F1の2024年シーズン第2戦「サウジアラビアGP」でF1デビューした「オリバー・ベアマン」が各所から絶賛されています。
どうも私はベアマンへの称賛が過剰に見えて仕方ありません。
目次
第2戦サウジアラビアGP
F1の2024年シーズン第2戦「サウジアラビアGP」が2024年3月7日から開催されました。
決勝の結果やその感想は以前当ブログで記事にしています。
合わせてご覧になってください。
オリバー・ベアマン
フェラーリの「カルロス・サインツJr.」が虫垂炎を起こしました。
サインツがサウジアラビアGPをFP3以降を欠場することに。
A super impressive start! 🤯
— Scuderia Ferrari (@ScuderiaFerrari) 2024年3月8日
In his first @F1 Quali, @OllieBearman qualifies P11 and just misses out on Q3 by 0.036 🤏#SaudiArabianGP #F1 pic.twitter.com/DWCwYN5qTl
FP3からリザーブ登録されている「オリバー・ベアマン」が代役で出走しています。
若干18歳でのF1デビュー。
サウジGPを予選11位、決勝7位で終えています。
ベアマンを絶賛
ベアマンはレース後、各所から称賛を受けています。
例えば、フェラーリ代表フレデリック・バスール、ルイス・ハミルトン、レッドブルF1アドバイザーのヘルムート・マルコ、ハース代表の小松礼雄といった人たちです。
こちらで紹介せずともネット検索をかければ簡単にヒットしますので、気になる方は検索をかけてみてください。
ベアマン称賛への違和感
個人的にはこのベアマンへの称賛には違和感があります。
フェラーリだから
理由は幾つか挙げられます。
1つはベアマンの乗っているマシンがフェラーリだからです。
今季2戦が終わったところで、フェラーリはレッドブルに次ぐ2番手の速さを持ったチームです。
そんなマシンに乗れたら速くて当たり前なんですよね。
F1はどのマシンに乗っているかがとても重要です。
セルジオ・ペレスを見ればわかりやすいでしょう。
例えば、ペレスの代わりにルクレールやノリスがレッドブルに乗ったら、ペレスより速く走れるでしょうし、フェルスタッペンにもっとプレッシャーをかけられるでしょうしペレスよりフェルスタッペンに勝てるレースも多くなるのでは、と考えられます。
そういうことです。
他の例をあげると、メルセデスがまだ速かった2019年に、ニキータ・マゼピンがメルセデスに乗ってテストに参加し、トップタイムを出したことがあったかと思います。
今、皆さんはマゼピンがトップドライバーとかトップクラスに才能あるドライバーと思いますか? 思わないですよね。
マゼピンの例は極端かもしれませんけど、それと似たことを今私は感じているということです。
メルセデスが遅かったから
理由はメルセデスが遅かったからです。
ラッセルやハミルトンがレース後言っているように、サウジGPで彼らは開幕戦以上に苦戦していました。
ポーパシングの問題がいまだに出ているみたいですし、ダウンフォースも不足しているみたいです。
また、マクラーレンのノリスは戦略でギャンブルをして失敗しましたし、アストンマーチンのランス・ストロールはクラッシュ・リタイアしました。
何が言いたいかと言うと、ベアマンの7位はフェラーリでの最低限の順位でしかない印象だということです。
レッドブル勢やルクレール、アロンソ、ピアストリといった上位と戦える位置にいなかったので、あれほど称賛されることをしていないのでは? と感じてしまいます。
彼らに対してすごいバトルを繰り広げたのなら、わかるのですが。
古い話で申し訳ないですけど、1990年のフェニックスでのジャン・アレジみたいな。
対ルクレール
チームメイトとのタイム差は、力関係を知るのにわかりやすい指標です。
具体的にチームメイトのルクレールとのタイム差はどうだったかと言うと、Q1は0.6秒ほど、Q2は0.5秒ほど、レースペースでは0.6秒ほど。
ベアマンはチームメイトのルクレールより0.5秒以上遅れていたようです。
前出のヘルムート・マルコは「タイムではシャルル・ルクレールとほぼ同じレベルだった」と言っているようですが、全然違うように私には見えます。
F1で同じマシンでの1周0.5秒は大差ですから。
後にトップドライバーと呼ばれる人は、まず例外なく速さがある印象です。
荒削りだけど滅法速い、あるいは滅法速い上に安定感もある、このどちらか。
例えば、角田は世間的にまだトップドライバーの認識はないかもしれません(個人的にはトップクラスにいると思っています)が、デビュー戦のQ1で2位でした。
アルファタウリで、です。
翻って、フェラーリに乗ったベアマンが、速さでインパクトを残したか?
チームメイトとのタイム差や予選の順位などを鑑みて、そうとは言えません。
速さに定評のあるルクレールが相手ですから勝てないとしても、真に速いドライバーならもっと爪痕を残せたはず。
そこが一番引っかかるところです。
F2を2年目
ベアマンは今季F2で2年目を迎えるドライバーですよね。
F2が2年目という時点で個人的には彼の才能に対して懐疑的です。
しかも、昨季のF2はシャルル・ルクレールやラッセル、ノリス、ピアストリといったクラスのドライバーはいなかったと思いますので、どうなのだろうと。
ルクレール然りラッセル然り角田然り、速さのドライバーはF2を1年で卒業しています。
ノリスのような例外もあるでしょうけど。
2年目のF2を迎えたことは、彼自身まだ若いこととF1のシートが埋まっていることもあるでしょう。
23年のF2王者テオ・プルシェールすらF1のシートを獲得できなかったですからね。
しかも今季挑戦しているスーパーフォーミュラでは大苦戦しています。
持ち上げすぎは危険
ご覧の皆さんに勘違いをしていただきたくないのは、私はベアマンが駄目なドライバーとも言っていないことです。
そうではなく、彼を褒めすぎ、称賛しすぎ、F1界が新たなヒーローとして担ぎ上げようとしすぎ、人為的にヒーローを作ろうとしている気配をビンビン感じてしまうことに、強い違和感を覚えているだけです。
これまで書いてきたように、個人的にはベアマンにフェルスタッペンたちのようなトップドライバーの資質を見ることはありませんでした。
しかし、だからと言って彼が駄目なドライバーとも思っていません。
18歳、グランプリ週間に入ってからの急遽の代役でのF1デビュー、ストリートサーキット、完走、入賞。
私のベアマンへの印象は「与えられた仕事を無難にこなした」です。
彼には、彼のした仕事に応じた称賛を贈るべきと思います。
少なくとも私の目には、彼に対する大人たち称賛は大げさに映っていますし、それは危険なこととも思っています。
大人たちは、少年とも言える年齢のドライバーを必要以上に担ぎ上げて、勘違いをして道を外させることのないよう、もっと注意をはらった方がいいのではないでしょうか。
フェルスタッペンたちと肩を並べる才能かを判断をするのは時期尚早。
もっとじっくり見た方がいいと私は思っています。
私の予想に反して将来彼がトップドライバーになったなら、それはとても素晴らしいことです。
F1はDAZNで!
F1観戦は『DAZN』で!!
『DAZN』ではF1などが配信されています。
Amazonの「Fire TV」で『DAZN』を視聴可能です。
『Fire TV』ならDAZNだけでなく、TVerやU-NEXT、NHK+も。
おわりに
ということで、F1の2024年第2戦サウジアラビアGP決勝でのオリバー・ベアマンへの称賛が大げさで違和感があることを書いた記事でした。