ディスディスブログ

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中島かずき氏による脚本回!光の森における神・ピリカッピと人間・雨戸の話です - アニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』16話「花咲く町に君の名を呼ぶ」の感想

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毎週日曜日23:00より、TOKYO MXにてアニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』が放送されています。

 

http://concreterevolutio.com/

 

以下、ネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

2016年4月24日の放送は第16話「花咲く町に君の名を呼ぶ」でした。2期の3話です。

 

 

イントロダクション

「もうひとつの日本」を舞台にして繰りひろげられる、多彩な超人たちの饗宴――。
「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本が舞台である。

これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の「超人たち」が、もしすべて同時に実在していたとしたら?
登場する「超人」たちは、誕生も特性も、実にさまざまだ。
宇宙から来た巨人、ファンタジー世界の生命体、古代から妖怪とされてきた存在、科学者に改造されたサイボーグ、太古に滅亡した巨大文明の遺産などなど……。
一部の超人は公然と活動して世間から人気を集め、一方で素性を隠しながら密かに戦う超人もいる。そして超人に対抗する敵勢力、組織もまた、それぞれ暗躍を続けている。

日本政府は、秩序確保のために多様な手を打った。
そして設立された組織のひとつが、厚生省の外郭団体「超過人口審議研究所」である。
その通称は「超人課」――「超人」を発見・確保し、保護し、安全に管理するのが任務だ。
超人課に所属するメンバーの一人、人吉爾朗(ひとよしじろう)が、本作の主人公である。 

 

公式Webサイトのイントロダクションから抜粋しました。こちらのイントロダクションは1期のものになります。

 

 

1期13話までの年表

http://concreterevolutio.com/special/?page=chronological

 

1期13話までの年表が公式Webサイトの「SPECIAL」ページ内にありますので、そちらを見ながら本作を視聴するとわかりやすいかもしれません。参考になさってください。

 

 

16話「花咲く町に君の名を呼ぶ」

第16話は神化47年1月『冬期国際スポーツGP 札幌大会』の直前の話です。スキージャンプの競技に出場予定で、人気絶頂の3人の超人「スリーバードメン」が、謎の黒い雲から電撃を受け、頭頂部から茎が伸び黄色い花を咲かせてしまいました。

3人の名前はバードメン・ガンバ(CV柿原徹也さん)とバードメン・シン(CV内山昂輝さん)とバードメン・コブラ(CV増元拓也さん)です。

電撃を食らったスリーバードメンは普段通り生活することはできるのですが、何分頭の天辺に花が咲いている姿は人気のスリーバードメンには恥ずかしすぎることと、花が曲がってくれないためヘルメットに穴を開けなかればならないこととで、競技どころか「国スポ」の会場となる「光の森シャンツェ」のオープニングセレモニーであるエキシビションへの出場も危ぶまれています。スリーバードメンや競技運営委員から超人課に事件の解決が依頼されています。

スリーバードメンは競技用に身体改造手術されています。人造の超人です。スキージャンプで予備登されているテストジャンパーの「雨戸幸一(CV安元洋貴さん)」は超人手術を拒否しており、スリーバードメンとは確執があります。主にガンバとコブラからの一方的なものですが。しかもスリーバードメンが電撃を食らったその場には雨戸もいたにもかかわらず、彼だけは電撃を喰らいませんでした。そのため雨戸が本件の犯人ではないかと疑われます。

そんな中でも黒雲による電撃の被害は一般人にまで広がって……という話です。

 

 

16話の脚本は中島かずきさん

16話の脚本は「中島かずき」さんが担当したそうです。私は中島さんのことを知りませんでしたが、ネットで調べたところアニメでは『天元突破グレンラガン』のシリーズ構成と脚本、『キルラキル』の原作とシリーズ構成と脚本などを務めていた方のようです。グレンラガンはネットで何度か名作だと聞いたことがあります。私は観たことがありません。キルラキルは観ていました。序盤は楽しめました。

ドラマだと『仮面ライダーW』や『仮面ライダーフォーゼ』、『ふたがしら』の脚本を務めていたみたいですね。他にも多数の作品を手がけていらっしゃいます。

 

 

札幌オリンピックと日の丸飛行隊

『冬期国際スポーツGP 札幌大会』のモデルは『札幌オリンピック』で、「スリーバードメン」のモデルは「日の丸飛行隊」と思われます。

『オリンピック札幌大会』は、1972年(昭和47年)2月3日-2月13日まで日本の北海道は札幌で開催された冬季オリンピックです。日本だけでなく、アジアで開催された初めての冬季オリンピックになります。

コンレボ世界の年号「神化」はリアルの「昭和」に置き換えると、その年代に起こった国内外の出来事や事件・事故、政治情勢がモデルになっていることがわかります。それを見つけるのもコンレボの楽しみ方の一つかもしれません。

「日の丸飛行隊」は、札幌オリンピックの「スキージャンプ競技」70m級において、日本代表の笠谷幸生さん、金野昭次さん、青地清二さんが金・銀・銅メダルを独占したことがきっかけで名付けられた愛称のようです。札幌五輪がきっかけで、札幌五輪までは日の丸飛行隊の愛称はつけられていなかったようですけど、私は生まれていないときのことなので正確なことはよくわかりません。

 

 

スリーバードメンの改造手術

主人公の「人吉爾朗(ひとよし・じろう)」が雨戸の自宅を訪れています。その会話の中でスリーバードメンの人体改造に関することは語られていました。

「国スポに出場できるのは筋肉や神経の強化など生体改造のみ、機械の埋め込みは禁止、超人とはいえ元々の才能が大きくモノを言う。だからしつこく勧められた」

「断り続けたときは国賊呼ばわりされたよ。選手を外されたのは一種の見せしめだな」

雨戸はこのように話しています。スリーバードメンは元人間で政府の要請から改造手術を受けて超人になった人造超人ということになります。雨戸はそれを拒否しているので、才能のある人間のままです。

雨戸が改造を断り続けた理由は、怖かったから、日の丸を背負って飛ぶ覚悟が足らなかったからだと言っています。

超人課の面々が「光の森」にやって来て会話をしている中で、半妖の「鬼野笑美(きの・えみ)」が話していたことには、電撃を受けて頭に花が咲くのは人間だけ、だから私や、魔女の「星野輝子(ほしの・きっこ)」やお化けの「風郎太(ふうろうた)」は咲かなかった。スリーバードメンも超人ではありますが、改造手術を受けた人造超人のため、本体が人間であることに変わりはないから、電撃を受けると頭に花が咲いてしまったようです。

 

 

「光の森シャンツェ」とピリカッピ

爾朗と雨戸の会話は昔の雨戸の写真に変わっています。写真は雨戸が中学生の時のものでした。

今「光の森シャンツェ」がある辺りにはかつて神社がありました。年に一度、新年早々に行う祭りがあって、その祭りは森の中に一つ弓道に使う的を設置し、射手が木々の間に僅かに見える的を射抜けば神は喜び、その年の豊作は約束されるそうです。この土地で長年続いていた祭りで、毎年15歳になる男が一人選ばれ、弓を射る、と。その年は雨戸が代表でした。

「光の森はかつてピリカッピの神の森だった」と雨戸は言います。今回の人体開花現象はそのピリカッピがしたことではないかと雨戸は考えているようです。

光の森にやって来た笑美が神木に触れたことにより「ピリカッピ」に変身しました。笑美が憑依された格好です。その場には爾朗もいて、「光の森シャンツェは神の森を開発して作られた施設だ。神の名はピリカッピ、この北の地にかつて暮らした民族の言葉だ。その意味は美しき種。ピリカッピは大地に種を撒き、花を咲かせ、森を作る」と言っています。

爾朗の説明からも、ピリカッピはアイヌの神様がモデルなのでしょう。カムイですね。実際にピリカッピという名の神がいるかは私にはわかりません。

 

 

ピリカッピと雨戸

ピリカッピとなった笑美は、光の森シャンツェに頭に花を開花させた人間たちを集め、人間たちに生えた花を木に変えて、シャンツェを森にし始めました。超人課の未来人「芳村兵馬(よしむら・ひょうま)」が言うには、ピリカッピは笑美の妖力を使って力を倍化させているそう。

国の威信のために国スポの開催を再優先にしたい超人課の兵馬、超人たちを守ることを何より優先させたい爾朗、そのどちらにも立たずに雨戸はスキージャンプの競技とそれを愛して大会のために努力を重ねてきた選手のために、シャンツェでジャンプをしてピリカッピを鎮めることを選びます。

雨戸が思い出したことには、物語上の今日はかつてのピリカッピの祭りの日だそうです。雨戸は「人間ばかりのためじゃ、神様も寂しいよな」と言っています。

雨戸がジャンプをすることに決めると、ピリカッピは人間たちから生えた木の集団を動かして、真ん中を開けて的のような形に変化させました。ピリカッピはかつて雨戸たちがしていたような、弓矢を射る祭りの行いに見立てています。人間たちの木でできた的の真ん中まで雨戸がスキージャンプを飛ぶことができれば成功のようです。

雨戸のジャンプは成功します。ジャンプの姿勢を途中からV字ジャンプに変えたことで飛距離が伸びたようです。雨戸がジャンプを成功させた様子を見て、喜んだピリカッピは辺りに神の祝福を与え、木になった人間の頭頂から生えていた木を取り除きました。自らも乗っ取っていた笑美から離れています。これによって人間も笑美も正気に戻ることができました。

ピリカッピは人間が森をシャンツェに変えたことを恨んでいるのではなく、人間が自分の存在を忘れてしまったことに対して寂しく感じていたということなのでしょう。

 

 

おわりに

ラストに笑美が「古き捨てられた土地神が私たち妖怪と似た者同士だから妙に波長が合っちゃって。もし今度東京で国スポが行われたら、そのときはどうなるかしら。この土地に眠る古き神は」と言って16話が終わりました。東京にはあの方がいらっしゃいますからね……お名前は恐れ多くて書けません。笑美の最後の台詞は何を言いたかったのでしょうね、というより脚本家さんが何を言いたかったのかが気になりました。台詞からはあまり良い解釈はできそうにないので余計に。

16話は15話と比べると本編のストーリーからは離れた話のようでした。前述したように脚本家が異なるため、本編に大きく絡んだ話にはしづらかったのでしょう。とはいえ、人間が生体改造をして超人になる展開というものは、「怪剣クロード」の長川神(ながかわ・じん)くらいしかこれまで扱われなかったかと思います(忘れているだけかも)ので、今後この設定が本編にどのように絡んでくるのか興味があります。

前回の「天弓ナイト」といい、今回の雨戸といい、超人的な能力を有する人間の話が続いていて、今後の物語の重要なポイントにもなってきそうな予感がします。天弓ナイトはマスクを着けることによって超人的な力を得ていました。といいますか、正義の為・人の為という強い想いがそういう力を発揮させていた、と私は解釈しています。雨戸たちにはスキージャンプ競技のため国のために切磋琢磨を続ける強い想いがありました。ですからそういった前向きな「強い想い」が物語の鍵かなと思っています。

 

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