『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2023年3月30日の放送に俳句コーナーがありました。
2023年「春光戦」が開催されています。
今回決勝戦が行われました。
決勝のお題は「給与明細」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
他、査定される芸能人・有名人の皆さんです。
俳句2023年春光戦
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2023年3月16日の放送でも扱われました。
今回から2023年「春光戦」が開催されます。
2023年3月16日の放送は予選B・Cブロックが行われました。
決勝のお題は「給与明細」です。
「給与明細」は季語ではないと思います。
2023年『春光戦』予選結果
2023年の『春光戦』の予選の結果です。
詳しいことは前回の感想記事からご覧になってください。
上にリンクを貼った記事がそれ。
出場者
決勝戦の出場者です。
敬称略で失礼します。
- 梅沢富美男(永世名人)
- 村上健志(永世名人)
- 千原ジュニア(永世名人)
- 藤本敏史(永世名人)
- 春風亭昇吉(特待生4級)
- 皆藤愛子(名人4段)
- 勝村政信(特待生5級)
- 横尾渉(名人10段)
- 森迫永依(特待生4級)
- 立川志らく(名人6段)
以上10名で争います。
結果
2023年「春光戦」決勝の結果です。
- 藤本敏史(永世名人)
- 皆藤愛子(名人4段)
- 梅沢富美男(永世名人)
- 村上健志(永世名人)
- 千原ジュニア(永世名人)
- 森迫永依(特待生4級)
- 横尾渉(名人10段)
- 立川志らく(名人6段)
- 春風亭昇吉(特待生4級)
- 勝村政信(特待生5級)
以上のとおりです。
フォントカラー青の人が次回のシード権を獲得しています。
次は秋ですか、その大会は永世名人も予選からスタートとのこと。
感想
2023年「春光戦」決勝を視聴しての感想です。
全体の感想
全体的にちょっと低調だったように思いました。
2位にも添削が入っていましたし。
いや、全体的なレベルは上がっているという発言が番組内にあり、それは確かなのでしょう。
しかし、近ごろは皆さんが俳句に慣れてきたせいか、突出した句も出にくくなっているかなと感じています。
全員が全員そうであることはなくとも、せっかくのタイトル戦なので、もっと尖った句が欲しいかなと観ていて思いました。
タイトル戦だからと守りに入らず攻めていただきたい。
1位 フジモンさん
1位はフジモンさんでした。
タイトル戦に強いですね。
手渡しで給与をもらった人たちが喫煙所で、飲みに行くかみたいな談笑をしていることを詠まれています。
町工場のイメージと言っていたでしょうか。
よい光景を描かれていてよい句と思いました。
無駄な言葉がなく動詞も省略されて、お手本のような俳句。
2位 皆藤さん
2位は皆藤愛子さん。
ギャラの明細が2行だったということを詠まれていました。
突発性難聴を患ったときのことだそう。
ギャラだけで芸能関係者とわかることを皆さん褒めていましたが、同感です。
うまいですね。
春を主役にするなら、と添削が入っていましたけど、でも原句でもよいかなと感じました。
が、原句は助詞「は」が若干説明的ですか、やはり添削句の方がよいかもしれません。
3位 梅沢さん
3位は梅沢さん。
退職の日に花束をもらった人が、花束一緒にブランコに乗っていることですか。
上五「鞦韆に」の助詞「に」が散文的かつ説明的であるとの指摘があったでしょうか。
上五の「に」は要注意だと。
でも梅沢さんにとってはこの「に」が大事だからと、それを活かす添削がありました。
この、作者にとって大事な言葉だから残すという方法が、本当の添削だと思うので、今回、夏井先生の一番のファインプレイだったなと観ていて感じました。
個人的には同じく「に」が散文的かなと思ったことと、類想がありそうだなとも思いました。
特に類想は結構致命的で、それを裂けるための工夫や仕掛けがもう一つ二つ欲しいかなと。
4位 村上さん
4位はフルポン村上さん。
給与明細の保護シールを剥がすことと、石川啄木の忌日との取り合わせていました。
生活苦、庶民の感じと個人情報保護シールの感触が何となく相性がいいと思って作られたそう。
手応えだけだと給料が良いと捉える読者が出てくるという指摘がありました。
確かにそのとおりだなと観ていて思いましたが、先生による添削句も、その問題から脱却しきれていないのでは、と感じました。
しかし、先生も褒めていましたけど、あの保護シールを剥がす感覚と啄木忌とを取り合わせる発想ですよね。
やはり村上さんはすごいなと思いました。
ただ給与明細に保護シールなんて使うだろうか、とも思いましたが。
5位 ジュニアさん
5位は千原ジュニアさん。
口座開設をしたときの判子の朱肉を拭き取る動作と「夏近し」の取り合わせでした。
ご自身が15歳で吉本で初めて仕事をする際に口座を作るよう言われたときのことを詠まれたそうです。
季語が動くかどうかで、梅沢さんと意見が分かれていました。
私は梅沢さんと同じく動くと感じましたが、ジュニアさんはちょうど4月の終わり頃の話だったから動かないと言っていたかと思います。
先生もこれは動く動かないが半々に分かれる句と仰っていましたね。
作者の思いを汲んでの添削もされていて、配慮を感じました。
が、俳句はあくまで17音で判断すべきと私は思います。
作者の人物像や背景などを汲んで読むべきではないと。
こういう順位をつける場では特にそうではないでしょうか。
ですので個人的には梅沢さんが仰っていたように、こちらは動くかなと判断します。
↓ここからが翌2023年3月31日の追記分です。
6位 森迫さん
6位は森迫さん。
冬春連覇ならず。
句は本採用が決まったよるに缶酎ハイを買った・飲んだことを詠まれていたかと思います。
スタジオで応援していた千賀さんから、本採用が決まって嬉しいことのはずなのに、季語の「朧夜」が合っていないのでは、というご指摘がありました。
先生もそこに添削を入れていましたね。
朧夜が微妙、本採用が決まらなくてオロオロしていると読めてしまうと仰っていたでしょうか。
確かに、春ならではの湿気を帯びた夜の月、これはちょっと嬉しさとは合致しにくいかもしれません。
実は私は、森迫さんはご自身の句の季語に問題があることに気がついていたのではと思っています。
頭のよい方みたいですから、色々と考えてそのままにしたのかなと。
7位 横尾さん
7位は横尾さん。
起業した会社にゲーミングチェア届いたことを詠まれていました。
長いデスクワークにも疲れにくいからと、ゲーミングチェアを使う起業が増えているとか何とか言われていたでしょうか。
原句のラスト「届く」がもったいないという評価でした。
届くだと自分のところに自分のための1台が届くというニュアンスになって違和感があるという理由だったでしょうか。
「〜導入」とすれば会社感が出ると。
私は導入ではなく、「搬入」の方が原句「届く」のニュアンスとは合うかなと感じました。
8位 志らくさん
8位は志らくさん。
「桜蘂降る」の季語と、陸上自衛隊の戦車が静かであることを取り合わせていました。
桜蘂降るの読みは「さくらしべふる」です。
しべは「雄しべ」「雌しべ」のしべ。
テーマとの絡みで損をしているが面白いものを出してきた、と先生からは評価されていました。
しかし、場所がどこなのかがわからないと9位の昇吉さんは言っていて、先生もそこに不満があったのでしょう、添削で変えていましたね。
原句「陸自」を消して「駐屯地」としていました。
私には、志らくさんは毎回格好良いことをやろうとしているところが、かえってダサく見えてしまいます。
俳句に真正面からぶつかっていない気がするのですよね。
破調へのこだわりなんて、小さなことだと思いますし。
小さなことに拘泥しているように私には受け取れます。
9位 昇吉さん
9位は昇吉さん。
職が長く続かない尾崎放哉(おざき・ほうさい)と「鳥雲」を取り合わせていました。
先生は発想自体は悪くないと仰っていました。
梅沢さんは「尾崎」を外して「放哉」だけで通用するとも指摘していました。
これは先生も賛成していましたね。
また原句「職を辞したる」では職を止めたことが一回と思われる可能性があるから、添削では「またも」と直されていました。
また理屈をこねやがって、みたいなことを先生は言っていたと思うのですが、確かに知識を披露している感は強いです。
9位は致し方なしと私も思いました。
予選の句は素晴らしかっただけにもったいないです。
昇吉さんは今回のために700句も作っていたみたいですね。
その中から選んだ句ということで、他の句も見てみたいです。
私は熟考型でと言えば聞こえはよいですが、多作できないタイプの人間なので多作できる昇吉さんが羨ましい。
↑ここまでが追記です。
詩がない!
今回9位までが詩があり10位の句には詩がない、という発言が先生からありました。
しかし、これは絶対に間違っていると思っています。
作者はその出来事なり事象なりに詩を感じたから俳句にしたと思うからです。
読者にとっていかに詩がなく感じられても、作者の意思を尊重して口に出すべきではないと思います。
逆に、技術的なことであれば、いくらでも指摘してよいと思います。
確かに10位の句は報告句のようで、順位も妥当だったとは感じます。
感じますけど、では詩がないかと言われると、そんな訳はないと。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2023年3月30日放送の俳句コーナー2023年「春光戦」決勝を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。