ディスディスブログ

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『プレバト!!』の片瀬那奈さんの句には俳句初心者が陥りがちな問題があるように感じました

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『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年3月4日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。

春のタイトル戦「春光戦」はお休み、通常の俳句コーナーでした。

視聴した感想を書いています。

 

目次

 

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MBS『プレバト!!』

テレビ番組『プレバト!!』についてです。

 

www.mbs.jp

 

人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。

 

公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。

あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。

中でも俳句がメインコンテンツと思われます。

 

放送時間

放送時間について。

放送は毎週木曜日の19時から20時までです。

 

出演者

出演者です。

メインの司会は「浜田雅功」さんです。

ダウンタウンの浜ちゃんですね。

 

アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。

ナレーションが「銀河万丈」さん。

 

俳句の査定員は「夏井いつき」さん。

俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。

 

最近見始めた

実は私は『プレバト!!』を最近見始めています。

継続して観ているのは1年ほど前、2019年末くらいからでしょうか。

 

番組の存在は何年も前から知っていました。

しかし当時はどうも夏井先生の言葉の強さと荒さが受け付けないと感じてしまい、少し観ただけでそれから全く観ていませんでした。

その後、夏井先生が『NHK俳句』の選者に就任されてから、あああれはやはりエンターテインメントとして、役として演じている部分も大きいのかと思い至りました。

 

それからは夏井先生の印象が大きく変わって、ずいぶんと間が空きましたが、2019年末くらいからようやく継続して観るようになっています。

元から民放のバラエティ番組を好んでいないことも理由としては大きいでしょう。

 

俳句

『プレバト!!』の俳句カテゴリが、2021年3月4日の放送でも扱われました。

 

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今回のお題は「ドライヤー」です。

 

この回では俳優の「高橋克実」さんを始め、「内海光司」さん、「片瀬那奈」さん、お笑いコンビ「ニューヨーク」の「嶋佐和也」さん、アイドルで良いでしょうか、の「峯岸みなみ」さんが出演していました。

高橋さんと内海さんが初出場とのこと。

 

レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと「千原ジュニア」さんが出演していました。

 

1位は高橋さん

俳句カテゴリで今回1位を獲得したのは「高橋克実」さんでした。

初出場で1位です。

得点は「70」点。

 

句は、バレエ・ダンスを習っている娘の発表会当日の朝に、自分が娘のためにシニヨンを結んでいる様子を詠まれていました。

シンプルですけど情景が浮かんでくるので良い句と思います。

 

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シニヨンなる言葉を放送を観るまで知りませんでした。

お団子ヘアのことみたいです。

 

先生からは俳句の型に収めてきたと、まずはお褒めになっていました。

その上で、子の発表会なら「子」と入れた方が良いとアドバイス。

「子のシニヨン」としたことで関係性が明確になっていました。

でも正直に申せば私は原句の方が好きでした。

 

dysdis.hatenablog.com

 

お子さんの髪を結っている状況なら「子」と書いた方が良いと仰るのなら、春のタイトル戦「春光戦」の予選で「春風亭昇吉」さんが詠んだ句だってと思わなくないですが。

昇吉さんは「姪に」と入れていたのに先生はそれをあえて外していました。

 

4位片瀬さん

2位に峯岸さん、3位に内海さんと来て、4位は「片瀬」さんでした。

35点。

 

句は、まだ月が残っている朝方「朝月夜」に、ドライヤーで髪を乾かしている様子を詠まれていました。

片瀬さんは春の強い風、春疾風を「ドライヤー」に見立てていらっしゃいます。

 

梅沢さんからは「本当にお勉強なさってます?」と、険しい表情で言われていましたね。

「朝月夜」と「春疾風」が季重なりであるとのご指摘です。

ジュニアさんからは、髪が濡れたまま外に出て春の風が髪を乾かしてくれた句に受け取れたと言われていました。

 

先生は、月は一年中見られるものですので、季重なりに関してはまだ許容できると仰っていました。

しかしながら「春疾風=ドライヤー」としたこと、これは無理だそうです。

そのようには読み取れないということ。

素直に詠むとジュニアさんが受け取ったようになると。

 

添削は春疾風を消して、ドライヤーと明確に詠まれたものになっていました。

朝月夜も、春暁の月としていましたか。

 

季語としての春疾風

片瀬さんの句が個人的にも気になり、今回記事に取り上げさせていただきました。

俳句初心者が陥りがちな罠があるなと感じ、警鐘にもなりそうだと感じたからです。

私自身の今後の戒めとしても役立たせていただきます。

 

片瀬さんが今回用いた「春疾風」とは春に激しく吹く風のことでしょう。

低気圧や前線が日本海側を通過することで、前線の山、低気圧の中心に向かって強い南風が吹くことを言うのでしょうね、おそらくは。

 

もう少し俳句的・詩的な意味合いを足すならば、厳しい冬がようやく終わろうとする、期待感や高揚感、躍動感のある季語となるでしょうか。

一方で春は別れの季節でもあります。

ポジティブなだけでなく、そこに切なさや寂しさがわずかに含まれていることが、季語としての春疾風のポイントになろうかと私には感じられます。

 

季語を何かに見立てる是非

さて、片瀬さんは季語としての春疾風を詠むのではなく、季語をドライヤーに見立てていらっしゃいました。

これが先ほど書いた俳句初心者の警鐘になると感じた箇所です。

 

これは「俳句でやってはいけないこと」のトップグループに入る行為と思います。

俳句をほとんどやらない私にもわかるくらい、危険な行い。

 

一言で申し上げると、片瀬さんの季語の使い方は「冒涜」です。

先人が何年も何十年もかけて季語にまで育てあげた春疾風という言葉を、本来ある季語の意味では用いず、あまつさえ別の物体に見立てて俳句に落とし込むなど。

 

冒涜の言葉は強すぎるでしょうか。

「配慮に欠けている」と表現しましょう。

 

季語への配慮に欠ける、それはつまり先人への配慮に欠けると同義です。

片瀬さんご本人にその気がないことはわかります。

でもその気があるかどうかの問題ではないのです。

 

句を詠む上では、季語がどのようにして成り立っているかを知る必要があるでしょう。

と言いつつも私もよくは知らないのですが。

しかしよく知らない私でも、季語が季語と認められるには、その言葉が使われた句がいくつも存在したことは容易に察せられます。

その中には時代を代表するような名句もあるかもしれません。

 

だからこそ、彼女の季語の扱い方は意図していたかしていないかは関係なく、結果的には先人たちへの配慮に欠けた行為になっているように私には思えます。

言うなれば、何人もの人が何年もかけて重ねた石積みを足蹴にするようなものです。

 

俳句を勉強すること

片瀬さんは今回が2度目でしょうか、番組へのご出演だったようです。

その間に何をしていたのかと、本当にお勉強をしてきたのかと永世名人に言われても仕方のない句に結果的になっています。

 

俳句を勉強してきたのかと梅沢さんから言われたことの意味を、片瀬さんは履き違えないようにしなければいけないだろうと今回観ていて感じました。

「俳句を勉強してきたのか」は、言い換えると出演するなら俳句を勉強してからにしなさいと言われている、そう受け取れます。

 

しかし梅沢さんの仰る勉強とは、切れとか体言止めとか句またがりとか二物衝撃とか、俳句のテクニックを学べと仰ったのではないでしょう。

もちろんテクニックや規範を知ることもとても重要ではあるものの。

 

わたしの好きな季語

 

では俳句の何を学ぶと良いか。

それは「季語の本意」を理解することではないかと私は考えます。

簡単に書きましたが、これは難しそうですけどね。

季語の根本的な意義を知るだなんて。

 

言葉の意味そのものはネットで調べればすぐにわかります。

けれども本意を知ることとは、そういう単語の表面を知ることことだけではないでしょう。

 

季語の本意を理解できれば、季語を別の何かに見立てる行為がいかに危険かは気づけるのではないでしょうか。

 

どうやって学ぶか。

それはたくさんの俳句と触れることだと思います。

たくさんの句を詠んだり読んだり聞いたり句会に参加したり。

俳句関連の本、それこそ『歳時記』を読むこともそう。

 

合本俳句歳時記 第五版

 

ネット検索をして検索結果に出た句を読むだけでもだいぶ違うと思うのですけどね。

今回の春疾風に関しても、春疾風で検索した結果画面に出てきた句を一つ一つ読めば、どのように使われているかがわかります。

そうすればさすがに自分の使い方が誤りであることは気がつけるのではないかと。

それでも気がつけない場合はそもそも俳句がという。

 

ここまで書いたことや私の理解が間違えていたら申し訳ありません。

 

特待生昇格試験

今回は千原ジュニアさんの特待生昇格試験がありました。

今回の放送を迎えてのジュニアさんの段位は「名人3段」でした。

このたび見事「名人4段」に昇格しています。

 

句は、銭湯から出た後の脱衣所で小銭がなくドライヤーを使えないのだけれど、春で暖かくなったから濡れたままでもいいかと感じている様子を詠まれています。

 

添削はなしでした。

私はお金がないことがお題の「ドライヤー」に結びつかない可能性もあるかなと感じました。

 

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例えば、風呂上がりに飲む牛乳やコーヒー牛乳、フルーツ牛乳などを買うお金がないとも受け取れるかなと。

認識に若干のブレが生じかねない句ではあります。

でも気になったのはそこくらいで、仮にコーヒー牛乳などのことを言っていたとしても、それはそれで成り立つ良い句でした。

さすがはジュニアさん。

 

永世名人のお手本

永世名人である「梅沢富美男」さんの句です。

今年に入ってから調子の良い梅沢さん、今回も句集に掲載決定でした。

 

句は、トリミングを終えた飼い犬のお腹をさすっていると良い香りがしてきて、そろそろ春が来るなと感じた、そんな様子を詠まれていました。

 

こちらも添削なしです。

梅沢さんならではの句、そういう感じでしたね。

聞いていて穏やかな春をしっかり感じ取れました。

 

2021年「春光戦」決勝はいつ放送される?

2021年「春光戦」決勝はいつ放送されるのでしょうか。

2021年3月4日の放送の最後、次回予告のところでもタイトル戦に関しては触れられていなかったと思います。

調べたところ2021年3月11日は『プレバト!!』の放送自体がありませんでした。

 

次回は18日でしょうか。

それとも春休み期間の3月末か4月頭でしょうか。

いや、年度をまたぐより年度末に放送される可能性が高いでしょうか。

3月最終木曜日の可能性。

 

おわりに

ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーで片瀬那奈さんが詠まれた句には俳句初心者が陥りがちな問題がありそうに感じたことを書いた記事でした。

 

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

 

 

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