『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年11月3日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「スーパーマーケットの鮭」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時00分から20時00分までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年11月3日の放送でも扱われました。
今回のお題は「スーパーマーケットの鮭」です。
スーパーマーケットの鮭は、鮭が秋の季語(三秋)ですね。
この回は「山西惇」さんと「新妻聖子」さん、「みちょぱ」さん、ラランド「ニシダ」さんが出演していました。
レギュラー陣では名人3段「皆藤愛子」さんと、名人10段「横尾渉」さん、永世名人「梅沢富美男」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの順位戦の結果です。
4位がニシダさん(才能なし、5点)、3位がみちょぱさん(才能なし、30点)、2位が新妻さん(凡人、55点)、1位が山西さん(才能あり、70点)でした。
気になった句
順位戦で個人的に気になった句は1位の山西さんです。
稽古場でセリフを繰り返している合間に鮭のおむすびを食べている様子が詠まれていました。
よい句でしたね。
原句「鮭にぎり」としたことでお寿司の可能性があるという、梅沢さんのご指摘がありましたが。
「名人10段」への道
今回は皆藤愛子さんの「名人10段への道」がありました。
皆藤さんは試験を迎えて「名人3段」でした。
句は、エコバッグに新米を5kg入れて雨の中帰路についている様子が詠まれていました。
新米が大好きで、5kgは重いけど、頑張って毎年買っている。
そのことを詠まれたそうです。
季語は「新米」。
読みは「しんまい」。
秋の季語。
結果は「1ランク昇格!」。
先生の一言は「気持ちを伝える言葉選び!」。
読んだだけで状況がわかる。
上五「エコバッグに」と「に」を入れて字余りだけど、この「に」は必要。
この「に」があることで中七5kgがずっしり感じる。
下五「雨の帰路」で「雨」が出てくる。
中七5kgが重いんだなという重いイメージを一旦入れておいて、最後の「帰路」で新米を喜ぶ・楽しむために帰っている帰路なんだなと。
ここらへんの心情を語れていて、新米という季語を主役に上げようと配慮されている。
そして、5キロと帰路という韻が、同音異義語になるが、これが韻としてさり気なく効いてくる。
大したものだ。
こちらはよい句でした。
私はこの手の韻の踏み方があまり好みではないのですけど、よい句と思います。
この手のというのは露骨な韻の踏み方のことです。
原句では目立ちすぎるので、できればもう少し馴染ませたい。
「永世名人」への道
今回は横尾渉さんの「永世名人」への道がありました。
横尾さんは試験を迎えて「名人10段☆☆」でした。
句は、金秋に駅のおむすび屋が新商品を展開したことが詠まれていました。
長々と企画してきたことがやっと実現できたことを句にされたそうです。
季語は「金秋」。
読みは「きんしゅう」。
結果は「1つ前進」。
これで名人10段☆☆☆です。
一言は「2つの企みが成功している!」。
「ローンチ」が何を意味しているかわからず調べた。
そういうビジネス用語だとわかって、ああこれは面白い取り合わせだなと理解した。
伝統的な季語である「金秋」は使いこなすのは難しい。
「金」はそのイメージが強く持っているから、金色の秋と言われたときに、どう使ったらよいのかが難しい。
それに対して揚句はローンチというビジネス用語をポンと持ってきて、さあここから新しいことが始まる、ここまでコツコツ頑張ってきたと。
そういうことが一発で出てくる(=イメージできる)。
さらに揚句後半に「おむすび」があるので、豊かな実りの秋の金秋と、響き合わせることができている。
さらに調べも「対句」の型を使っている。
見えないところに小さな響き合いを作る、これが名人。
こちらもよい句でした。
相変わらず五七五ではありませんでしたが、今回は梅沢さんからも夏井先生からも破調だからどうこうと言われませんでしたし、よほどうまくいったのでしょう。
ただ個人的には、こういうワードを探してきたぜという説明臭さを感じなくもないので、そこまで好きな句ではありません。
近ごろの横尾さんはそういう珍しいワードを探すことに執着していらっしゃるようで、そろそろそういう作り方から離れた句を見てみたいです。
それに、おむすび屋が新商品を展開するときに「ローンチ」なんて言葉を使わないと思うのですよね。
ゲーム業界などデジタルな業界ではしばしば用いられる単語ですけど、飲食業では聞いたことがありません。
私だけかもしれませんけど。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢富美男さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り2句です。
終わり間近です。
句は、大中小のお弁当箱に鮭の秋がやってきた(?)ことが詠まれていました。
鮭の秋は鮭が川を上っていくこと。
料理が得意な梅沢さんは、子どもたちや奥様にお弁当を作っていたそうで、そのことを詠まれたそうです。
季語は「鮭の秋」。
読みは「さけのあき」。
結果は「ボツ!」。
残り2句のまま。
一言は「助詞『に』のミス」。
今回のお題の写真は引っ掛け問題で難しかった。
スーパーに売られている切り身、おにぎりの具材の鮭が、季語として季節感をどこまで出せるか。
なかなか難しい。
季節感の薄さをどうやってお弁当箱で表現するかというときに、「鮭の秋」を持ってきたのは大したものだと思う。
季語としてどすんと主張できるから。
ところがどっこい、中七「弁当箱に」の「に」が不用意。
そろそろわかってくれよ!
「弁当箱に」といったら、鮭が入っていることになる。
ひと塊りの季語の力を、「に」が切り身にしてしまう。
「に」が素敵な季語を駄目にしている。
添削は、「鮭の秋」から始めて、次に弁当箱「に」ではなく「の」、最後に「大中小」となりました。
なんでこの「に」に気づかないのか、あと2句のくせに。
とのことでした。
他人の俳句の穴には気づけても、自分の句となると気づけないものなのですよね、厄介なことに。
私も近ごろネット句会に参加しているので、お気持ちはわかります。
指摘されて、ああと気づくことがままありますので。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年11月3日放送の俳句コーナーのお題「スーパーマーケットの鮭」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。