毎月最終週の日曜日18:00よりEテレで放送されている『やまと尼寺 精進日記』、2018年7月29日の放送は「文月 風みずみずしく 半夏生」でした。
目次
Eテレ『やまと尼寺 精進日記』
豊かな季節の恵みを知恵を工夫で極上の精進料理にする、奈良・桜井の尼寺。笑顔あふれる日々を美しい映像で!
Eテレで月イチで放送されている『やまと尼寺 精進日記』の番組説明です。
http://www.ac.auone-net.jp/~otowa/
音羽山観音寺 - 奈良県 桜井市 - 仏教寺院 | Facebook
『やまと尼寺 精進日記』は、奈良県桜井市に居を構える「音羽山観音寺」の住職と副住職、そしてお寺の手伝いをしている方の3人の女性が、毎回様々な精進料理を作っている様子などを映像にした番組です。
料理を作ることを番組のメインに描きつつ、彼女たちの普段の生活の様子も紹介されていて、都会から距離を置いた田舎での暮らしぶりは私の目に新鮮に映ります。
3人が3人とも本当に楽しそうに日々の作業をしていて、笑顔が耐えない様子を観ていると、こちらも釣られて自然と笑顔になってしまう、そんなほのぼのとした雰囲気が特長の番組です。
当番組の放送日時は、2017年度からエコ・ライフスタイル番組『猫のしっぽ カエルの手 京都 大原 ベニシアの手づくり暮らし』と同じになり、月の最終週のみベニシアさんの代わりに『やまと尼寺〜』の放送をするようになりました。
番組の出演者は前述した3人の女性がメインになります。
音羽山観音寺のご住職である「後藤密榮(ごとう・みつえい)」さんと、副住職の「佐々木慈瞳(ささき・じとう)」さん、そして4年ほどお寺のお手伝いをしている「まっちゃん」の3人。
お寺には番犬の「オサム」と「タロー」と「スイカ」、飼い猫の「スージー」と「チロ」と他にも2匹います。
正しくは3人+3頭+4匹ですか。
番組のナレーションは俳優の「柄本佑(えもと・たすく)」さんです。
7月「文月 風みずみずしく 半夏生」
2018年7月29日日曜日の『やまと尼寺 精進日記』の放送は7月編、サブタイトルは「文月 風みずみずしく 半夏生」でした。
7月の尼寺は梅雨の晴れ間です。
いや既に明けていましたか?
尼寺には夏野菜が多く届けられるようになっています。
例えば「ふき(蕗、苳)」、例えば「きゅうり(胡瓜)」 です。
ふきでは「きゃらぶき」なるものを作り、きゅうりは酢の物にしたり、佃煮にしたり、きゅうりチャンプルーにしたり、奈良漬にしたものをおにぎりの具にしたり。
きゅうりを色々な料理に利用していました。
他にはお堂の障子の張替えをしたり、そうめん流しをしたりしていましたね。
文月の由来は、7月7日の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝す風習があるからというのが定説となっている。
(略)
稲の穂が含む月であることから「含み月」「穂含み月」の意であるとする説もある。
7月のWikipediaにはこのように書かれています。
ちょうど1年前にも紹介した気がしますが……私が既に忘れているので再掲です。
詩歌を献じたり書物を夜風に曝したりするから、あるいは稲の穂が含む月だから、文月(ふづき、ふみづき)と呼ばれるようになったと。
梅雨に薪ストーブを焚く!
今回の放送で個人的に気になったことは、梅雨時にもかかわらず尼寺では薪ストーブが焚かれていたことです。
暑っついですよね……。
「暑いけれどね、湿度高いから」
「で、ストーブを焚いて、ちょいとカラッとさせたいのね」
なるほど。
確かに湿気を飛ばすには良い方法かもしれません。
熱中症には気をつけねばならないですが。
ただ室内の湿気を取るためだけにストーブを焚いていませんでした。
ついでに漬け物を干して「干し漬け物」をこしらえていました。
きゅうりの奈良漬、大根などを。
「きゃらぶき」とは?
今回は「きゃらぶき」なる料理を作っていました。
私はこの「きゃらぶき」という料理名を初めて聞きました。
「きゃらぶき」とは、どうやら「ふき」の茎を醬油や酒などで伽羅色(きゃらいろ)に煮詰めた料理のことを指すようです。
「伽羅色」は赤みがかった濃い茶色のことみたいです。
好きな音の響きです、きゃらいろ。
とか言いながら、上の画像を見ると食べたことがあるかも! と思いました。
それをふきとは思わず食べていた感じがあります。
名前は今回が初耳。
「きゃらぶき」の作り方は、「ふき」の茎を3cmほどの長さになるように切って、それをたらいなどに開けて水洗いをし、毛や汚れを落とします。
水を捨てては新鮮な水を入れて洗う、を数回繰り返します。
汚れなどが落ちたらザルに移して塩もみをします。
体重をかけて力いっぱいにもんでいました。
塩もみした「ふき」が柔らかくなったら、水で洗って塩を落としてから、鍋に入れて10分ほど下茹でをします。
下茹でをしたら再び鍋に投入し、お酒やみりん、醤油といった調味料を半分くらいに分けて、炊きながら少しずつ加えていきます。
刻み昆布も調味料を入れる流れて加えていました。
最初は強火で、沸騰したら落し蓋をして弱めの中火でコトコト煮ます。
1時間ほど煮た後、砂糖を加えてさらに1時間煮てから、一晩寝かせます。
一晩寝かせた後、調味料を加えながら最後に1時間ほど炊いて完成です。
この頃になると茎の色が完全に伽羅色に変わっていました。
これで出来上がりです。
いや、結構手間暇がかかりますね……2日かかっているじゃないですか。
どこかの行程で「ふき」の灰汁(あく)を抜いていると思います。
でも『精進日記』ではそういったことは放送されなかったかと。
「きゃらぶき」の詳しい材料や作り方は別番組『やまと尼寺 献立帳』で紹介されるはずです。
火曜日と金曜日のお昼前後、日曜日の『日曜美術館』前に放送されます。
ご覧になってください。
ネットで番組表を確認したところ、記事を書いている2018年7月31日の12:50から「きゃらぶ」が放送されるみたいです。
ということは2018年8月3日金曜日にも放送されるはず。
きゅうり料理あれこれ
きゅうりは、先ほども書いたとおり、酢の物にしたり、佃煮にしたり、きゅうりチャンプルーにしたり、奈良漬にしたものをおにぎりの具にしたりしていましたね。
きゅうりの佃煮は私は家ではまず見ない料理です。
ですけど、どこか「きゅうりのキューちゃん」のようにも見えます。
佃煮は醤油と砂糖で甘辛く煮たもの、きゅうりのキューちゃんは醤油漬け、みたいです。
煮たものと漬けたものですから、同じものではないでしょうけど。
「きゅうりチャンプルー」は、乱切りにしたきゅうりにパプリカ、それとエノキを加えて、フライパンで炒めていました。
使った油は「ごま油」とのこと。
何でエノキを入れたのかと言うと、「そうめんみたいだから?」と作っている副住職の慈瞳さんが言っていました。
「そうめんチャンプルー」風のきゅうりチャンプルー。
嵩増し感もあるでしょうか?
酢の物は、「ヤブカンゾウ」の花も入れていました。
美味しいのですかね?
おわりに
私にとってきゅうりは、特別な愛情がないというか、世になくても全く気にせず生きていけるかなくらいの野菜です。
かっぱ巻きとかきゅうりの入ったサンドイッチが出てきたらガッカリするレベル。
そんな私でも、今回の佃煮とチャンプルーは美味しそうに見えました。
特にチャンプルーは今度料理してみようかなと思いました。
エノキではなくそうめんで。
今回のサブタイトル内にある半夏生、読みは「ハンゲショウ」ですが、これ私は好きな草なんですよねぇ。
緑色の葉の半分ほどが白くなっていく様が涼やかで。