『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年5月5日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「動物図鑑」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年5月5日の放送でも扱われました。
今回のお題は「動物図鑑」です。
「動物図鑑」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
この回は「研ナオコ」さんとKis-My-Ft2「宮田俊哉」さん、「おいでやす小田」さん、「ファーストサマーウイカ」さんが出演していました。
レギュラー陣では永世名人の「梅沢富美男」さん、名人9段「千原ジュニア」さん、名人初段「皆藤愛子」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が研ナオコさん(才能なし、35点)、3位が宮田俊哉さん(凡人、55点)、2位がおいでやす小田さん(凡人、65点)、1位がファーストサマーウイカさん(才能あり、70点)でした。
気になった句
順位戦で個人的に気になった句はウイカさんです。
句は、子象が書肆の森をゆく様子が詠まれていました。
空想の句ですね。
子どもが大きな図鑑を持って本屋を歩いていた様子がどうたらと仰っていたかと。
書肆(しょし)とは古い表現で、今で言う本屋のことだそう。
季語は「夏近し」。
書肆の森を子象がゆく空想句は失敗しがちだけど、こちらは成功しているのではないかとジュニアさんは仰っていたかと思います。
夏井先生の添削はありませんでした。
先生も空想が浮ついていないと評価なさっています。
それでいて季語も主役に立っていると。
上質なアニメーションを見ているかのようだと褒めていましたね。
よい句でした。
が、私は「書肆」の語が気になっています。
基本的には俳句はわかりやすい表現をした方がよいと私は思っています。
俳句は平明であることと高浜虚子は言っていますし、水原秋櫻子も似たことを言っていたかと思います。
書肆の語そのものは知っている人はいたとしても、現代ではまず使われない、古い表現なので。
それに関連して、この句は本当にご本人が作ったものか、若干怪しいかなとも正直思ってしまいました。
そう思った理由はやはり書肆です。
「名人10段」を目指す試験
今回は皆藤愛子さんと千原ジュニアさんの「名人10段」を目指す試験がありました。
皆藤さんは試験を迎えて「名人初段」でした。
ジュニアさんは試験を迎えて「名人9段」でした。
皆藤愛子さん
まずは皆藤さんから。
句は、恐竜図鑑をチワワが踏んでいる様子を詠まれていました。
飼われているチワワが何でも気にせず踏んでしまう、恐竜が描かれている図鑑でも。
その様子が面白いと感じて句にされたそうです。
季語は「夏近し」ですか。
ウイカさんと同じ季語を使っています。
結果は「1ランク昇格」。
一言は「チワワの動きが明るい!」。
先生は対比について褒めていたでしょうか。
ジュニアさんも指摘していましたね。
大きな恐竜と小さなチワワの対比、動かない図鑑と踏む動作の対比。
12音のフレーズによって、夏近しの季語が初夏への期待・喜びが表現されているとのことでした。
私はこの句は季語が動くと感じています。
チワワが図鑑を踏んでいることと夏が近いことと関係があるとは思えないので。
春だろうが冬だろうが詠める内容と感じられます。
ただ句材は可愛らしく、技術的に破綻なく作られていると感じられることから、現状維持が妥当だったのではないかと思っています。
千原ジュニアさん
次にジュニアさん。
句は朝、図鑑の虎のページに開き癖がついているところに春の夕焼けが差している様子が詠まれていました。
子どもの頃、虎がお好きで図鑑で虎のページばかりを見ていたのだそう。
夢中になっているところに夕陽がさしてきたことを詠まれたということでした。
季語は「春夕焼」。
読みは「はるゆやけ」です。
結果は「現状維持」。
一言は「イージーミス」。
原句中七が「図鑑の虎に」でした。
最後の「に」がよくなかったようです。
季語は春夕焼で、夕焼けとは空を染める現象で、夕陽のように差し込んでくる印象とはちょっと違うと指摘されていました。
添削は原句の上五と下五を入れ替える、語順を変えて、図鑑の虎に開きぐせがついているという内容にしていました。
こちらは納得のご指摘でした。
確かに夕焼けはページに陽が差し込むようなピンポイントな状況には使わないですよね。
もっと広い景に用いる語と思います。
「図鑑の虎や」とするならまだわかるのですが、そうなると上五「開き癖」も下五「春夕焼」も切れていますから、中七でも切ってしまう訳にもいきません。
なので語順を入れ替えることはよい添削と感じました。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢富美男さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り7句です。
句は、桜蘂が降ったらハシビロコウがまばたきをした様子を詠まれていました。
季語は「桜蘂降る」。
読みは「さくらしべふる」。
『プレバト!!』では何度か登場した季語と思います。
結果は「掲載決定!」。
一言は「素晴らしい気づき」。
桜のしべが落ちた、このちょっとした波動のようなものを、なかなか動かないハシビロコウという鳥がキャッチして瞬きをした。
この気付きが詩になるとわかっている、これが俳人であると評価されています。
こちらは納得の掲載決定でした。
よい句ですね。
「桜蘂降り」としてしまうと因果になり説明感がやや出るので、「降る」としているところに技術を感じます。
これがわかっていない人は「降り」としてしまうだろうなと。
ジュニアさんが仰っていましたが、今回の梅沢さんの句は東さんのテイストを思わせる句でしたね。
七五調で詠まれることが圧倒的に多い梅沢さんが句またがりの句を作られたので。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年5月5日放送の俳句コーナーのお題「動物図鑑」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。