ディスディスブログ

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西新宿西口広場で悪魔デビロが修学旅行。超人の勢力争いや善悪など超越した存在でした - アニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』17話「デビラとデビロ」の感想

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毎週日曜日23:00より、TOKYO MXにてアニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』が放送されています。

 

http://concreterevolutio.com/

 

以下、ネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

2016年5月1日の放送は第17話「デビラとデビロ」でした。2期の4話です。

 

 

イントロダクション

「もうひとつの日本」を舞台にして繰りひろげられる、多彩な超人たちの饗宴――。
「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本が舞台である。

これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の「超人たち」が、もしすべて同時に実在していたとしたら?
登場する「超人」たちは、誕生も特性も、実にさまざまだ。
宇宙から来た巨人、ファンタジー世界の生命体、古代から妖怪とされてきた存在、科学者に改造されたサイボーグ、太古に滅亡した巨大文明の遺産などなど……。
一部の超人は公然と活動して世間から人気を集め、一方で素性を隠しながら密かに戦う超人もいる。そして超人に対抗する敵勢力、組織もまた、それぞれ暗躍を続けている。

日本政府は、秩序確保のために多様な手を打った。
そして設立された組織のひとつが、厚生省の外郭団体「超過人口審議研究所」である。
その通称は「超人課」――「超人」を発見・確保し、保護し、安全に管理するのが任務だ。
超人課に所属するメンバーの一人、人吉爾朗(ひとよしじろう)が、本作の主人公である。 

 

公式Webサイトのイントロダクションから抜粋しました。こちらのイントロダクションは1期のものになります。

 

 

1期13話までの年表

http://concreterevolutio.com/special/?page=chronological

 

1期13話までの年表が公式Webサイトの「SPECIAL」ページ内にありますので、そちらを見ながら本作を視聴するとわかりやすいかもしれません。参考になさってください。

 

 

17話「デビラとデビロ」

17話も16話と同じく本筋と大きく関わっている話ではないかもしれません。17話の舞台は神化47年11月です。北陸トンネルで寝台急行が火災事故を起こし、負傷者700名を超える大惨事となっています。

ニュース見ていた鬼野笑美(きの・えみ)は地底深くにいるとされる、女妖怪デビラに会おうとします。妖怪は地下にも沢山いるので彼らに嫌疑がかかることを心配してのことです。デビラは笑美と同格の地位を持つ妖怪で人間嫌いだそうで、大深度工法(?)というシールド工法によって地底にまで進出しようとしている人間に対して警告を発したのではと笑美は感じています。人吉孫竹が言うには妖怪というより悪魔に近い存在みたいです。

一方、同じ頃にデビラの弟のデビロが新宿西口の地下に現れ、意味深い(?)詩を読み上げると、道行く人々が魅了されていきます。こんな話です。

 

 

17話の脚本は辻真先さん

 

17話の脚本は辻真先さんです。辻さんは1期9話「果てしなき家族の果て」でも脚本を書いています。サナエさん一家の回ですね。不死の超人の話です。17話もそうですけど、非常にスケールの大きな話になっています。上のTwitter内にあるリンクでは対談記事もありますから、気になる方は是非ご覧になってください。

 

 

新宿駅西口広場フォークゲリラ

デビロが現れた新宿駅西口通路での出来事は元ネタというかモデルがあります。1969年に起こった「フォークゲリラ」がそれと思われます。泉谷しげるさんも参加していたんでしたっけ?

 

1969年6月28日…反戦フォークゲリラ事件
フォークゲリラ集会が機動隊と激突し、道路交通法が適用されて排除された。それまでは車路から噴水まで一帯を埋め尽くすほどの人であったが、以降集会は禁止され、名称も一夜にして西口“広場”から西口“通路”(=公道。集会や蝟集などは歩道不法占有とされる)へと変更された。

新宿駅西口地下広場 - Wikipedia

 

実際に、コンレボ17話内でも「新宿西口通路」の看板タイプの標識が映されており、おそらく本来は「広場」だった箇所を上から「通路」と書かれた紙で貼り付けて修正されていたカットがありました。

 

 

デビラとデビロは超人というより神

デビラとデビロは悪魔に近い存在だということでしたが、簡単にいうと「神」ですね。この場合の神は、人間の都合でできた神ではなく超自然的存在という意味です。デビラとデビロはいずれも悪魔=デビルを想起させる名前ですが。

15話の天弓ナイトといい16話の雨戸といい、人間であっても超人に近い、あるいは超人と同レベルの能力を発揮できる者がいるという話でした。17話は超人の枠にあっても神のような大きな力を有する存在もあるという話です。

新宿駅西口通路に現れたデビロは、言葉の力で人を魅了する力を持っています。ごくごく平凡な当たり前のことしか言わないのですが、それでいて人の心を動かします。人吉孫竹(ひとよし・まごたけ)に言わせると「音声誘導による集団催眠だ。ハーメルンの笛吹き男と同じ超人の能力に決まっている」となります。芳村兵馬(よしむら・ひょうま)は「人間の生死をレミングのように扱うことができる、極めて危険な力」と言っていました。レミングとは動物のことですか? この2人の会話は非常にきな臭いです。

さらに「ズマナン」という名の巨大ナマズのような存在がデビロの側にいます。デビラの言いつけで。ズマナンは影でもあり実体でもある、やはり妖怪やそれ以上の、おそらく地震を起こす存在です。「超高圧の地底に棲む超超高密度の超超凝縮生命体だ」とのこと。北陸事故の元凶なのかどうなのか。

今回、赤光(しゃっこう)たち国家公共保安部(公安)の対超人部隊がデビロを逮捕しようとしています。赤光は「既に方針は決定している。地下の妖怪がトンネル事故を起こした。その報復として日本国は地下の空間を新たな開拓地をして返上させる。危険な超人など地下に生きていてたまるか!」 と言っています。国は、北陸トンネル火災事故をデビラたちのせいにすることで、地下世界を支配しようと画策しているようです。国が決定した事柄に対して後から理屈をつけて解決しようとしているの赤光たちです。いかにもお役所な言動でした。

 

 

デビラとデビロは宇宙へ

公安部が逮捕し、それを阻止すべく爾朗や超人課が立ちはだかります。戦闘必至かと思われたところへ姉の「デビラ」が登場します。

デビラは世界中の都市から空の雲へ水を吸い取っていきます。水は雲から宇宙に吹き出され、宇宙を飛んでいたアポロ17号にも被害が及ぶほどです。そのとき弟のデビロのお尻からしっぽが生え、脚も一つになってまるで人魚のような下半身に変化しています。デビラは人魚のようになったデビロを連れて宇宙へ。

どうやらデビロは人間の状態を保っている間に人間の世界を観ておきたかったようです。お化けの風郎太(ふうろうた)は「今日があの子にとっての修学旅行だったってこと?」と言っています。

デビラとデビロは人間によって地下に住めなるなら宇宙に住むことにしました。宇宙に海を作って。そのために世界中から水を吸い上げていたんですね。

 

 

おわりに

デビラたちが優しい悪魔で良かったですね。本気で怒っていたらそれこそ人間(超人)世界は滅ぼされていたのでしょう。ズマナンだけでも大災害が起こっていたでしょうから。人間のことなどあまりに小さな存在すぎて相手にしていないだけな気もします。

EDで超人たちは3つのグループに分けられています。爾郎やライト、グロスオーゲン、ジュダスたちのグループ、星野輝子(ほしの・きっこ)や笑美たち超人課、「帝都広告社」顧問の里見義昭(さとみ・よしあき)と赤光たち公安などの官僚側、この3グループです。公安は超人たちを支配下に置こうとしており、14話の様子から超人課も公安の言い成りになりつつあると思われます。が、今回の超人課は、本来は対抗勢力として対立関係にある爾郎たちと共闘の形を取っていました。孫竹がどう感じているかはわかりませんけど、超人課と爾郎たちは何が何でも対立するという訳でもないみたいです。

そんな地上の人間や超人たちの勢力争いと彼らにとっての正義・悪など、デビラとデビロのスケールから見ればちっぽけすぎますね。

 

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