ディスディスブログ

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Eテレ『浦沢直樹の漫勉』シーズン3開始!あの池上遼一さんでも「右向きの顔」が苦手だそうです

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木曜日22:00からEテレで放送されているドキュメンタリー番組『浦沢直樹の漫勉』、2016年9月からシーズン3が開始されました。シーズン0があるため、実質シーズン4になります。2016年9月15日放送されたシーズン3第1回に出演した漫画家は「池上遼一」さんです。

 

 

漫勉とは?

www.nhk.or.jp

 

日本を代表する漫画家さんたちの制作現場にNHKのカメラが入り、漫画家さんたちの作業の様子を邪魔にならない定点カメラで撮影した映像を、ご本人と漫画家の「浦沢直樹(うらさわ・なおき)」さんとで観ながら、どのような手法で漫画を描いているのか、どのような道具を用いて描いているのか、どのようなことを考えながら描いているのか……などを話す番組です。浦沢直樹さんは「YAWARA」「20世紀少年」「MONSTER」などを描いた方です。

 

 

『漫勉』シーズン3第1回は「池上遼一」さん

サードシーズン1回目は、55年間第一線で活躍を続けるレジェンド「池上遼一」が登場!美男美女を圧倒的な画力で描き、ヒット作を飛ばしてきました。今回は、なんと最新作の初回の現場に密着。新たなヒーローを生み出すため、細部に徹底的にこだわりながら、格闘を続ける72歳の巨匠の姿を記録しました。

 

ということで、『漫勉強』シーズン3第1回の放送に出演していた漫画家は「池上遼一(いけがみ・りょういち)」さんです。

私は漫画を多く読んできた人間ではないため、知っている漫画家さんより知らない漫画家さんの方が圧倒的に多いのですが、池上遼一さんは知っていました。

 

池上 遼一(いけがみ りょういち、男性、1944年5月29日 - )は、日本の漫画家。大阪芸術大学キャラクター造形学科教授を務めており、劇画家と紹介される事もある。

 

池上遼一 - Wikipedia

 

池上さんのWikipediaにはこのようにあります。劇画家と紹介されることもある、というのはとてもわかりますね。私が子供の頃読んだ「男大空」から、氏の絵柄には変化がない印象があります。「男大空」は『週刊少年サンデー』で1980-1982年に連載されていた作品で、当時はまだ劇画調の作品が多く残っていたように思います。

「男大空」は私が池上さんの作品で唯一読んだ記憶のある作品です。読んだ記憶があっても内容は覚えていないですが……。時代的にいえばもしかしたら「舞」も読んだかもしれませんけれども、こちらはもっと覚えていません。

私は当時子供も子供でしたから、池上さんの作品は当時の私にとっては大人すぎてしまい、ついて行けなかったのだと思います。少年誌といっても作品ごとに対象年齢は様々ですから。私が子供の頃に小遣いをはたいて買っていた漫画雑誌は『週刊少年ジャンプ』と月刊誌の『コミックボンボン』だけでしたから、サンデーはおそらく父親が買っていたものでしょう。それを読んでいただけだと思いますから、定期的に読んでいたかどうかも怪しいです。もしかしたら誰かの家で単行本を読んだのかもしれません。かなり記憶が曖昧ですね……。

つまり池上遼一作品はその内容に関してほぼ記憶にないです。漫勉で取材する漫画家さんは、私が作品を読んだことがないばかりでなく、お名前も知らない方ばかりです。それは世界が広がるキッカケになってくれるかもしれないのでありがたいです。ただたまには知っている方も登場していただきたい気持ちもあります。知っている漫画家さんの方が感情移入できそうですから。

 

 

池上遼一さんは右向きの顔が苦手

池上回で最も印象的だったことは、池上さんは「右向きの顔」を描くことが苦手だということです。

では、どのようにして右向きの顔を描くかというと、まず始めに左向きの顔を下書きしペン入れまでしっかり描いてから、描いた左向きの顔をデジタルツールを用いて左右反転する、という手法を用いていました。

 

浦沢「これ、(左右)逆さまにしましたよね?」
池上「右向きの顔がどうしてもいい顔が描けないんですよ」
浦沢「僕も色々、何故なんだろうって考察しているんですけど」

 

実は、浦沢さんも右向きの顔を描くことが苦手なのだそうです。右利きの人は右から左に線を描くことが苦手で、眉毛とかを描きにくいことが理由なのでは? というのが浦沢さんの考えだそう。

池上さんは、「やっぱ脳がおかしいんじゃないですかね」と言っています。左向きには絶対の自信がある、反転しても崩れない自信がある、と仰っていました。左右反転しても絵が崩れないというのは、何気ないですけどとんでもない技術な気がします。単純な話じゃないですよね、これは。

 

実は、私も思い返すと人物の顔を描くときは左向きばかりを描いていた気がします。今はまず絵を描かないですけど、小学生の頃はよく「キン肉マン」などの漫画を模写して遊んでいましたが、右向きを描かなかった記憶がありますね。キン肉マンではザ・ニンジャやアシュラマンが好きでした。ラーメンマンも好きでしたが、ラーメンマンは正面からしか描かなかったです。何せあの頭と顔ですからね。

私は生まれつきは左利きで、両親に右利きに直されました。ペンや箸、ボールを投げるときは右手ですけど、その他は左手を使う傾向にあります。駅で改札機に切符を通すとき、自動販売機にお金を投入するとき、水道の蛇口をひねるとき、ドライバーを使うとき……と、様々な状況で左手をメインに使います。左手を使うシチュエーションでも右手を使えない訳ではないですから、両利きですね。スノーボードはグーフィースタンスです。そんな私でも右向きの顔は苦手でした。って、プロの漫画家さんのしかも大御所の方と、お遊びでイタズラ描きをしていた私を比べてはいけませんね……。

 

 

水木しげるとつげ義春

池上さんは、一度メジャーデビューした後に一度漫画を描くことを辞めていたようです。辞めてからも看板描きの仕事をしながら漫画を描き続けていて、その中でつげ義春さんの「やなぎ屋主人」を読んで衝撃を受けたそうです。水木しげるさんに誘われてスタッフとして働くことになったら、同じアシスタントにつげ義春さんがいて、運命の出会いを果たすことになりました。その後、水木さんとつげさんから教えを受けて、社会派でリアリティのある作品を描くようになった、ということでした。

 

2010年の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の倉田圭一(演:窪田正孝)は、池上をモデルとしている。

 

Wikipediaにもこのように書かれていました。窪田正孝さん! いましたね……あの人が池上さんだったのですかぁ、なるほど。

 

 

おわりに

池上さんはとにかく美男美女を描くことが大好きな方、ということがわかりました。

「こだわりは“美男美女”なんですよ。いい男前が出てこないと、描いていても面白くないんですよね、僕は」と仰っていましたね。奥様が異常者だと言っているくらい。それと、リアリティのある絵で荒唐無稽な物語を描きたいのだそう、荒唐無稽な話でも出てくる人物にリアリティがあれば読者が「もしかしたらあるかも」と考えてくれるから、と。

それと、池上さんの描く男の目の宿る「憂い」のようなものに関する会話も印象的でした。浦沢さんは「池上先生の描く目は、偽善感がないんでしょうね。憂いというか、切ない感じとか……真っすぐじゃないですよね」と言っていて、池上さんも「屈折感とか、心の奥で茶化しているとか、そういう虚無感みたいなものを目に出したいなというのがありますね」と仰っていました。確かに、どこか哀しみのようなものが宿っていますよね、池上さんの描く男の目には。しっとりしています。

ちなみに、池上さんが使うペンは、人物の目だけは「かぶらペン」で他は「Gペン」と言っていました。

書き忘れていましたが、他には、池上さんは『ガールズ&パンツァー』の絵も描いていたんですね。知らなかったです、驚きました。アニメの再放送にガルパン画を提供したということでしょうか。ガルパンはアニメを一通り観ました。お若いですね……。

何度でも書きますけど、松本大洋さんを取材してはもらえないか……あの絵をどのように描いているのか一度見てみたいです。

 

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