『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年5月12日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「時計」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年5月12日の放送でも扱われました。
今回のお題は「時計」です。
「時計」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
この回は「YOU」さんと「貴島明日香」さん、「ZAZY」さんが出演していました。
レギュラー陣では永世名人の「梅沢富美男」さん、特待生3級のKis-My-Ft2「北山宏光」さん、特待生5級「犬山紙子」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が貴島さん(凡人、50点)、3位が郷さん(凡人、55点)、2位がZAZYさん(凡人、67点)、1位がYOUさん(才能あり、70点)でした。
気になった句
順位戦で個人的に気になった句はZAZYさんです。
2位でしたね。
句は、蝦蛄の山を剥く祖母の指が反り返っている様子が詠まれていました。
山を拓くと表現していました。
祖父が大量にもらってきた蝦蛄を、祖母が剥いている、その指が反っていたと。
季語は「蝦蛄」。
読みは「しゃこ」です。
夏井先生は表現しようとする内容がよいと褒めていました。
蝦蛄の山から入っているところもよいと。
中七に拓くと表現しているところが、大げさである。
原句の「拓きし」と過去にしてしまうと、季語の鮮度がやや落ちる。
現在のことを詠んだ方がよい。
なので、ここは拓くと大げさにせず「蝦蛄の山剥く」と素直に詠む。
「反り歪む」と言葉を足してより具体的にする添削がなされていました。
いや、たいてい私はここで順位戦1位の句を取り上げるのですけど、今回ZAZYさんは2位でした。
発想がよく、一番印象に残りましたので。
以前も書いていますけど、発想の段階で他にないものを思う浮かべられるかどうか、ここが俳句の上手い下手の大きな分かれ道になっていると思うからです。
技術的な上手い下手より、ネタ探しの方がずっと大事です、私にとっては。
その点でZAZYさんは素晴らしいと思います。
頭の良さも感じますし。
今後、特待生への道も開けてくるのではないかと期待します。
特待生昇格試験
今回は北山宏光さんと犬山紙子さんの特待生昇格試験がありました。
北山さんは試験を迎えて「特待生3級」でした。
犬山さんは試験を迎えて「特待生5級」でした。
犬山紙子さん
まずは犬山さんから。
句は、午後も片乳を出している、窓は初夏だと詠まれていました。
子どもに授乳をしている母親の様子だそうです。
なかなか寝付かないので、おっぱいをだしっぱなしにしているのだとか。
季語は「初夏」。
結果は「1ランク降格」。
一言は「誤解を招く!」。
午後も片乳出したまま窓は初夏
— 犬山紙子 (@inuningen) 2022年5月12日
プレバトで授乳の様子を俳句で読んだのですが、授乳中と伝わり切らず一発特待生降格
またリベンジしていいですか😭
この写真の時は「やったー!!俳句で特待生のバッチをとうとう!」と何も知らずに浮かれている時です
君、この1時間後地獄だぜ https://t.co/NoPxZQqfoN
授乳と書いていないことで、誰が片乳を出しているのかわからない。
変なおじさんが胸を出したまま部屋にいて、窓を眺めている様子を詠んだと、読者に誤解されかねないと指摘されていました。
キーワードを入れてくれないと、読者は授乳の母と子と読むことができないと。
犬山さんは発想はよいのだけれど、時折やらかす人だとも言われていたでしょうか。
添削では原句下五の「窓は初夏」を上五に持ってきていました。
原句上五の「午後も」は消されて「寝ぬ子」に差し替え、原句の「片乳」を活かして対句的にしていました。
私は犬山さんを高く評価しています。
今回も発想はとてもよかったですし、彼女の個性を強烈に感じさせます。
技術的にまだ身に染み込んでいないため、こういうやらかしもあるでしょう。
でも先ほど書いたように、発想の段階で他にないものを持っていることが、俳句ではとても大事なことと私は思っています。
なので犬山さんの才能は間違いないという私の思いは何も変わっていないですね。
今回も巧拙はともかく素晴らしい着想だったと思います。
先生も「丁寧に小さいところを抑えていたらやれる子ですから、もう一回上がってきて!」と仰っていました。
高く評価されています。
北山宏光さん
次にキスマイ北山さん。
句は朝、夏蒲団に軸足に巻かれたミサンガの(日焼け)跡があったことが詠まれていました。
子どもの頃、サッカーをしていたそうで、夜に自分の足首を見るとミサンガの日焼け跡がくっきり残っていたそうです。
季語は「夏蒲団」。
読みは「なつぶとん」です。
結果は「現状維持」。
一言は「主役はどっち?」。
夏布団が小道具的に扱われていて、主役がミサンガの跡になっている。
そういうご指摘でした。
中七下五は褒められていましたね。
例えばとして、夏蒲団ではなく「夕涼や」を提案されていました。
夕涼の読みは「ゆうすず」。
試合や練習後にシャワーを浴びて、涼んでいるときにミサンガの日焼け跡を見つけた。
こうすれば夕涼がちょっと主役になると。
なるほどですね。
でも北山さんも近ごろ力をつけていらっしゃるようで、安定してよい句を詠めているように受け取れます。
この調子なら名人も近いでしょうし、楽しみです。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢富美男さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り6句です。
句は、公園の夕焼けが暮れそうになったら帰ることが詠まれていました。
子どもの頃は時間など気にしないで遊ぶけど、陽が暮れてきてようやく帰ることを詠まれているようです。
暮れることを「煮詰まる」と表現していて、そこが工夫でしょう。
季語は「夕焼」。
夕焼けだけですと夏の季語でしたっけ。
結果は「ボツ!」。
一言は「工夫が中途半端!」。
原句上五「公園の夕焼」と中七「煮詰まれば」、破調でしたが、ここの間に意味の切れ目があるようにも読者は読める。
つまり、夕陽が煮詰まるではなく、自分の思いが煮詰まったら家に帰る。
そういう句にも読めて、その場合は公園で遊ぶ子どもとは限らなくなってくる。
そこが中途半端と判断されたみたいでした。
公園と書かず公園とわかるように書けばよい。
「夕焼が」と助詞「が」を入れて、何が煮詰まったかを明確にする。
「煮詰まれば」ではなく「煮詰まるまでは」として時間経過を書く。
「まだ遊ぶ」とすると、子どもを詠んでいることがわかるから、公園で遊んでいる可能性を示すことができるであろうと。
そういう添削がなされていました。
この添削は少し足りないかなと感じました。
「まだ遊ぶ」だけで公園と想像させるのは少々無理があるとは感じます。
「まだ遊ぶ」の「まだ」も少々くどいかなと思いますし。
しかし原句よりは煮詰まる対象が明確になりました。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年5月12日放送の俳句コーナーのお題「時計」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。