『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2023年1月12日に俳句の2023年冬のタイトル戦「冬麗戦」が行われました。
視聴した感想を書いています。
大会の結果などネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
今回は3時間スペシャルでした。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者の方々です。
2023年「冬麗戦」
『プレバト!!』の2023年1月12日の放送は3時間スペシャルでした。
俳句では冬のタイトル戦「冬麗戦」が開催されています。
今回のお題は「ラッキー」です。
「ラッキー」は季語ではないでしょう。
一発勝負
上の引用部にあるように、2023年冬麗戦は2022年の冬麗戦と同様、予選なしの一発勝負でした。
夏井先生が2022年内に番組で詠まれた句から上位15名を選出し、その15名による一発勝負です。
10位までが番組で取り上げられ、11位から15位までになった方は句をテレビ放送内では披露されないルールになっていました。
11位から15位の俳句は『TVer』では観られるようです。
TVer(ティーバー) - 民放公式テレビポータル - 無料で動画見放題
出演者
2023年「冬麗戦」の出場者。
言い換えると夏井先生が選出した2023年のベスト15句を詠んだ方々です。
- 梅沢富美男(永世名人)
- 村上健志(永世名人)
- 千原ジュニア(名人10段)
- 藤本敏史(名人10段)
- 横尾渉(名人10段)
- 千賀健永(名人8段)
- 中田喜子(名人7段)
- 立川志らく(名人6段)
- 森口瑤子(名人2段)
- 犬山紙子(特待生4級)
- 伊集院光(段位なし)
- 高橋克実(段位なし)
- 二階堂高嗣(段位なし)
- 本上まなみ(段位なし)
- 森迫永依(段位なし)
敬称略で失礼します。
選出された15名は上記のとおりです。
段位順、同じ段位の場合は五十音順です。
段位等間違えていたら申し訳ありません。
結果
結果は「森迫永依」さんが優勝。
番組出場4回目にして初タイトル戦出場、初タイトル奪取。
- 森迫永依
- 本上まなみ
- 千賀健永
- 森口瑤子
- 藤本敏史
- 千原ジュニア
- 犬山紙子
- 横尾渉
- 梅沢富美男
- 村上健志
- 中田喜子
- 高橋克実
- 伊集院光
- 二階堂高嗣
- 立川志らく
敬称略。
順位は上記のとおりです。
感想
2023年「冬麗戦」を視聴した感想です。
観て気になった俳句をピックしていきます。
全体的に低調
その前に、今大会はちょっと低調だったように私には見えました。
1位を含め、これはすごい句だと思えるものが、私にはありませんでした。
お題「ラッキー」は難しかったと、出演者の皆さんが仰っていたので、それが原因かもしれません。
千賀健永さん
3位はKis-My-Ft2の千賀健永さんです。
句は、冬なのに暖かい日の粘板岩に貝の跡を見つけたことが詠まれていました。
冬ぬくしだけでもラッキーだけど、堆積岩の一種、ハンマーで叩いて化石を発掘したおとの、二重のラッキーを表現されたみたいです。
季語は「冬ぬくし」。
読みは「ふゆぬくし」。
冬にふと訪れる暖かな日のことですか。
作品がきちんとできている。
季語が動く可能性があるが、テーマ「ラッキー」とも繋がっている。
冬の暖かい日だけでもラッキーな日なのに、化石も見つけられてなおラッキーという。
中七下五に岩とか貝とかの語を選んでいるから、冬ぬくしの季語は別の固い季語にした方がよいという意見もあるかもしれないが、テーマに沿わせたものを選んでいる。
夏井先生の評価は概ねこういうものだったかと思います。
破綻のないよい句とは思いました。
が、せっかくのタイトル戦なので、もう少し突き抜けたものが欲しかったです。
本上まなみさん
2位は本上まなみさんでした。
句は、次男が雪虫を見つけたことを「第一発見者」と表現していました。
見かけると雪が降ると言われている雪虫を、この冬に初めて雪虫を見つけたのは息子だったことを詠まれたそうです。
季語は「雪虫」。
読みは「ゆきむし」ですね。
次男がいい、リアリティがある。
いつもお兄ちゃんに敵わないけどこの日だけは嬉しそうに報告する次男。
第一発見者の硬い言葉の使い方がいい、こう言われることで次男が嬉しくなる、親の優しい視点もある。
たかが雪虫を見つけることを家族皆でラッキーと喜び合える、家族の感性が素敵。
幸せを形にしたような一家。
このような評価でした。
こちらはよい句で、個人的には1位でした。
変に奇をてらうことなく、すっと詠まれていてよかったです。
千賀さんと同様、せっかくのタイトル戦なのでもう少し突き抜けたものが欲しい気がしないでもないです。
森迫永依さん
1位、優勝は森迫永依さんです。
句は、ケサランパサランを見たことと初富士が青かったことを取り合わせていました。
ケサランパサランがラッキーという認識が森迫さんにはあり、小さい頃から見つけてラッキーと思っていたそう。
ありがたり物があったら映えると初富士を取り合わせたようです。
季語は「初富士」。
読みは「はつふじ」。
新年の感慨を青に託した。
青のイメージの濃淡を前半に描く。
ケサランパサランに初富士を合わせる勇気と個性。
という評価でした。
タイトル戦にケサランパサランと初富士を取り合わせるのは、確かに勇気がいることと思います。
ただ、ケサランパサラン=幸せという認識はごく一般的なもので、そこには意外性はなく、安易とすら私には感じられました。
勇気はあるけどという。
こちらなら本上さんの句の方が好みでしたね。
その他
その他です。
私は普段から村上さんと犬山さんを応援しています。
残念ながらお二人は今回、上位に入れませんでした。
村上さん
村上健志さんは10位。
季語「雪晴」とチャームを選ぶことの運を詠んでいました。
雪晴とチャームの取り合わせはよかった。
原句中七「チャームへ託す」、下五「運選ぶ」の、「託す」と「選ぶ」の動詞2つを使っていて、その叙述が散文的と指摘されていました。
テーマに沿わせようとする意識が強くて、詩の部分が疎かになっていたとも言われていたでしょうか。
私も散文的・説明的と感じました。
動詞は増えれば増えるほど、どうしても散文感や説明感が出てしまいますね。
狙い過ぎたのか、珍しいくらいによくない句でした。
犬山さん
犬山さんは7位。
プレバトの冬麗戦出場しております!!
— 犬山紙子 (@inuningen) 2023年1月12日
よろしくです☺️
季語は「一月」待ち合わせをしている相手も自分も揃って遅刻したことを詠まれていました。
遅れて申し訳ないと思っていたところ、相手も遅刻することは、お互いにラッキーな思いになるし、同じ時間間隔を持っていることも嬉しいみたいな句でしたね。
原句上五が「銀座で」と、助詞「で」が散文的なこと。
それと原句「おそろいの遅刻」がどういったニュアンスか、その意味がストレートに伝わらないことが指摘されていました。
犬山さんの狙いの他にも、作品主体がカップルを待っていてカップルが揃って遅刻してきたとか、おそろいの服(ペアルック)で遅刻してきたとかと解釈がぶれる。
確かに、解釈がぶれる可能性のある表現でした。
でも先生も仰っていたように句材の場面はよくて、オリジナリティがありましたから、内容次第では上位に食い込めたのではと私は思っています。
犬山さんは近ごろ番組に出演する機会が少ないので、俳句勘みたいなものが鈍くなっているでしょうか。
しばらく詠まないと勘が鈍ることは実感として持っていますので。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2023年冬のタイトル戦「冬麗戦」を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。