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伊能栞が北村入社後作る映画は『お笑い忠臣蔵』。忠義の話に思わせた恋愛映画は検閲を免れられるでしょうか? - 朝ドラ『わろてんか』134話、135話、136話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2018年3月14日放送の136話では伊能さんが復活していました。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

目次

 

 

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『わろてんか』第24週「見果てぬ夢」

www.nhk.or.jp

 

2018年3月12日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第24週「見果てぬ夢」の放送が始まっています。

『わろてんか』の時代設定は、23週の昭和14年(1939年)から半年経った同年秋です。

1939年時点で「日中戦争」が始まっていて、戦火は拡大の一途をたどっています。

日本においてもその影響は色濃く出てきていて、北村笑店や伊能の映画会社では、軍から国策に沿う内容の演芸と映画を製作するように要請を受けていました。

本作のヒロイン「北村てん(きたむら・てん、演:葵わかな)」は、17週に夫の「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」を亡くし、以降「北村笑店(きたむら・しょうてん)」社長に就任しています。

籐吉との間にできた子ども「隼也(しゅんや)」は、アメリカのショービジネスに興味を持ち、通っていた大学を退学して渡米しました。帰国後は北村笑店で下働きをしていましたが第24週現在は大阪に居ません。

隼也は「加納つばき(かのう・つばき、演:水上京香)」と駆け落ちをする道を選んで、「てん」から勘当されています。

現在、隼也は神奈川県の川崎で(したっけ)の工場に勤めていて、「つばき」の間には「藤一郎」という名の子どもができました。

「てん」の従兄弟の「武井風太(たけい・ふうた、演:濱田岳)」が専務、「てん」の経理を手伝っていた「トキ(演:徳永えり)」は育児中心の生活から再び業務に戻っています。

「てん」のかつての見合い相手で、籐吉の親友でもあった「伊能栞(いのう・しおり、演:高橋一生)」は、トーキー映画を扱う映画会社から不動産、百貨店など手広く手掛ける「伊能商会」を経営しつつ、北村笑店の役員として「てん」を支えています。

「風鳥亭」の元席主「亀井庄助(かめい・しょうすけ、演:内場勝則)」は北村笑店の従業員のままのようです。

「万丈目吉蔵(まんじょうめ・きちぞう、演:藤井隆)」は、芸人を辞めて北村笑店文芸部の部長として、漫才のネタを書く作家業に専念していました。しかし、24話現在はお笑いの慰問団「わろてんか隊」のメンバーとして、妻の「万丈目歌子(まんじょうめ・うたこ、演:枝元萌)」との夫婦漫才を再開しています。

かつては「てん」のライバルだった「杉田楓(すぎた・かえで、演:岡本玲)」は、北村笑店文芸部に入ってネタの台本を書いています。

藤吉の芸人時代からの仲間で、しゃべくり万歳でお笑い界のトップに立っていた「キース(演:大野拓朗)」と「アサリ(演:前野朋哉)」はコンビを解消、キースは東京で新しいコンビを組み活躍し、アサリはピンの漫談家として活動していましたが、こちらも現在は「わろてんか隊」に入り、コンビ再々結成です。

「岩さん(がん・さん、演:岡大介)」は……?

「てん」のライバルとして籐吉のことを好きであり続けた「リリコ(演:広瀬アリス)」は映画俳優から女芸人に戻って、栞が連れてきた「川上四郎(かわかみ・しろう、演:松尾諭)」と「ミス・リリコ・アンド・シロー」として「しゃべらん漫才」のお笑いの新機軸を打ち立て、「北村笑店」の看板芸人になっていました。

一時は、芸人を辞めて上海へと旅立った2人でしたが、現在は再び日本に戻ってコンビを再結成し、「わろてんか隊」の一員として慰問活動をしています。

 

 

てんの受賞

「てん」が、わろてんか隊を派遣したり寄付したりしてきた功労を讃えられ、国から勲章を授かることになりました。

これは「てん」だけでなく北村全員の、お笑いにとっての名誉でもあります。

また、「てん」は新聞記事に「女太閤」などと評されてもいて、その報は息子の隼也の元ににも届いていました。

報を受けた、というか新聞記事を読んだ隼也は、自分たちがこのままで良いのだろうかと思うようになっています。

大阪に戻るフラグが立ちましたね。

 

 

栞の退社と入社

24話になると、国や軍の娯楽への介入が増えていっています。

最も影響を受けているのは伊能栞で、彼の会社「伊能商会」が制作した映画が、次から次へと検閲に引っかかり、公演中止を余儀なくされました。

「社会風刺がけしからん、男女の劣情を催させる場面が宜しくない」とのこと。

伊能商会の映画事業は元から赤字続きでしたが、追い打ちをかけるように公開中止となると、その損害は莫大なものになるようです。

 

公開中止となった映画の一つは、キースが主演を担当した『キースのあきれた恋道中』でした。

中止の報は「てん」たちに届けられます。

アサリたちが、自分たち北村で映画作ったら高座を観られない日本中のお客さんにも観てもらえる、と言い出し、伊能に手伝ってもらって北村笑店映画部を作ろうと、映画作りに乗り出します。

 

もはや今までのやり方では通用しないと感じ、伊能商会の社長・栞に対して部下が方針転換の直談判をしていましたが、栞はそれを受け入れず。

部下たちも引かず、彼らは栞に映画事業の売却をしてこれまでの損失を補填するべきだと申し出ます。

栞は尚も反対、映画事業こそが伊能商会の原点で、それを手放せば必ず今後会社経営は行き詰まると言うのです。

しかし栞に賛同する者は表れず、栞は自分の居場所はここにはない感じ、自ら出て行っていました。

退社というと聞こえは良いですけど、辞任の追い込まれたと表現して差し支えないでしょう。

栞はそのまま、「てん」たちにも何も告げずに姿を消してしまい、「てん」たちからすればそれは失踪でしたが、いなくなってから一週間後、風太が屋台で栞の姿を認めます。

栞はこの一週間、映画事業を諦めずに東京へ行って同志を募っていたようです。

が、今の御時世、国や軍に逆らってまで恋愛映画を作ろうとする人間は一人もいなかったようで、失意のまま大阪に戻ってきたのでした。

栞は、上映中止となった伊能商会映画事業の損害倍書に自分の全財産を宛てて対処していて、職も家もないトランク一つの状態でした。

栞は「てん」の家に招かれ、「てん」と風太から北村に入って映画事業を助けて欲しいとお願いされます。

栞は一度は断りましたが、「てん」と風太の熱意ある説得にほだされて、北村に入社し映画事業を担当することになりました。

新しい家が見つかるまでは風太の家に厄介になることに。

 

 

北村でも恋愛映画を

栞は北村笑店の映画事業部の顧問に就任し、さっそく映画作りをすることになります。

北村笑店の企画会議にて、当局に目をつけられるから作られないと不安視する風太たち男性陣を知り目に、「てん」はだからこそ皆が観たいのではないかと「恋愛喜劇映画」を制作することにしました。

トキや楓といった女たちは恋愛映画と聞いて大盛り上がりです。

来年昭和14年10には「映画法」も施行される、検閲にかからないように恋愛喜劇映画を作るためにはどうすれば良いのか、これを「てん」たちが苦慮することに。

「てん」は、検閲官は男性で、男性にはわからない女性が好きな恋の話を楓が書けば良い、とアイデアを出しました。

 

 

映画法とは?

この法律によって、日本の映画も娯楽色を極力排除し、国策・軍国主義をうたった映画を強制的に製作させられることになり、その映画の製作も台本を事前に検閲することや、映画会社(製作・配給元)の許認可制、ニュース映画・文化映画の強制上映義務、また外国映画の上映も極力制限された

(略)

本法は前年昭和13年に公布され、翌昭和14年に施行されて、一時映画界に恐慌をきたした[1]。

- 映画法 - Wikipedia

映画法のWikipediaにはこのように書かれています。

ドラマ内でも施行される以前から検閲自体は存在しました。

それまでは出来上がった映画のフィルムに検閲が入っていましたが、映画法が施行されると、台本の段階から検閲が入るとか何とか栞はセリフで発しています。

 

 

お笑い忠臣蔵

おなごが好きな恋とは具体的にどういうものかというと……『忠臣蔵』です。

 

忠臣蔵(ちゅうしんぐら)は、 人形浄瑠璃(文楽)および歌舞伎の演目のひとつで、1748年に大阪で初演された『仮名手本忠臣蔵』の通称。また歌舞伎や演劇・映画の分野で、江戸時代元禄期に起きた赤穂事件を基にした創作作品。

- 忠臣蔵 - Wikipedia

忠臣蔵のWikipediaにはこのように書かれています。

内容を知らない方でも名前は見聞きしたことはあるでしょう。

「てん」は『忠臣蔵』を元にした『お笑い忠臣蔵』を作ろうと言い出しました。

内容は、お侍さんだって忠義の心だけで動いている訳ではないはず、四十七士は忠義以外の理由で討ち入りに行くことになったとしたら……というものです。

例えば、親の借金を返すためとか、好きなおなごが吉良屋敷の女中だったとか、一気に身近な物語になります。

元々、忠臣蔵は忠義や自己犠牲の話だから検閲に通りやすいはず……と。

 

「忠義の話だと思わせておいて、わかる人にはわかる恋の話を入れるんです」

 

と、「てん」は得意気に宣言しました。

「てん」たちは“妻たちの忠臣蔵“を描きたい、でもキースやアサリは出会いから描いたら話が面倒くさくなると文句を付ける、「そこが大事やろ!」と女性陣総ツッコミ、良い流れでした。

 

 

 

おわりに

映画は大きな金額が動く事業のため、風太は北村の専務として恋愛映画の制作には心から乗り気ではないようです。

「てん」たちに危ない橋を渡らせたくないという思いがあるから。

しかし、栞は賭けてみたい、成功すれば僕らの大きな希望になると話していました。

 

134話と135話で栞は失踪しました。

ただ、失踪は栞が独り身だからできたことであって、逆に考えると脚本家はこのシーンを描きたいから彼を独身で居させた、そういう可能性を視聴者に感じさせてしまう辺りが、この脚本の少々いただけない点かなと、観ていて感じました。

結論ありきで脚本を考えるのは当然としても、視聴者にそれと感じさせてしまうのは……あくまで「てん」への一途な想いがあるからだと視聴者に思わせないといけないのではないかと思います。

 

『お笑い忠臣蔵』に関しては、先週土曜日の24週の予告動画を観る限り、検閲は通るけど、同性の女性には見破られるのでしょうね。

女性には通じるように描かれるのですから、恋愛を描くとは何事かと考える女性たちによって糾弾されるのかなと。

女の敵は女。

 

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