ディスディスブログ

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良い!小説『四畳半神話大系』を購入。アニメ版が好きだった私が、読んだ感想を書きました

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小説『四畳半神話大系(よじょうはんしんわたいけい)』をブックオフで購入し、読み終わりました。

『四畳半神話大系』はアニメ版を放送当時に観ていて、とても好きな作品でした。

アニメ版が好きだった私が小説版を読んだ感想を書いています。

 

目次

 

 

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『四畳半神話大系』を購入

四畳半神話大系』を購入しました。

 

本

四畳半神話大系

 

森見登美彦

TOMIHIKO MORIMI

 

角川文庫

 

画像が『四畳半神話大系』の表紙です。

 

表紙のイラスト内に物語のあれこれが描きこまれているのですね。

 

本

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。

悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!

さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

(解説・佐藤哲也)

 

定価:本体680円(税別)

KADOKAWA

 

裏表紙です。

あらすじが書かれています。

 

本

平成20年3月25日に初版が発行されています。

文庫本の初版が、ということでしょう。

 

オリジナルは「『太田出版』より2005年1月5日に刊行」とのこと。

 

森見登美彦さん

本書の著者は「森見登美彦」さんです。

 

本

京都大学農学部卒ですか。

後述します「私」は、森見さんご自身のペルソナでもあるのでしょうか。

 

 森見登美彦 - Wikipediaも参照なさってください。 

 

tomio.hatenablog.com

 

森見さんは『はてなブログ』でブログを運営していらっしゃるようです。

ブログタイトルは『この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ』ですか。

 

アニメ『四畳半神話大系』

今回紹介している『四畳半神話大系』はアニメ化されている作品です。

私は放送当時にアニメ版を観ています。

なので作品の内容は知っています。

 

yojouhan.noitamina.tv

 

アニメは2010年に『フジテレビ』の「ノイタミナ」枠で放送されていました。

記事を作成している2020年からすると10年前ですか、もうそんなに年月が経っているのですねぇ。

 

アニメは2010年度の「文化庁メディア芸術祭」アニメーション部門で大賞を受賞しています。

当時、テレビアニメ作品が同賞を受賞したのは初めてだったそうです。

 

いや、本当に面白かったのですよ、アニメ版。

再放送をしていただけないでしょうか。

近ごろの新コロナウィルスのあれでアニメ制作も大変でしょうから、フジテレビで過去の名作を再放送するみたいなことがあっても良いと思いますが。

あるいはTOKYO MX辺りが使ってくださると。

私が知らないだけで既にそういう試みがなされているのかもしれません。

 

登場人物

『四畳半神話大系』の登場人物についてです。

 

主人公は「私」です。

大学の農学部に所属している3回生。

下宿の「下鴨幽水荘(しもがもゆうすいそう)」の110号室に住んでいます。

 

京大吉田寮

下鴨幽水荘は京都大学の「吉田寮」がモデルでしょう。

ということは「私」たちは京都大学の学生さんと認識して良いのでしょう。

 

「私」はバラ色のキャンパスライフを夢見ていました。

しかし夢から遠のいている現実を自覚していて、その原因は「小津」にあると考えています。

 

明石さん

ヒロインは「明石さん」です。

「私」たちと同じ大学の工学部建築科に通う2回生。

アニメ版公式webサイトには「理知的でクールな黒髪の乙女」と書かれています。

「もちぐま」を集めています。

それぞれの並行世界で「私」と「成就した恋愛」関係となります。

 

小津

「小津(おづ)」です。

同大学の工学部電気電子工学科の3回生。

そのくせ電気も電子も工学も嫌いです。

偏食家なこともあってか妖怪のような風貌をしています(「私」談)。

 

様々なサークルや組織に顔を出しては何やら悪行をしている様子。

不毛ながらも「私」とは異なりキャンパスライフを楽しんでいます。

「『私』の唾棄すべき友人」。

 

樋口師匠

「樋口師匠」です。

フルネームは「樋口清太郎」だそう。

 

大学8回生、モラトリアムを象徴する存在?

「私」と同じ「下鴨幽水荘」の、「私」の真上の部屋「210号室」に住んでいます。

棲んでいるというか。

「小津」や「明石さん」を弟子として、彼らからの貢物だけで生活をしている様子。

 

メインとなる登場人物は以上の4名となるでしょうか。

 

その他

その他の登場人物です。

映画サークル「みそぎ」の会長でラブドールを愛する「城ヶ崎先輩」、歯科衛生士で「私」と一緒の英会話を学んでいる「羽貫さん」などがいます。

 

感想

小説『四畳半神話大系』を読んだ感想を書きます。

一言で言えば「面白い」です。

正直に申せばアニメ版の方が面白かったです。

 

でもそれはアニメ版を先に観たからでしょう。

初めに見たものを親と認識するアレです。

 

アニメ基準

先ほど書いたとおり、私はアニメ版を先に観ています。

ひな鳥だけでなく人間も初めに見たものを親と感じてしまうものなのか、私にとってはアニメ版が親になっています。

そのため、小説を読んでいてもどうしてもアニメを基準にして捉えてしまいます。

 

アニメと設定が違う、アニメではああいう展開だったのに、アニメのあのシーンはこういう風に文章化されているのかと。

本当は文章を映像化しているのですけど。

 

しかし、そういうアニメ基準で小説を読んでいても、私の頭の中では大きな齟齬を起こさずに最後まですんなりと読むことができました。

アニメ版は忠実に小説を映像化できているのだなと感心しました。

 

アニメ版は1話1話で話が完結しているかのように描かれていたはずです。

しかし、そうしてしまうとアニメの方が話数が多くなり、設定は変わっていったり小説にない設定を加えたりしていくでしょう。

 

  • 1話:四畳半恋ノ邪魔者
  • 2話:四畳半自虐的代理代理戦争
  • 3話:四畳半の甘い生活
  • 4話:八十日間四畳半一周 

 

小説は上記の4話です。

 

  • 1話:テニスサークル「キューピット」 
  • 2話:映画サークル「みそぎ」
  • 3話:サイクリング同好会「ソレイユ」
  • 4話:弟子求ム
  • 5話:ソフトボールサークル「ほんわか」
  • 6話:英会話サークル「ジョイングリッシュ」
  • 7話:サークル「ヒーローショー同好会」
  • 8話:読書サークル「SEA」
  • 9話:秘密機関「福猫飯店」
  • 10話:四畳半主義者
  • 11話:四畳半紀の終わり

 

アニメ版は上記の11話です。

全然異なりますね。

これほどまで違いはあっても、読んでいて違和感はなかったです。

アニメ版の脚本家さんたちが、小説版を咀嚼しきっているからこそなのでしょう。

 

とはいえ、テレビアニメでは途中、3話か4話辺りは若干のダレがあったようには思います。

2時間ほどの長編アニメ映画として作った方が、1クールのテレビアニメより合いそうだと書いていて思いました。

 

ジャンルは「SF」?

本作は、四畳半神話大系 - Wikipediaを拝見するとジャンルが「学園、青春」とあります。

 

本作が学園ものであり青春ものであることは間違いないことです。

個人的にはそれらに加えて「SF」でもあるなぁと受け取っています。

 

SFの定義について私はよくわかっていません。

なので認識や理解に間違いを起こしているかもしれませんけど、あくまでも私が考えているSFの枠の中に入る作品と感じました。

SFと感じている理由は、本作からは「高橋留美子」さんの『うる星やつら』に近い世界観を感じ取れるからでしょうか。

わちゃわちゃしてるいる感じが。

 

サイエンス・フィクション(英語: Science Fiction、略語:SF、Sci-Fi、エスエフ)は、科学的な空想にもとづいたフィクションの総称。メディアによりSF小説、SF漫画、SF映画、SFアニメなどとも分類される。日本では科学小説、空想科学小説とも訳されている(詳細は呼称を参照)。

 

サイエンス・フィクション - Wikipedia

 

サイエンス・フィクションのWikipediaには上記引用部のように書かれています。

本作が科学的な空想に基づいているかというと……違いますか。

 

蛾の存在は?

本作で鍵を握っていると言いますか、象徴的に描かれているのは「」です。

部屋の電灯に1匹いたり、大量に発生した蛾が加茂大橋を通って下鴨幽水荘の方面へ飛んでいく様子が毎回のように起こっています。

常に冷静で物事に動じない「明石さん」が唯一「ぎょええええええ」と漫画のような叫び声をあげてしまう存在でもあります。

 

あの「蛾」は何を意味しているのか、何を喩えているのか。

それを理解することが本作で作者が書きたいことにつながっていくのだと思います。

 

様々な並行世界を歩いている、それぞれの「私」の嫌な部分・受け入れられない部分を象徴的に現したものが「蛾」なのでしょう。

大量に発生している蛾は、それぞれの並行世界での「私」の嫌な部分が一挙に下鴨幽水荘の110号室の四畳半に集っていたはずです。

終盤に「私」が迷い込んだ四畳半の迷宮に。

その四畳半の迷宮の中で最後、自分の嫌な部分も「唾棄すべき小津」もバラ色とはいかない大学生活も、全てを受け止め・受け入れた結果、「私」は迷宮から脱出することができた。

そういう風に私は「蛾」の存在を受け取っています。

 

小津の顔が妖怪のようだと言っていることも同じですね。

小津の、あのビジュアルはあくまでも「私」の主観でしかありません。

「私」がバラ色のキャンパスライフを送れていないのは小津のせいだと他人に転嫁していることから、「私」には小津の容姿が歪んで見えていたのでしょう。

アニメでは小津の顔が妖怪のようだったり人間のようだったり、シーン毎にころころと変わっていました。

あれもそういうこと。

あれは「私」目線で写った小津だからです。

小津のことを親友だと心から認められた「私」にはもう妖怪のようには見えていないでしょう、たぶん。

アニメのラストでは、「私」が妖怪のような顔に変わっていましたっけ。

面白い描写でした。

 

私は理解が間違っていたら申し訳ありません。

あくまでも私の解釈ということで。

 

おわりに

ということで小説『四畳半神話大系』をブックオフで購入して読んだ感想を書いた記事でした。

 

アニメ版はアマゾンプライムビデオで観られるみたいです。

加入していないのでこれを機に加入してみようかしら。

買い物もしばしばすることですし損はないかなと。

 

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