『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年5月26日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「(犬の)待て」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時00分から20時00分までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年5月26日の放送でも扱われました。
今回のお題は「(犬の)待て」です。
「待て」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
この回は「三田寛子」さんと「的場浩司」さん、蛙亭「イワクラ」さん、櫻坂46「小池美波」さんが出演していました。
レギュラー陣では永世名人の「梅沢富美男」さん、名人9段の「千原ジュニア」さん、Kis-My-Ft2「横尾渉」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が三田さん(才能なし、30点)、3位がイワクラさん(才能なし、35点)、2位が小池さん(凡人、50点)、1位が的場さん(才能あり、70点)でした。
気になった句
順位戦で個人的に気になった句はさんです。
今回は気になる句はありませんでした。
「名人10段」を目指す試験
今回は千原ジュニアさんと横尾渉さんの「名人10段」を目指す試験がありました。
ジュニアさんは試験を迎えて「名人9段」でした。
横尾さんは試験を迎えて「名人9段」でした。
お二人とも今回1ランク昇格すると名人10段となります。
千原ジュニアさん
まずはジュニアさんから。
句は、帰省して犬シールが貼られたままだったことが詠まれていました。
犬はもう死んでいるのだけど、玄関先に貼られている犬シールは誰も剥がせずに、そのままであることだそうです。
季語は「帰省」。
結果は「1ランク昇格」。
ジュニアさんは晴れて名人10段となり、次回からは永世名人への道を進まれることになります。
一言は「感情表現が上手くできている」。
夏井先生がおっしゃるには、上五が「帰省して」と口語になっていることが、評価の大きな分かれ目だったそうです。
定石であれば「帰省せり」などとするところを。
その点に一度引っかかったそうですが、しかしこれはあえて「して」と中七「まま」と口語調にしているのだろうと判断されたみたいです。
楽しいな懐かしいなというポジティブな気持ちでの帰省ではない、何らかの事情で帰らないといけないネガティブな気持ちでの帰省シーンではないか。
その場合は「帰省せり」と言い切れない、「して」「まま」とだらだらとする口語調での表現が、作者の心に適った表現なのだろうと先生はご判断なさったそうです。
こちらは昇格も納得の句でした。
それにしてもジュニアさんはこういう悲しいことを詠むことがとてもお上手です。
ただ個人的には名人10段となる査定としては、あまり評価できない句でもあります。
細かいところでいくつか引っかかりがあるからです。
特に上五「帰省して」がよくないですね。
「して」としたことで、やや説明的になっています。
さらに「して」なのに、「犬シール」で句が終わると、全体的な「座り」が悪くなります。
「帰省して」と始めるなら、下五は動詞の終止形で終えたいところ。
または「けり」で終えると、句全体の座りが格段によくなります。
上五を変える手もありそうです。
例えば「帰省して」ではなく「盆帰省」などとするなら、原句のままでも座りがよくなりそうです。
もっと言いますと、原句では「犬シール」の「犬」を○で囲っています。
こちらも余計だったかなと思います。
字面を見ると、意識が○に寄ってしまい、結果、季語の効果がやや薄まっているように思えたからです。
○を外してシンプルにしたいところです。
横尾さん
次に横尾さん。
句は朝、モップのようにまどろむ犬を、夕立晴れの季語と取り合わせて詠まれていました。
散歩に行けなかった犬の、待っている姿がモップに見えたという素直な景だそうです。
季語は「夕立晴」。
読みは「ゆだちばれ」。
夕立の後に晴れることでしょうか。
結果は「現状維持」。
一言は「どっちなの?」。
中七「モップのごと」の「ごと」が問題のようです。
「モップのような」か「モップのように」かがわからない。
モップみたいな犬なのか、モップのようにまどろんでいる犬なのかがわかりにくいということですね。
添削で中七が6音だったものを7音に修正されていました。
しかしそれでは下五「犬微睡む」が字余りになってしまいます。
原句は566の17音の句だったのですね。
けれども、ここは犬がゆっくり静かに寝ているという余韻を作る効果をもたせるために、一音余ってよいとのことでした。
原句は声に出すとリズムが悪かったので、私も現状維持が妥当かなと思って観ていました。
横尾さんは破調がお好きですよね、そこまでこだわることではない気がするのですが。
結果的に破調になるのならわかるのですけど、狙って破調を作っていらっしゃるように思います。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢富美男さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り6句です。
句は、転がりそうになりながら近づいてくる仔犬から夏の陽の香りがしたことが詠まれていました。
仔犬を抱いたときにお日様に当たった藁のような香りがしたそうです。
季語は「夏」。
結果は「ボツ!」。
一言は「どっちなの?」。
「夏」というと強烈な匂い、汗の匂いのような、そんなイメージを抱きがちになる点が、先生は気になるようでした。
作者のイメージする「暖かい陽」のあたたかみを、読者がイメージできない可能性があるということでしょう。
梅沢さんはご自身で「藁のような香り」と説明していました。
その言葉をどうして使わないのかと先生は仰ります。
添削では原句「夏の陽」を「夏の藁」としていました。
さらに音を調整する意味でも、原句下五の終わり「香り(かおり)」を「香よ(か・よ)」としています。
こちらは納得のご指摘と添削です。
夏の陽は暖かいではなく暑いです。
暖かという春の季語もあるくらいですから、やはり夏の陽ではイメージと合わないでしょうね。
私も大いに勉強になりました。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年5月26日放送の俳句コーナーのお題「待て」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。