ディスディスブログ

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山田洋次作品。NHKでドラマ『遥かなる山の呼び声』が放送されたので視聴した感想を書きました

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土曜ドラマ『遥かなる山の呼び声』なる作品が、2023年9月23日から4回に分けて、NHK総合で放送されました。

再放送と言いますか再編集版なのでしょうか。

視聴した感想をあれこれ書いています。

 

以下、ネタバレ要素を含みますから、バレても構わない方のみ下にスクロールしてください。

 

目次

 

土曜ドラマ『遥かなる山の呼び声』

遥かなる山の呼び声』というドラマがNHKで放送されました。

 

スペシャルドラマ「遙かなる山の呼び声」

www.nhk.jp

 

 

日本映画史に残る名作として国内外から高い評価を受けた山田洋次監督の「遙かなる山の呼び声」。
あれから43年、山田監督が北海道中標津の舞台はそのままに時代を現在に置き換えて書き上げた脚本が、土曜ドラマとなって帰ってきます。
演出は『釣りバカ日誌』シリーズで人気を博した朝原雄三監督。BSプレミアムで’18年に放送された初編と’22年に放送された続編に未公開シーンを新たに加えたディレクターズカットとして4週にわたってお届けします。主演の阿部寛と常盤貴子、そして筧利夫・藤井隆・真飛聖・中原丈雄・高畑淳子たち実力派俳優たちがオール北海道ロケで繰り広げる、笑って泣ける王道のヒューマンラブストーリーにご期待下さい!

 

北海道東部、雄大な大自然に囲まれる中標津の地で、亡き夫が遺した零細ながらも良質な牛乳を生産する酪農家・民子(常盤貴子)のもとに、ある嵐の晩、怪しい男・耕作(阿部寛)が転がり込む。
耕作は、民子に思いを寄せる地元建設会社の社長・虻田(筧利夫)や民子の義父・吉雄(中原丈雄)、そして夫の叔母・鈴江(高畑淳子)たちから怪しまれながらも、人手の足りない民子の農場を手際よく手伝い、父親を亡くして寂しい日々を送っていた民子の幼い息子・武志(佐藤優太郎)からもなつかれ、民子から厚く信頼されるようになっていく。
しかし、訪れ始めた幸せな日々は、耕作がひた隠しにしてきた秘密が明らかになったとき、音を立てて崩れていく・・・

 

録画データには上記引用部のように書かれています。

 

引用部にありますように、2018年と2022年に放送されたものを再編集して4回に分けて放送した作品だそうです。

 

スペシャルドラマ「遙かなる山の呼び声」

 

放送日時

放送日時です。

毎週土曜日22時00分から、1回につき49分間を4回。

放送局はNHK総合。

 

2023年9月23日が第1話の放送で、記事作成現在全4話の放送が終了しています。

今後再放送があるかもしれません。

 

監督など

本作の監督について。

 

  • 原作:山田洋次
  • 脚本:山田洋次、坂口理子、石川勝己
  • 音楽:沢田完
  • 演出;朝原雄三
  • 出演:阿部寛、常盤貴子、中原丈雄、真飛聖、藤井隆、佐藤優太郎、松澤一之、桂雀々、北山雅康、金田明夫、山下容莉枝、筧利夫、高畑淳子ほか
  • 制作統括:樋口俊一 (NHK) 、亀井威(松竹)
  • プロデューサー:嶋村希保(松竹)

 

とのこと。

 

原作はあるのか?

本作の原作があるのかないのかについて。

 

遙かなる山の呼び声

 

日本映画史に残る名作として国内外から高い評価を受けた山田洋次監督の「遙かなる山の呼び声」。

 

先ほどの引用部にありますように、山田洋次監督による同名映画が元にあるようです。

そちらを改めて作品化したということみたいですね。

 

遙かなる山の呼び声

 

感想

ドラマ『遥かなる山の呼び声』を観た感想です。

 

一度しか観ていない

私は本放送を一度しか観ていません。

なのでセリフを聴き逃していたり、セリフや設定を忘れてしまったり理解を間違えていたりしている可能性があります。

その点ご留意ください。

 

1話を見逃しているかも

しかも1話をきちんと観ていない可能性も高いです。

終盤は観ていたと思うのですが、最序盤は記憶にないのでおそらく見逃している可能性が高いですね。

既に忘却していますが。

 

私あるあるなのですけど、普段朝ドラの他はほとんどドラマを観ませんで、なので放送前にチェックをする習慣がないのですよね。

始まってから偶然観て、面白そうだと思ったら継続視聴することが本当に多いです。

本作もそれに該当します。

 

映画は観たことがない

私は映画版を観たことがないです。

たぶん。

 

『幸福の黄色いハンカチ』に似ているじゃないですか、本作。

私には似ているストーリーと思えるのですよね。

なので既視感がある展開だなぁと思いながら観ていました。

もしかしたら覚えていないだけで、幼少期にでも映画で観たのかもしれません。

 

シェーン(字幕版)

映画の『シェーン』でしたっけ、あれにも似ていると、後でネット情報で知りました。

『シェーン』は子どもの頃に観たようなないような。

それもあったかもしれません。

 

シェーン(字幕版)

 

面白いか面白くないか

シンプルに本作が面白いか面白くないかと言いますと「面白い」作品でした。

 

結末はわかっているじゃないですか。

いえ、原作映画があるからという意味ではなく、阿部寛さん演じる森田耕作と、常盤貴子さん演じる風見民子が好き合って一緒になることは観ていてわかるという意味で。

 

先ほども書いたように、私は『幸福の黄色いハンカチ』を観たことがありますし、『男はつらいよ』シリーズも何作かは観ていますから、山田洋次監督の手癖を知っていることが本作の予想のしやすさにつながっているように思います。

観たことのない人はもう少し結末を迷ったかもしれません。

 

結末に向けてどう展開させていくかという途中の流れについても、山田洋次節と言いますか、黄色いハンカチ的な意味でわかりやすく安心して観ていられました。

2023年現在からすれば古臭さを感じるストーリー展開ではありましたが。

 

私は「リアル人生が辛いのだから映画やドラマくらいは幸せな結末であって欲しい」と考えている人間です。

それもあって、山田洋次作品は、私の知る限りそういうお話が多いですから、観る前から安心していました。

 

とは思いつつ、初めて観る(はずの)作品ですので、結末に100%の確信がある訳ではなく、少ないながらアンハッピーエンディングの可能性も頭の片隅にはありました。

それだけに、事前に予想したように落ち着いてくれ、ラストシーンまでを楽しむことができました。

 

とは言っても、耕作があれしてあれしたことは描かれています。

物語の全編に渡って平穏かというとそうではなく、むしろ暗い部分やトゲトゲした部分も多分に描かれている作品ではあるのですが。

結末を予想できるがゆえに、そういう道中の暗い部分も耐えられました。

この辺もやはり監督の手癖を知っているからこそかもしれません。

 

男はつらいよ HDリマスター版(第1作)

 

武志はどうしてああなったの?

民子は「武志」という名の息子と二人暮らしをしています。

牧場経営をしているのですよね。

 

3話でしたっけ、そこから耕作が出所した後を描くために物語が数年後に飛ぶのですが、武志くんが成長した後に自閉症のような症状を示す子どもになっていたのです。

 

これは驚いたというか戸惑いましたね。

2話まで武志くんは小学生で、そのときはそのような様子を一切見せていませんでした。

記憶によれば確か。

 

おそらくですけど、2話までが2018年に放送され、3話からが2022年に放送されたのだと想像します。

2022年の内容を製作する上で、武志くんの設定に、あるいは物語にテコ入れが入ったのでしょう。

 

どうしてそういう追加設定をしたかについては、先ほど申したように「テコ入れ」が理由にあると私は思っています。

武志くんがそういう性質を持っていたことにして、民子が耕作を待つ生活や時間により高く厚い壁・困難を設けたかった。

障害を設けるために追加された設定に私には受け取れました。

 

藤井隆さん演じる武志の通う中学校の教師・西川の存在からも製作サイドの同じ狙いを感じます。

物語をより盛り上げるために、西川という民子に好意を抱く存在、つまり耕作にとっての恋のライバルを登場させたかったのであろうと。

 

そんなことをする必要があるのだろうかと、小さくない違和感が私にはあります。

 

そんなことする必要はないと思うのですよね。

武志がそうであるかどうかなんて、確かに民子たちの生活は確かに大変でしょうけど、作品の本質なところには関係していないと思います。

だからこそ追加できたのでしょう。

しかしこのような設定の急な変更は、視聴者をいたずらに混乱させるだけで、悪い意味での心の引っ掛かりになってしまいます。

今、私にブログを書く行動を起こさせているように、作品の質や評価を落とすことにつながりかねないです。

安易で短絡と思える追加設定は止めた方が賢明でした。

 

自閉症的な性質を持つことそのものを問題視にしているのではありません。

武志くんが幼少期からそうだったり、その気配を漂わせていたりしていれば何ら問題ありませんでした。

途中から加えるから違和感になっている、ということです。

 

49分*4回の放送尺に収めるために必要な措置だったのかもしれませんね。

だとすれば尚悪いですけど。

 

藤井隆さん

藤井隆さんがちょっと嫌でしたね、私は。

コミカルに演技をしすぎて上滑り感があり、作品の雰囲気に合っていないように見えてしまいました。

はっきり申せば異物感がありました。

 

藤井さんは器用な方ですから、真面目な演技だってできたはずです。

ですから、本作におけるコミカルな演技は、演出家やら監督やらに指示されたものと私は受け取っています。

黄色いハンカチでいうところの、武田鉄矢さん的な立ち位置の人物が欲しかったのだろうと推察します。

 

なので藤井さんがというより、彼にそれを指示した人が狙いすぎたのか、滑ってしまったのだろうと私は思っています。

武志くんのことを含めてもったいないなと。

 

耕作のことだったり民子のそれまでの人生だったり、人生の暗い部分も描かれている作品ですから、筧利夫さんを含め明るいキャラクターを入れて盛り上げたい気持ちもわからなくないですが。

私には少々過剰だったように見えました。

 

ハマり役

主役のお二人、耕作を演じた阿部寛さんと、民子を演じた常盤貴子さんはよいキャスティングだったように思います。

 

特に阿部さんですね。

陰のある寡黙な男、ピッタリ。

 

できれば耕作も民子も、少なくとももう10歳若ければよりよかったです。

でも、このお二人より役の合う人はなかなか見つからないだろう、そう思えるくらいにハマり役だったように思いました。

 

良作

というように、色々なところで少しずつ小さな不満の残る、惜しい作品でした。

それもあって私にとって、名作とまで言えないですけど、良作であったことは間違いなく言えます。

 

再放送があれば是非もう一度観たいです。

特に、見逃しているであろう1話の冒頭を観たいので。

 

おわりに

ということでNHKで土曜ドラマ『遥かなる山の呼び声』が放送されたので、視聴した感想を書いた記事でした。

 

私の認識や理解が間違っていたら申し訳ありません。

 

↓漫画や小説を読むとまた印象が変わるかも。

気になる方はぜひ。

 

 

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