトロです。
しかし、千と千尋の神隠しはトップ3の牙城を崩そうとするところに来ている感があります。
そのくらいに好きになりました。
あの顔じゃない!
最初、映画館で観たとき、何よりショックだったことは千尋の「顔」です。
ナウシカとかシータとかさつきとかキキとか、いわゆる宮崎駿さんの描く「ヒロイン顔」ではないことが、結構なショックでした。
あの顔だと思いこんでいたので。
ジブリ的にも千尋の顔をこの造形で行こうとした決断は、結構な挑戦だったのではないかと思います。
ファンから拒否される危険も多分にあったと思うので。
実際に少なくない非難もあったのだろうと想像されます(調べていないので本当に非難されたかは知りません、あくまでも私の想像です)。
しかし、本作の物語が進むうちに、何度も観るうち、その違和感はすぅっとなくなって、馴染んでいきました。
今やむしろこの顔が正解とまで思えるようになっています。
同じように思った方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
幻のエンディング
『千と千尋の神隠し』がテレビ放映されると、必ずと言っていいほど語られる「幻のエンディング」があります。
あちらの世界から現実に戻って、3人で自動車に乗り込み新しい家に改めて向かいます。
家を見上げると引越し業者が来ていて、新居のそばを小川が流れている。
とか何とかというエンディングです。
幻のエンディングを観た覚えがある気がする
私、この幻のエンディングを観た覚えがある気がするのですよね。
ずっと忘却していましたけど、ネットでたまたまこの意見を目にして、ぶわっと映像が思い浮かびました。
その情報を見て、そういう映像を観た記憶があると思ったのです。
「あったあった!! 見た見た!!」と。
特に千尋の両親(母)と引越し業者のやり取りの記憶は強めに残っています。
家の近くを流れる小川がキラキラしている様子も覚えています。
私の記憶は映画館で観たときのものと思います。
テレビでは一度もそのエンディングを観たことがないはず。
『Yahoo!知恵袋』でも幻のエンディングについての質問がありました。
上にリンクを貼った質問などいくつかあるようです。
概ね質問の回答にあるとおりの記憶ですね、私のものも。
小川がハクの生まれ変わりというところはわかりませんでしたが、これは私の読解力の問題でしょうか。
自信はない
しかし、幻のエンディングに関する私の記憶に確たるものを持てていません。
証拠がないですから。
なのでネット情報を読んだことで記憶が改竄された可能性も否定できません。
嘘だと言われたら、自分にとっては嘘ではないけど本当だと言い切る自信はないと答えます。
スタジオジブリはこの件に関して何か言及されているのでしょうか、知りたいところ。
千尋の回避癖の原因
今回の放送で思ったことがあります。
それは物語冒頭でしばしば見られた、千尋の「回避癖」です。
両親の都合で引っ越しとなった10歳の少女・千尋。車の中で握りしめている花はスイートピーです🌺。花言葉は“門出”“別離”“やさしい思い出”。何かを予感させます😳🚗#千と千尋の神隠し#金曜ロードショー pic.twitter.com/2WbxTLFjfM
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) 2024年1月5日
好奇心旺盛であろう子どもが、自動車から降りたくない、テーマパークの奥に行きたくないと、変化を望まない言動が目につきました。
普通なら、テーマパークに行きたいのが子どもで、親がそれを引き止めようとしながらも結局はついて行くと、関係が逆に描かれそうですから。
今回の放送を観るまで、これが千尋の性格というか性質というか、そういうものと思っていました。
それもある意味で間違いではないでしょう。
しかし今回の放送を観て、これは千尋が幼い頃に川で溺れた体験がそうさせているのかもしれない、と思いました。
わかりやすく言えば「トラウマ体験」です。
事故以降、千尋はトラウマを無かったことにして生きてきたのではないでしょうか。
だから事故の他のことも、自分にとって都合の悪そうなことは見ないようにする、なかったことにする、そもそも行動をしないようにすれば怖い想いをしない。
そういう思考回路が出来上がった可能性です。
ところが、湯屋「油屋」で思いがけず、自分が働かなければ自らの命がなくなる、両親も豚のままという極限の状況に身を置くことになりました。
退路のないギリギリの環境です。
物語全体が千尋の精神世界の話だとすれば、両親が本当に豚になっていたかはわからないですけど。
そこではどうしても自らと向き合わざるを得ず。
油屋で責任をもって仕事をすること、ハクやリン、釜爺、銭婆、坊といった信頼できる・信頼してくれる人たちを得、彼らと過ごすことで自信を持て、神様たちのサポートもあって、トラウマ(=特に事故の記憶)と向き合うことができた。
結果としてハクの本当の名前も思い出すことができた。
(あの千尋が旅した世界そのものがハク=川の神様が彼女のトラウマを解消するために見せた精神世界かもしれません)
だから映画の表面上は千尋がハクを解放しているのですが、その前にハクたちが千尋を解放してあげているのですよね。
お互いがお互いを助けた物語なのです。
と、今回の放送を観て思いました。
この感想が正しいとも思っていません、ただそう感じたというだけです。
おわりに
ということでジブリアニメ『千と千尋の神隠し』が放送されたので、視聴した感想を書いた記事でした。
私の認識や理解が間違っていたら申し訳ありません。
Amazonでは本作のDVDとBlu-rayが発売されていました。
気になる方はぜひ。