Eテレ『趣味どきっ! 読書の森へ 本の道しるべ』が2022年12月からでしょうか、始まっています。
以前も似た放送があったと思うので、今回がシーズン2と思われます。
私の認識違いだったらごめんなさい。
仮にシーズン2としますが、そのシーズン2の第1回を私は見逃していて、第2回から観始めています。
視聴した感想などを書いています。
目次
EテレEテレ『小趣味どきっ! 読書の森へ 本の道しるべ』
Eテレ『小さなミニチュア鉄道の大冒険 スコットランドの大地をゆく』についてです。
サブタイトルは「波乱万丈!走れ!シルバーレディ」ですか。
番組説明
番組の説明です。
たくさん入り口があって、だれでも自由に入れる「読書の森」。各界の本好きが自身の本棚をたっぷり紹介し、道しるべとなって本の魅力を語りつくす。1回目は角田光代さん。小学校時代、作家になりたいと意識したころにハマった、怖い物語。大学時代にむさぼるように読んだあの作家の本。そして作家として歩き始めたころに打ちのめされた本。自宅には天井までつながる壮大な本棚が角田さんを包み込む。
番組の公式webサイトには上記引用部のように書かれています。
第1回の角田光代さんの放送回の内容です。
深くて果てがない「読書の森」の歩き方を、各界の本好きが自らの本棚を見せ、道しるべとなって教えてくれる。2回目は生物学者・福岡伸一さん。昆虫好きを魅了する本とは?
たくさんの入り口があって、だれでも自由に入れる「読書の森」。各界の本好きが自信の本棚をたっぷり紹介し、道しるべとなって本の魅力を語りつくす。2回目は生物学者の福岡伸一さん、チョウを愛してやまず、神保町にある行きつけの古書店では昆虫のお宝本を手にして大興奮!大学の研究室本棚には、小説や図鑑、研究資料が所狭しと並びなぜか昆虫標本や虫取り網も。「カオス」な本棚から浮かび上がる福岡流の読書術とは?
番組の録画データに上記引用部のように書かれていました。
放送時間
放送時間です。
毎週火曜日の21時30分から21時55分までですか。
放送局は『Eテレ』です。
毎週火曜日12時15分から前回の再放送があります。
放送局は同じくEテレ。
出演者
出演者です。
語りが「菊池亜希子」さん。
出演者は取材先の著名人の方々。
感想
Eテレ『Eテレ『趣味どきっ! 読書の森へ 本の道しるべ』』を視聴しての感想です。
福岡伸一さんの回の感想が多めになります。
コロナ渦
冒頭で、以前も似たような番組があったと書きました。
おそらくその記憶は正しいと思います。
「矢部太郎」さんや「坂本美雨」さんたちが出演していた記憶がはっきりあるので。
そのときも菊池亜希子さんがナビゲーターをしていました。
今回のシリーズとの大きな違いは、最初のシリーズでは菊池さんが出演して、著名人と直接会って、本棚を拝見する内容だったことです。
今回のシリーズでは、菊池さんはナレーションをつけるだけ、出演もOPのみで、その雄姿は本編には一瞬たりともうかがうことができません。
その理由は「新型コロナウィルス」と思います。
そのために見せ方を変えざるを得なかったのだろうと。
でも最初のシリーズが放送された当時もコロナ渦だったような気がします。
念には念をということでしょうか。
正解かも
しかし、この著名人のみの出演にした演出が奏功しているように私には見えます。
誰が、または何が悪かったということではなく。
と言いますのも、菊池さん等、他の出演者が入ってしまうと、どうしてもその出演者と著名人との会話だったり出会うシーンを挿入したり家などにお邪魔したりといった「演出」が増えます。
その「演出」ために、著名人の本棚の紹介するという、番組の「本筋」を描写する尺が減らされてしまうからです。
放送時間が1時間ほどある番組ならいざ知らず、25分しかない番組で著名人お一人の本棚を紹介するとなると、それらの演出はノイズになりかねません。
今シーズン、取材陣が質問をしてそれに著名人が答え、菊池さんがナレーションに専念しています。
これにより、さも菊池さんが著名人とのやり取りをしている体の演出になりました。
そうしたことで、ナレーションで本のあらすじなど簡単な情報を入れたり、足りない情報を足したりすることをできました。
そして、視聴者は声から菊池さんを近くに感じつつ、より効率的に著名人の本棚や本に対する思い入れなどを知ることのできる番組構成になったと感じています。
第1回を見逃した
私あるあるなのですが、第1回の放送を見逃しています。
本当、よくやらかすのですよね。
シーズン2の第1回に登場した著名人は「角田光代」さんだそうです。
角田さん回を見逃しています。
記事作成現在、第2回の「福岡伸一」さんと、第3回の「ヤマザキマリ」さんの放送は観ました。
福岡伸一さん
私がシーズン2で初めて観た回に出演していらしたのは「福岡伸一」さんです。
福岡さんは生物学者で、作家でもいらっしゃいます。
皆さんの方がご存知と思います。
私は以前から福岡さんが好きで、テレビでお見かけするとその番組はなるべく観るようにしています。
さすがに彼の出演情報を追ってはいませんが。
著作は読んだことがないです。
ぜひ読みたいのですけどね。
福岡さんの何が好きかというと「話し方」です。
私のような頭の悪い人間でも、福岡さんの話の内容は頭にすっと入ってきます。
その理由は、話の内容が魅力的なことはもちろんのこと、わかりやすい言葉を選んでくださっていることや、声の高さ、話すスピード、話の「間」などが、私にとって心地よいレベルにあるのだと感じています。
今回もやはり同じでわかりやすい内容でした。
録画を3回観返すくらい楽しかったです。
気になった言葉
福岡さんの回で気になった言葉がいくつかありました。
敗者の悲哀を共有するというのは、世界に対して「謙虚」になるということであって、「謙虚さ」というのは「自己懐疑」でもある訳ですよね。
自分自身がこれでいいのだろうかとか、自分が言っていることが正しいのだろうかとか。
「謙虚さ」とか「自己懐疑」とうことは、実は「知的」であるということの一番大事なことだと僕は思う訳です。
自分が疑えないのは最も知的でない訳ですよね。
自分が無謬であると考えるのは最も知的でないことなので、そういったことを物語にしている小説家は松本清張じゃないかなと思いますね。
無謬は「むびゅう」と読みます。
意味は自分の認識や判断に誤りがないと思うこと、でしょうか?
聴き間違えているかもしれませんが、概ねこのようなことを仰っています。
「松本清張」の『石の骨』という作品を取り上げたときの言葉です。
研究者としての在り方に悩んでいたときに、それを気づかせてもらったのが松本清張の小説だったと。
私は松本清張が好きで、福岡さんの発言はよくわかります。
例えば、画像の『或る「小倉日記」伝』でも陽の当たらない人にフォーカスを当てている作品で、その姿勢や生き様に感動をします。
感動といっても強く激しいものではなく、じんわりとした感動です。
かつて自分が読んで素晴らしいと思った本を再読する方が、より豊かな読書になるということに気がついてですね、ちゃんと読み直す読書というのをしてるんですね。
「丸谷才一」の『笹まくら』のことを紹介されたときの言葉です。
緻密な構造をもって作られた構築的な小説と評価していらっしゃいます。
福岡さんは作家の創作を追体験すべく、笹まくらの年表を自ら作って楽しんでいらっしゃいました。
私は『笹まくら』を読んだことがありません。
話を効くだけで難解そうで、私の脳みそではついていけない予感しかしないです。
現代社会っていうのは、すごく「ファスト」を求められていて、ファストムービーみたいにとにかく「あらすじ」を早く知りたい、それがビジネスにもつながるみたいな、そういう風潮がありますよね。
私はそれに反対したいんです。
つまり、小説、あるいは本の面白さっていうのは、あらすじとか結論とか「プロット」じゃない訳ですよね。
その一字のプロセスが大事だし、それをどう書いているかっていうパズル一つひとつの結びつきが大事な訳ですよね。
だから、読書はやっぱりゆっくり読まなきゃいけないし、じっくり味わうべきものだと思う訳ですよね。
こちらもとても重要なことを仰られていると感じました。
再読
上に挙げた言葉のうち最後の「読み返すこと」、これは私もよくします。
私は好きな作品は、本でも漫画でも雑誌でも映画でもドラマでも、何度も何度も読み返す・観返す人間です。
ゲームもそうですね。
飽きるまで続けます。
周りからはよく飽きないねと言われるのですが、自分としては飽きが来るまでは何度読んでも・観ても楽しいのです。
何度も読んだ作品でも、唐突に理解のきっかけが生まれることはままありますし、理解もより深まる感じが。
ただ、私の場合は金銭的に余裕がないから、手持ちの作品で楽しむしかない側面も大いにあるので、先生が仰られたこととは意味合いが異なるかもしれませんけど。
でも読み返している作業は同じですので効果は似たものになっているはず。
私のことで言いますと、例えば本は小林秀雄の『近代絵画』と谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』が好きです。
文豪系ですと漱石を一番好んでいて、太宰と芥川も多いです。
『人間失格』は初読後しばらく引きずった思い出。
海外ものはあまり読んでいないですが、エドガー・アラン・ポーは小説も詩も好きですし、ヘミングウェイもそこそこ読んできていると思います。
推理・ミステリー小説では松本清張の『砂の器』と京極夏彦さんの『鉄鼠の檻』は好きです。
ここに挙げた作品はどれも定期的に読み返しています。
とりわけ『こころ』と『砂の器』は、私の本への興味を生むきっかけになった作品で、私にとって特別です。
ヤマザキマリさん
第3回は「ヤマザキマリ」さんでした。
『テルマエ・ロマエ』の作家さんですね。
ヤマザキさんは日本の家兼仕事場でしたっけ、そちらを紹介されていました。
こちらは同じくEテレの『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。』でも紹介されていました。
警戒心の強い猫でしたね。
ヤマザキさんの回でとても驚いたことがあります。
それはヤマザキさんには日本とイタリアとポルトガルに拠点があるそうですけど、その3ヶ所に同じ本を揃えているとのことでした。
3ヶ所のどこにいても同じ情報を得られるというのはメリットがあるのはわかりますけど、それを実行できるかというとなかなかできないなと感じました。
単純に3倍の労力がかかるのですから、お金のこともそうですし、そこまでの熱量はそうそう持てないのではないかと。
個人的にはそれぞれが別のものを置いた方が楽しめそうと思いますが。
おわりに
ということでEテレ『趣味どきっ! 読書の森へ 本の道しるべ』が始まり、視聴した感想を書いた記事でした。