平日06:45よりEテレにて放送されている子供向け教養番組『にほんごであそぼ』、その中で「うなりやベベン」として活躍されていた浪曲師の国本武春さんが、2015年12月24日に亡くなっていたそうです。
国本さんの訃報は2015年12月24日に報じられていたみたいですけど、私はつい先程知りまして、大変驚き、そのまま記事に認めているところです。
2015年12月24日 脳出血による急性呼吸不全のため東京都内の病院で死去[2]。55歳没。2010年12月、公演中に意識を失って入院。リハビリを経て5カ月後に舞台に復帰したが、2015年12月、脳出血で救急搬送されていた。
Wikipediaにはこのように書かれています。死因は急性呼吸器不全で亡くなったそうです。1960年生まれの55歳……若すぎます。
『にほんごであそぼ』は普段から観ている番組の一つで、本ブログでは島崎藤村の「椰子の実」のことを、FC2ブログでも中原中也の「一つのメルヘン」と「サーカス」に関する記事を書いています。この3作は名作ですから、『にほんごであそぼ』の放送をご覧になった際にはチェックしてみてください。そのときに3作が放送されるかはわかりませんけれども。
昭和の生まれ、うなりの郷出身。三味線を弾きながら自由自在に歌い語り、大きな声でうなります。三味線を弾く手が速すぎて、見えないとの噂も。
前述したように、国本武春さんが『にほんごであそぼ』で出演されるときは、基本的に「うなりやベベン」として登場しています。番組公式Webサイト内「主な出演者・キャラクター」ページには上記引用部のように書かれています。黒地に白抜きのドット総柄の着物(でしたか?)に赤い帯・赤いスカーフ、大きなカツラに赤いハットという、何とも特徴的な出で立ちです。特にその大きなカツラの影響で、3等身ほどのキャラクターに見えるので、可愛らしさすら感じさせます。
蜘蛛の糸
にほんごであそぼ 月の歌 - キッズワールド NHK Eテレ こどもポータル
「にほんごであそぼ」において、うなりやベベンの一番の演奏は、個人的には「蜘蛛の糸」だと思っています。上に貼ったリンクにはうなりやベベンの「蜘蛛の糸」の歌詞や歌の説明があります。気になった方は是非ご覧になってください。
この「蜘蛛の糸」は詞が芥川龍之介、曲がうなりやベベン、演奏が祐天寺浩美さんです。詞はそのまま芥川龍之介の『蜘蛛の糸』です。本作は大正7年(1918年)に発表され、現在は『青空文庫』に収録されています。Webで見られますし、短編ですからすぐに読み終わりますので、こちらも是非どうぞ。
『にほんごであそぼ』版「蜘蛛の糸」は、芥川の詞と、うなりやベベンの歌、祐天寺さんの演奏、そして犍陀多(カンダタ)を演じている「つばさ(小林翼)」くんの演技の全てが「蜘蛛の糸」の世界観を見事に表しているように感じられ、数分間という短い曲の中でよくここまでまとめあげたなぁ、と観るたび聴くたびに感心してしまいます。
カンダタというとドラクエ3
カンダタといえば、私が人生で初めてその名前を知ったのは『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…』です。ドラクエの中で私が最も好きなソフトで、ロールプレイングゲーム (RPG) の中でもベスト3に入ります。
盗賊カンダタはその序盤に登場します。マッチョな体つきでパンツ一丁、マスクとマントが一つになっている物を被って、斧を持っている、見るからに怪しい風体です。エリミネーターやデスストーカーの色違いですが、主人公の父親であるオルテガも同じビジュアルの色違いだったような……オルテガはせめてさまようよろいにして欲しかったですが……。
シャンパーニの塔におけるカンダタとの戦闘は、序盤の山場と言っても良いかもしれません。カンダタは、ロマリアという国の城から、きんのかんむりというアイテムを盗んでシャンパーニの塔へと逃げ込みます。ロマリアの王から依頼を受けた主人公(プレイヤー)たちに戦闘で敗れ、命乞いをして見逃してもらいます。確か、ここではプレイヤーは見逃す選択しかできなかったはずです。
その後、カンダタたちはバハラタの東にある洞窟で人さらいを始め、タニアやタニアの恋人のグプタを捕らえます。ところが、ここでもポルトガの王に黒胡椒を探すように依頼された主人公たちに見つかって倒されてしまいます。
最後は、裏の世界であるアレフガルドのラダトームの町で牢屋に入れられてしまっていました。更生したようで盗賊からは足を洗っています。
ネットを見ると3の他のドラクエ作品にも登場しているみたいですね。
おわりに
「にほんごであそぼ」では、うなりやベベンは生き続けます
話が脱線しましたが、公式Webサイトによると、国本武春さんというかうなりやベベンは、今後も『にほんごであそぼ』に出演するそうです。ですから「蜘蛛の糸」を観られる可能性がありますね。楽しみです。
国本武春さんのご冥福をお祈りします。