毎月最終週の日曜日18:00よりEテレで放送されている『やまと尼寺 精進日記』、2018年3月25日の放送は「弥生 春待ちわびて ふきのとう」でした。
番組を観た感想を書いています。
目次
Eテレ『やまと尼寺 精進日記』
『やまと尼寺 精進日記』とはどのような番組でしょうか。
豊かな季節の恵みを知恵を工夫で極上の精進料理にする、奈良・桜井の尼寺。笑顔あふれる日々を美しい映像で!
Eテレで月イチで放送されている『やまと尼寺 精進日記』の番組説明です。
http://www.ac.auone-net.jp/~otowa/
音羽山観音寺 - 奈良県 桜井市 - 仏教寺院 | Facebook
『やまと尼寺 精進日記』は、奈良県桜井市に居を構える「音羽山観音寺」の住職と副住職、そしてお寺の手伝いをしている方の3人の女性が、毎回様々な精進料理を作っている様子などを映像にした番組です。
料理を作ることを番組のメインに描きつつ、彼女たちの普段の生活の様子も紹介されていて、都会から距離を置いた田舎での暮らしぶりは私の目に新鮮に映ります。
3人が3人とも本当に楽しそうに日々の作業をしていて、笑顔が耐えない様子を観ていると、こちらも釣られて自然と笑顔になってしまう、そんなほのぼのとした雰囲気が特長の番組です。
当番組の放送日時は、2017年度からエコ・ライフスタイル番組『猫のしっぽ カエルの手 京都 大原 ベニシアの手づくり暮らし』と同じになり、月の最終週のみベニシアさんの代わりに『やまと尼寺〜』の放送をするようになりました。
出演者
番組の出演者です。
番組の出演者は前述した3人の女性がメインになります。
音羽山観音寺のご住職である「後藤密榮(ごとう・みつえい)」さん。
副住職の「佐々木慈瞳(ささき・じとう)」さん。
そして4年ほどお寺のお手伝いをしている「まっちゃん」の3人です。
お寺には番犬の「オサム」と飼い猫(?)の「スージー」もいますから、正しくは3人+1頭+1匹ですか。
オサムは雑種と思います。耳の先が垂れていて可愛い。
スージーは日本の猫っぽい猫。
番組のナレーションは俳優の「柄本佑(えもと・たすく)」さんです。
3月「弥生 春待ちわびて ふきのとう」
2018年3月25日日曜日の『やまと尼寺 精進日記』の放送は3月編、サブタイトルは「弥生 春待ちわびて ふきのとう」でした。
弥生の読みは「やよい」ですね。
3月のやまと尼寺は「ひな祭り」のための「雛あられ」を、昨年末に檀家さんたちから頂いた鏡餅から作っていました。
また、芽吹いたばかりの「フキノトウ(蕗の薹)」を天ぷらや蕗味噌にしたり、旬のセリは胡麻和えするなど、早春の奈良県の様子が収められてました。
旧暦3月(きゅうれきさんがつ)は、旧暦(太陰太陽暦)の年初から3番目の月である。
天保暦よりも前の定義では、穀雨を含む月を3月とする。新暦では3月下旬から5月上旬ごろに当たる。
3月(旧暦)のWikipediaにはこのように書かれています。
弥生の由来は、草木がいよいよ生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったという説が有力で、これに対する異論は特にない。
3月のWikipediaにはこのように書かれています。
「木草弥や生ひ月」が詰まって「やよひ」ですか……知らなかったです。
旧暦の月名の中でも弥生と師走って特別感がありますよね、名前に月がないから。
睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走。
「ねこ餅」とは何?
個人的に今回の放送で最も気になったものは「ねこ餅」です。
初めて聞いた名前でした。
私は関東地方から別の地域に住んだことがないこともあって、観音寺のある奈良県や関西圏の文化には疎く、毎回のように住職さんたちの作る料理やお菓子には知らない単語が出てきます。
今回は「ねこ餅」がそれでした。
画像がその「ねこ餅」です。
かまぼこ?のようにも見えますね。
関西では古くから
棒状のお餅はねこ餅として親しまれ
形状が猫のように長く
まろやかな丸みのある形になっていると共に
お餅の先端が猫の手のような
形を連想させるあたりから
ねこ餅と称されたと思われます
『芭蕉堂』さんというお店の商品説明にはこのように書かれています。
「ねこ餅」とは棒状のお餅のことなのですね。
丸みを帯びた形が猫の手や猫の姿に似ているから、ということみたいです。
「固くなった鏡餅を色んな味にして、つき直すんですよね」
というナレーションが入っていたので、「ねこ餅」についてはかつての放送で扱われたのかもしれません。
私が観ていないか覚えていないか。
観音寺では、昨年末に信者の方々から頂いたたくさんの鏡餅がありまして、それを再利用というか、そういうことをして「ねこ餅」を作っていました。
「ねこ餅」の作り方は、細かく割ったり刻んだりした鏡餅を、もう一度餅つき機に入れていました。
味付け&色付けは、青じそ(青紫蘇)を入れたり、節分のときの豆を入れたり、ヨモギ(蓬)を入れたり、紫芋を入れたり、古代米とゴマ(胡麻)を入れたりして、彩り鮮やかな「ねこ餅」が出来上がっていました。
作るときには鏡餅にお湯を加えて柔らか戻しているのでしょうか。
その辺の詳しいレシピ等は別番組『やまと尼寺 献立帳』で放送されるはずです。
つき直したお餅を輪切りにして(その様子は放送されていません)、暖炉のそばに置いて乾燥させて(ここも未放送)、それを今度は手で小さく砕いてから、油を多めに入れた底の厚めなフライパンに入れて揚げていました。
こうして「雛あられ」「ねこ餅あられ」が出来上がりです。
色合いがひな祭りにピッタリでした。可愛い。
住職さんと観音寺
今回は、住職さんがその雛あられなどを持って、山の麓でご年配の檀家さんたちにお花の教室を開いていました。
副住職さんの慈瞳さんもお手伝い。
その後のお茶会で、ご年配の檀家さんがかつての観音寺や、密榮さんが山に住職として山にやって来て、お寺を再興するときの様子が少し語られていました。
Aさん「可愛い尼さんが上がって来はった思うてたんよ〜。まだ30過ぎでね、小柄やし、(頭が)つるつるでね。こんな山の中へこんな可愛い尼さんが思うてね」
Aさん「(最初は心配だったけど)ほんでも徐々に慣れていただいて、(寺が)綺麗になってね、段々。それまでもう本当にね、古風と言っていいか……」
と言ったところで別の方(Bさん)が「いやぁ汚かったもんね」とずばり言っていました。
Bさん「(お寺への道は里の皆さんと作ったって?)そうですよ。お手伝いしました。本堂、あんだけ綺麗にするのも皆、しました」
Bさん「あの辺の村の人がセメントとか砂利を入れて」
Bさん「雨との戦いですわ。雨が降ったら明くる日また直さなあかん。やから雨の日は『またせっかく行(?)をしてきたのに』と思って、また明くる日直さなあかん」
Aさん「今みたいに便利と違うから、うち、主人なんか皆、遠いうわの背負子でせとる(?)と山へ上がってはった(上手く聞き取れなかったです)」
Aさん「それでも楽しんでね、さしていただいてたわ。今はなぁ、綺麗になって賑やかでありがたいと思います。皆のお陰やけど」
住職「うん、みーんなのおかげ、ね」
※便宜上、AさんBさんとさせていただきました。
という具合に、住職の密榮さんの昔の話が少しだけ聞けました。
いつも笑顔で朗らかな密榮さんですけど、人に見せていないだけで、これまでには様々な苦労があったのでしょうね。
仏門に入る前のこと入ってからのこと、音羽山に入るときのこと入ってからのこと。
慈瞳さんも「まっちゃん」もそうです。
それにしてもあの綺麗で賑やかな観音寺が、密榮さんが来るまで荒れていたとは、にわかに信じがたいことです。
おわりに
「ふきのとう」は山の麓に暮らしている潤子さんの家のお庭(?)にたくさん生えていました。
「ふきのとう」ってあんなにツクシ(土筆)レベルであちこちに生えているものなのですね……びっくりしました。
私が住んでいる地域ではまず見かけない……と思います。
見逃しているだけでしょうか?
今回は、密榮さんというかお寺の昔の話を聞けたことが何より貴重でした。
お寺のことをもっと知りたい方はお寺に行って直に聞いてみると良いかも知れません。
そういえば、あられを作っているときに、密榮さんが「まっちゃん」にまっちゃんが「嫁入り前」だと言っていましたね。
当ブログのやまと尼寺関連の記事には、まっちゃん関連のワードから来られる方も多いですから、彼女のことが気になる人は多いみたいです。
ん〜、でもそれはまぁ……ね。
触れなくていいんじゃない?と思いますけど。