『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年12月16日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「ヒートテック」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年12月16日の放送でも扱われました。
今回のお題は「ヒートテック」です。
画面に画像が写し出されていました。
「ヒートテック」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
近いうちに季語扱いされるかもしれませんね。
この回は「徳光和夫」さん、「原田龍二」さん、「タカアンドトシ」の「トシ」さん、「ゆうちゃみ」さんが出演していました。
レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと「フルーツポンチ」の「村上健志」さん、「Kis-My-Ft2」の「北山宏光」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が原田龍二さん(才能なし、35点)、3位が徳光さん(凡人、50点)、2位がゆうちゃみさん(凡人、60点)、1位がトシさん(才能あり、70点)でした。
1位 トシさん
順位戦で個人的に気になった方はトシさんです。
句は、着ぶくれをした冬にスープカレーを食べようとしてカレーの香りが立っていることが詠まれていました。
季語は「着膨れ」ですか。
タカトシさんの地元である北海道の街ブラロケの仕事をしたときの様子だそうです。
街ブラですから服を着込んでいて、スープカレーを食べようとしたときに既に暑さを感じていて、着ぶくれしているなと気づいたと仰っていたでしょうか。
夏井先生も仰っていましたが、シンプルに実感のこもった良い句でした。
着膨れで皮膚感、スープカレーで味覚と触覚、香りたつつで嗅覚と、五感をバランスよく刺激しつつも、季語をきちんと立てていると。
なるほど。
頭の中で考えすぎず、実体験をシンプルに詠んでよい句になる。
そういう俳句が理想なのですよね、今の私には。
なかなか作れないのですが。
なのでトシさんのこの句は好きです。
名人への試験
今回は北山宏光さんの名人を目指す試験がありました。
北山さんは試験を迎えて「特待生3級」でした。
1ランク昇格なさったら特待生2級になるようです。
句は、衣装を替えたときに耳元で静電気が爆ぜたことを詠まれていました。
雑誌撮影で1日に何回か着替えをしているときのことみたいです。
季語はないでしょうか。
北山さんは「静電気」を季語として捉えていて、それが先生にどう判断されるかを心配されていました。
夏井先生は季語ではないけど季節感はしっかりと伝わるからよいのではというご判断でした。
私もこれは季語扱いで問題ないと感じられます。
秋や春はまだ湿度がありますから、静電気と聞けば大方が冬を想像すると思いますので。
結果は「現状維持」。
理由は「一体どっち?」。
一体どっちとは、原句の上五「衣装替え」です。
「いしょうがえ」と読ませたいのか「いしょうかえ」と読ませたいのかどっちということ。
私も梅沢さんが指摘したのと同様に「爆ぜる」が言いすぎていることが気になっていて、先生の指摘に気がつきませんでした。
しかし聞けばなるほど、どちらなのだろうとわからないですね、原句は。
先生は「衣装替える」と「る」を入れた添削していました。
字余りになっても「る」を入れることで、梅沢さんが気になっていた「爆ぜる」が生きてくると。
句またがりにするということで、これはまったく気がつかなかったです。
私はまだまだだなぁと思った瞬間でした。
間違いなく添削の方がよかったですね。
永世名人への道
今回は村上健志さんの永世名人を目指す試験がありました。
村上さんは試験を迎えて「名人10段☆1」でした。
1ランク昇格なさったら名人10段☆2になるようです。
句は、凛とした冷たさを覚える冬の夜にショウウィンドウに黄色い鞄があることを詠まれていました。
黄色い鞄にポツリと光が当たっている様子だそうです。
その黄色い鞄が冴ゆる夜を綺麗にしてくれていると。
季語は「冴ゆ」。
寒さで空気が澄みきっていること。
結果は「1つ前進」。
これで名人10段☆2です。
理由は「やっと季語を信じてくれた!」。
原句上五は季語を含めた「冴ゆる夜」となっていました。
この冴ゆる夜と、鞄の黄色が対比されていてそれが効いていると判断されたようです。
黄色は暖色、青などの寒色系ではなく暖色を選んだことが評価されました。
透明感のある冴ゆる夜が際立っています。
梅沢さんは原句が中八になっている点を指摘していました。
「ショウウインドウに」ですので数えると確かに8音です。
村上さんはショウウィンドウの、ウィンドウの終わりの「ウ」が半音扱いになるから問題ないようなことを言っていたように聞こえました。
夏井先生は中八に関しては一切触れていなかったです。
なので村上さんの主張が通ったと言いますか、村上さんの言うとおり問題ないと判断されたのだと思います。
声に出したときに間延びする感覚がないので、私も問題ないかなと思います。
いや、こちらはよい句ですね。
聞くだけで映像が出てきます。
私の判断基準で、すぐに映像化できる俳句はよい句で、こちらはすぐ映像化されました。
季語を除いて動詞を入れていないところもよかったです。
動詞を入れない句を、近ごろ私は意識的に作ろうとしています。
動詞を入れると動きなり時間経過なりは入るのですが、どうしても散文的になりがちですし説明的にもなりがちです。
そこをいかに避けるか、いえ、避けるというより動詞が必要のない句材選びをしたいのですね。
その意味で村上さんの今回の句は勉強になりました。
さすがに上手いなと。
ただヒートテック感は皆無でした。
ここまで飛ばしてもよいのですね。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り10句です。
句は、薄明かりの寒いところでお酒造りをしている杜氏さんが粕の汁をすすっていることが詠まれていました。
季語は「粕汁」。
判定は「ボツ!」。
先生からの一言は「努力不足!」です。
原句下五が「粕の汁」となっていたこと。
粕汁は4音で1音足りないから「の」を入れたと先生は指摘しています。
図星だったようです。
先生は粕汁は粕汁として、他の場所で音数調整をしていました。
原句は下五がややもたつく感じがありました。
また、村上さんも指摘していましたが、原句上五もよくなかったようです。
原句上五は「薄明かり」でした。
村上さんは杜氏粕汁をすすることと薄明かりが「遠い」と指摘していたでしょうか。
先生は「ぼんやりしている」と表現していました。
添削は、薄明かりよりも映像をしっかり描きませんかと、まったく異なる言葉「明けの星」を使い、下五に持ってきていました。
杜氏さんらが夜通しで仕事をし、粕汁を飲んで一息つくと、空には明けの星が浮かんでいると。
映像が一気に鮮明になりました。
素晴らしい添削でした。
こちらもヒートテック感はありません。
ただ村上さんも言っていましたけど、ヒートテックからここまでよく発想を飛ばせるなと、そこは本当に感心します。
苦心なさったのでしょうね。
2022年冬麗戦
来年2022年1月には冬のタイトル戦「冬麗戦」が開催されます。
もうそういう時期になりますか、早いです。
参加資格は2021年に番組で扱われた俳句の中から「夏井先生が厳選した優秀句を詠んだ人」とのこと。
どなたが選ばれたかは今回の放送では明らかになっていません。
名人特待生の他の候補の紹介があったくらいでした。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「ヒートテック」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。