『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年7月15日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年7月15日の放送でも扱われました。
今回のお題は「夏野菜カレー」です。
カレー単独では季語ではないでしょうか。
年中食べられますから。
この回では歌手・タレントの「研ナオコ」さん、お笑いコンビ「マヂカルラブリー」の「村上」さん、「Kis-My-Ft2」の「二階堂高嗣」さん、タレントの「小島瑠璃子」さんが出演していました。
前回と同様、出演者がいつもよりお一人少ないです。
レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと「東国原英夫」さん、「馬場典子」さんが出演していました。
出演者が少ない理由はレギュラー陣が3人出演されたことの調整と思われます。
順位
まずは今回の出演者さんの順位戦の結果です。
4位が二階堂さん(才能ナシ、35点)、3位が研さん(凡人、45点)、2位が小島さん(凡人、50点)、1位が村上さん(才能あり、70点)でした。
昇格試験
今回は馬場さんの昇格試験がありました。
ジュニアさんは試験を迎えて「特待生4級」でした。
昇格なさったら特待生3級になるようです。
句は、海外から成田空港に着くや感じるのは日本の蒸し暑さ、帰国後に食べたくなるものがカレー蕎麦で、カレー蕎麦を前に「ただいま」という気持ちになる、そんな様子が詠まれていました。
季語には「溽暑」を使っていました。
読みは「じょくしょ」。
じめじめした蒸し暑さのことだそう。
私は初めて見聞きする言葉です。
結果は「現状維持」。
理由は「物から行くべきだった!」でした。
夏井先生は、語順について指摘していました。
語順は東さんも気になっていたご様子。
溽暑が季語で、これは時候の季語で具体的な映像を持たないそう。
この場合はカレー蕎麦から行くべきだったと先生。
「ただいまとカレー蕎麦」となっていた原句から、「ただいま」と言っているのはカレー蕎麦に対してなのだから、「カレー蕎麦にただいま」だと添削。
そして下五に「溽暑なる成田」と着地させていました。
私は、原句は言葉のまとまりがよくないとは感じられました。
どこをどう直すかというところまではたどり着けなかったですね。
そこが今の私の限界があります。
梅沢さんと東国原さんの俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢さんと東国原さんの句です。
梅沢さんの句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
東国原さん
まずは東国原さん。
句は、東さんが家でサスペンスドラマを観ていた、するとカレーを作るために玉ねぎを刻んでいた奥様が、ドラマの犯人役に対して「この人結局死んじゃうの?」と聞いてきた、そんな様子を詠まれていました。
何気ない会話から「死」という言葉が出てきて、いつか自分も死んでしまうことを感じた。
そうしたら、奥様が刻んでいた玉ねぎが魂のように感じられたと仰っていたでしょうか。
季語は「玉葱」。
判定は「掲載決定」でした。
掲載決定の理由は「日常からドラマをつかみ出す力技!」です。
夏井先生は、夏野菜カレーから玉ねぎだけに焦点を絞る、この発想は永世名人、さすがだなと仰ります。
原句は玉葱と「や」の切れ字、後の12音は妻のセリフのみで取り合わせた句です。
この思い切りの良さ、勇気はなかなか持てないとのこと。
また、セリフを言われた側がセリフに対してドキッとする、日常の中の不安・不穏があるのだということに。
さらに、妻は玉ねぎを刻んでいるから包丁を握っていて、これは凶器になり得る、玉ねぎを刻んでいるなら目に涙を浮かべてもいるはずです。
そういうところまで「玉葱」の季語が主張・発言している。
ここまで読み取れるようになったら俳句はますます面白くなると、夏井先生は仰っていました。
私はまったく読み取れなかったです。
そこまで想像できなかったです。
よくない句と思ったくらいなので。
玉ねぎが魂に感じられたなんて、想像の取っ掛かりすらありませんから。
といいますか、はっきり言ってしまいますが、お題と作者の説明を聞かないで一体どれだけの人が作者が句で言いたかったことを理解できるでしょうか。
どれだけの人が夏井先生の言うとおりの想像ができたでしょうか。
そもそもできる人などいるでしょうか。
プロの俳人までいかずとも、アマチュアでもベテランの方なら、夏井先生のような理解ができるものでしょうか。
まずできないと思うのですが。
原句では「玉葱や」です。
玉ねぎ情報はそれだけ。
玉ねぎを切っているか食べているか皮を剥いているのかお店に並んでいるのかすらわからない句に、先生ほどまで想像を働かせないと理解が及ばないのなら、それはもはや俳句が成功しているとは言えないと私には思えます。
先生の言葉も、東さんの説明を聞いてから得たもの、要するに後付けではないかなと。
梅沢さん
次に梅沢さん。
句は、玉ねぎをみじん切りで刻んでいると、綺麗に粒が光っている、そんな様子を詠まれていました。
シンプルです。
季語は「玉葱」。
まさかの東さんと玉ねぎ被り。
以前も確か、梅沢と東さんは発想が被っていましたよね。
判定は「掲載決定」でした。
掲載決定の理由は「観察眼と描写力!」です。
梅沢さんは「一物仕立て」という俳句を詠みました。
読みは「いつぶつじたて」だそう。
一物仕立ては季語のことだけで17音を構成する手法です。
観察と発見と描写の力が必要で、実力がないとできないそうです。
東さんは「取り合わせ」ですね。
取り合わせは「二物衝撃」とも言いますか。
季語と、それとは異なるものとでぶつける手法。
梅沢さんの俳句は、最後の「光の微塵まで」が詩になっていると夏井先生は言っていました。
先生の前に、東さんも同じ箇所が詩的だと仰りました。
玉ねぎをみじん切りしていると、玉ねぎがどんどん小さくなり、それに連れて色が透明になってくる、光が照り込んできて、まるで光をみじん切りしているかのような気持ちになる。
オリジナリティとリアリティを持っている俳句だと。
こちらは私にもわかる俳句でした。
ただ、本当に料理をしていたのかな、観念的な俳句ではないのかなとも思いましたが。
刻むほどに透明になる様子を捉える発想そのものは、類句がたくさんあるだろうなとも感じられます。
しかしそれを詩にするテクニックはさすがでした。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「夏野菜カレー」回を視聴しての感想を書いた記事でした。