『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2020年11月12日木曜日の放送で俳句の2020年「金秋戦」の決勝が行われました。
視聴した雑感をあれこれ書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆、などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さん等がいます。
最近見始めた
実は私は『プレバト!!』を最近見始めています。
継続して観ているのは1年ほど前、2019年末くらいからでしょうか。
番組の存在は何年も前から知っていました。
しかし当時はどうも夏井先生の言葉の強さと荒さが受け付けないと感じてしまい、少し観ただけでそれから全く観ていませんでした。
その後、夏井先生が『NHK俳句』の選者に就任されてから、あああれはやはりエンターテインメントとして、役として演じている部分も大きいのかと思い至りました。
それからは夏井先生の印象が大きく変わって、ずいぶんと間が空きましたが、2019年末くらいからようやく継続して観るようになっています。
元から民放のバラエティ番組を好んでいないことも理由としては大きいでしょう。
俳句「金秋戦」
『プレバト!!』の俳句カテゴリでは、前々回の放送から秋の「金秋戦」が開催されています。
2020年11月12日木曜日の放送ではその決勝が行われました。
春夏秋冬、季節ごとに芸能界NO.1の俳人を決めるタイトル戦。今回は秋の「金秋戦」の決勝をお届けする。 前回大会でシード権を獲得している、名人10段・藤本敏史(FUJIWARA/前回1位)、3段・立川志らく(前回2位)、特待生1級・三遊亭円楽(前回3位)、永世名人・梅沢富美男(前回4位)ら4名が、予選から勝ち上がった横尾渉(Kis-My-Ft2/6段)、中田喜子(4段)、千原ジュニア(2段)、千賀健永(Kis-My-Ft2/2段)、森口瑤子(3級)の5名を待ち受ける。
公式webサイトには上記引用部のように書かれています。
- 梅沢富美男(永世名人)
- 藤本敏史(名人10段★1)
- 横尾渉(名人6段)
- 中田喜子(名人5段)
- 立川志らく(名人3段)
- 千原ジュニア(名人2段)
- 千賀健永(名人2段)
- 森口瑤子(特待生3級)
- 三遊亭円楽(特待生1級)
敬称略で失礼します。
決勝に勝ち進んだ9人は上記のとおりです。
段位順です。
今回は「東国原英夫」さんや「村上健志」さんが決勝にいません。
そのため出演者から梅沢さんが優勝候補の筆頭として認識されていたみたいです。
段位を思えば当然ですか。
夏井先生からのお題
夏井先生から出されたお題は「7時過ぎの時計」でした。
時計の針は7時20分47秒ほどを指していたでしょうか。
朝の7時なのか、夜の7時なのか、動いている時計なのか止まっているのか、それらは詠み手が各々判断します。
結果
結果は「千原ジュニア」さんが優勝。
ジュニアさんは今回が初優勝ですか?
私は観ていない大会が多いのでわからないですけど。
- 千原ジュニア
- 横尾渉
- 梅沢富美男
- 千賀健永
- 立川志らく
- 藤本敏史
- 三遊亭円楽
- 森口瑤子
- 中田喜子
順位は上記のとおりです。
ボーダーラインは3位と4位の間。
3位の梅沢さんまでが次回大会のシード権を獲得、4位以下の方は次回は予選から戦うことになりました。
個人的な1位2位3位
視聴していて私が感じた1位、2位、3位に該当する人物は同じです。
ただ順番は異なり、優勝者は横尾さんでした。
正確に書きますと、横尾さんが一番良かったというより、ジュニアさんの1位は無いかなと感じました。
番組でも言及されていたとおり、ジュニアさんが用いた季語「林檎」の使い方が私には引っかかったのです。
ジュニアさんの句は息子さんが林檎を吐いてしまった、その林檎の香りについて詠まれており、季語として林檎を扱うには適切ではないのではということです。
夏井先生が仰っていたように、林檎は季語として扱わない無季の句として扱うのであれば、1位で良いのかもしれません。
しかしどうでしょう、普段は季語が主役とか季語を立てるとか仰いながら、都合が悪いと無季と判断なさるとあっては、結局先生のさじ加減一つではありませんかと言いたくなります。
無季云々の話は結論ありきの後付けになっているようにも受け取れましたし。
これだけ圧倒的なリアリティがあればということみたいですけども、何か腑に落ちないと言いますか胸にモヤッとするものがあります。
ジュニアさんご本人が林檎を季語と捉えて詠んだ句なのかが気になるところ。
ジュニアさんの句そのものは素晴らしかったです。
実感のこもった、ずっしりした重みが伝わってきます。
私の中で、季語の扱いに問題があったとしても2位に入る句です。
3位の梅沢さんは私も3位ですね。
故人の形見でしたっけ、腕時計の竜頭を深夜に独り巻いている様子を詠まれていました。
竜頭とは腕時計のネジを巻くつまみのこと。
情景そのものは静かな秋の夜にピッタリで、良い世界感に感じられます。
ところがお題は「7時過ぎの時計」です。
深夜の出来事を詠んでは、厳密にはお題から逸れてしまいます。
火恋しの季語とも距離が微妙に離れているようにも感じられましたし、故人への想いがやや強く、季語が主役になっていない気もします。
なので良句だけれども3位。
2位の横尾さんの句はモヤッとする要素が一切ありませんでした。
前半が少しロマンチックすぎる気もしますけど語感は良いですし、後半に蕎麦を持ってくることによりロマンチックな方面に行きすぎず、バランスが取れていました。
一言、巧い。
個人的には1位です。
1〜3位の句は4位以下を大きく引き離していたと思います。
1〜3位の順位は好みの問題と言えるでしょうか。
破調の方はやはり
以前、『プレバト!!』の俳句に関して、一部の出演者が破調がさも高等技術かのように扱われてはいまいかと、嘲笑まじりで村上健志さんが指摘していたことをブログに書きました。
上に貼った記事リンクがそれ。
ここでは、ある方々が毎回のように破調の句を詠んでいることも書いています。
その方々とは他にもいらっしゃいますけど1人は志らくさんのことで、志らくさんは今回も破調の句で挑まれました。
梅沢さんからは七五調にして欲しかったと、円楽さんからは破調が好きすぎるなどと言われていましたね。
出演者の皆さんも志らくさんと言えば破調と考えていらっしゃるようです。
内容は面白かったので、順位5位で納得でした。
どこが面白かったかと言いますと、谷崎「潤」一郎と「潤」目鰯を関連付ける試みがですね。
次は七五調の句を披露するのか、意地でも破調で通すのか。
後者な気がしますけれども次の出演回が見ものです。
三遊亭円楽さん
4位以下の順位は概ね放送どおりの印象でした。
唯一、円楽さんの順位だけは番組とは大きく異なり、森口さんや中田さんより下の順位に感じていました。
つまり最下位の認識です。
番組で志らくさんが指摘されていたように、円楽さんの句は中七が散文的でした。
的というか散文でした。
ナレーションで詠まれたときに私も語感の悪さを感じたくらいなので、特待生1級ともなれば作句時に違和感を覚えないわけがないと思います。
ご本人が感じ取れていなかったとするなら、実力が決勝レベルにはないということかもしれません。
でも特待生1級というと名人の一歩手前の級数ですよね、気づけないといけないと思うのですが。
う〜ん、色々と邪推をしてしまいそう。
また、ベースの部分、「俳句の種」の見つけ方と言いますか場面の切り取り方にしても、他の出演者と比べて甘く感じられます。
前回大会で3位に入った、サングラスを外してカードを探している様子を詠んだ句からも同じ感覚を覚えた記憶です。
特にサングラスの句には深みがないと言いますか世界が広がらないと言いますか、「でっていう」句に受け取れます。
今回の句も、こういうことを詠めばウケるだろうという下心が透けて見えるようで、好きではありませんでしたし良いとも思えませんでした。
ジュニアさんのリアリティのある句を聴いた後では余計に。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2020年「金秋戦」の順位と観た感想を書いた記事でした。