2018年4月4日水曜日23:00より、Eテレにて『ふるカフェ系ハルさんの休日』の新シリーズの放送が始まりました。
2018年1月1日に「鹿児島・西郷どんのふるさとへ」という特番が放送されたので、それ以来3ヶ月ぶりのハルさんの放送です。
2018年4月4日放送の2018年度シリーズの第1回は「東京・あきる野~棟りょうが挑んだ擬洋風カフェ」でした。
目次
- ふるカフェ系 ハルさんの休日
- 東京・あきる野編のカフェは「小机邸喫茶室 安居」さん
- 「小机邸喫茶室 安居」の場所と営業時間・定休日
- 「小机邸喫茶室 安居」は擬洋風建築
- 「小机邸喫茶室 安居」のコーヒーとケーキ
- おわりに
ふるカフェ系 ハルさんの休日
今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。
こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。
ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という、俳優の「渡部豪太(わたべ・ごうた)」さんが演じる、本作の主人公「真田ハル(さなだ・はる)」のセリフが入っています。
台詞の通り、ハルさんは古くから営業を続けている純喫茶的な喫茶店ではなく、古民家など古い建物をリフォームしたカフェを対象にしています。ハルさんは一部に熱狂的なファンを持つブロガーで、古カフェを取材する体で番組が進行します。
当番組は、カフェのオーナーさんがご本人で、お客さんも現地の方を起用しているため、渡部さんの他の出演者は演技の素人さんです。基本的に台詞が棒読みですし演技も上手ではありません。渡部さんの演技もほぼ全編に渡って滑っています。
ただこれは渡部さんが滑っているというより、脚本や演出が滑っていると捉えた方が良いでしょう。古カフェ好きかつ演技面が気にならない方であるならば、大いに楽しめる番組になっていると思います。
東京・あきる野編のカフェは「小机邸喫茶室 安居」さん
2018年4月4日放送された『ふるカフェ系 ハルさんの休日』の東京・あきる野編でハルさんが足を運んだカフェは「小机邸喫茶室 安居」さんです。
安居の読みは「あんご」だそうです。
番組内では「築142年 すて“木”な洋館カフェ」と紹介されていました。
安居さんは東京都あきる野市にある白い洋館でした。
しかし、よくよく見てみるとこちらは洋館ではなく「擬洋風建築」で、擬洋風建築は明治時代前期の10年ほどの期間でしか作られていないレア中のレアな建築物だったそうです。
「小机邸喫茶室 安居」の場所と営業時間・定休日
今回ハルさんが訪れたカフェ「小机邸喫茶室 安居」さんのある場所は先ほども書いたように東京都あきる野市です。
Webサイトが見つからなかったです。
上記リンクの『多摩ぐるぐる』さんの記事よると、「安居」さんは個人所有の住宅ということだそうですから、Webサイトなど存在しないのかもしれません。
情報によると住所は「東京都あきる野市三内490」とあります。
最寄り駅は「武蔵五日市駅」です。
五日市線(いつかいちせん)は、東京都昭島市の拝島駅から東京都あきる野市の武蔵五日市駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。
五日市線のWikipediaにはこのように書かれています。
武蔵五日市駅はJR五日市線の終着駅なのですね。
ハルさんは「新宿から電車でおよそ1時間」と言っていました。
Webで地図を見た限りですと、武蔵五日市駅から「東京都道31号青梅あきる野線」、秋川街道を北方向、というと青梅方向でしょうか、そちらへ進んで、「小机」バス停のほど近くにあるようです。
「安居」さんは営業時間が金曜日と土曜日と日曜日と月曜日、そして祝日の11:00-17:30とのこと。
「小机邸喫茶室 安居」は擬洋風建築
ハルさんが今回訪れた「安居」さんの建物は築142年の、擬洋風建築の建物です。
擬洋風建築(ぎようふうけんちく)とは、明治時代初期の日本において、主に近世以来の技術を身につけた大工棟梁によって設計・施工された建築である。西洋建築に由来する形を持ちながら、洋風、和風、時には中国風の要素が混合され、ある種の熱を帯びたような建築群が日本各地に建てられた。明治の開始と共に生まれた擬洋風建築は、明治10年前後にピークを迎え、明治20年以降に消えており、その時期は文明開化と重なっている[1][2]。
擬洋風建築のWikipediaにはこのように書かれています。
明治の開始と共に生まれて、明治10年前後がピーク、明治20年以降には消えていたということですから、やはりレアな建築物ということで間違いないでしょう。
実はハルさんは洋館の古民家カフェは今回が初めてということでしたが、洋館といっても擬洋風でした。
安居さんの建物は、白い4本の円柱があったり、2階に下が菱組天井のバルコニーがあったり縦長のフランス窓があったりして、正面から見ると正に西洋のスタイル、それもコロニアル様式のそれなのです。
「擬洋風建築は、横浜の居留地などに日本の棟梁が訪れたときに、西洋建築と出会いまして、見様見真似で作った洋風建築のことを言うんですよ」
とドラマ内で建築士の方が仰っていました。
コロニアル様式については、番組内に「17〜18世紀の欧米植民地に多く見られる建築様式」とテロップによる説明がありました。
長崎にある「旧グラバー住宅」が有名でございます、と。
グラバー邸にはもう20年近く前になりますが行ったことがあります。
木造建築の擬洋風建築
安居さんに話を戻すと、正面はコロニアル様式、しかしドーリア式の円柱の素材は木材に漆喰が塗られたものであって、木造建築であることがわかります。
また、側面を見ると日本の蔵のように見えるのです。
安居さんの建物は明治8年に建てられた擬洋風建築で、左官職人がデザインしたものだということです。
明治20年ころになると、日本の技術者たちも本格的な洋風建築を建てられる技術を持つので、擬洋風建築は自然と建てられなくなっていくのですね……確かに相当レアな建築物ですね、これは。
安居さんの内部は木造のザ・日本家屋で、左官職人が漆喰で作る蔵に飾られるレリーフ「こて絵」や、蹴込一段一段に繊細な透かし彫りが施さた手の混んだ螺旋階段があり、重厚感が漂います。
奥にあるカフェスペースは比較的新しい内装になっていて、右奥は畳敷きの和室、左奥には暖炉、和洋折衷です。
地元の木材を無駄なく使う
オーナーは代々林業を営んでいて、現オーナーの四代前の方が建てた建物とのこと。
材木の商取引で出向いた銀座の煉瓦街に衝撃を受け、木造建築でそれを模倣したのが安居さんの擬洋風建築となりました。
1987年には東京都の有形文化財に指定されています。
建物を活かそうと、現オーナーが2011年にカフェとしてオープンさせました。
木材は全てオーナーの山で採れた木材を使用しているみたいです。
見た目が悪くて商品にならない木材を使っているから、節があったり斜めに傷が入っている木材ばかりです。
しかし、見た目が良くないだけで木材として悪い訳ではないから、150年近く経った2018年現在でもしっかりと木材としての役割を果たしています。
安居さんの擬洋風建築は、物を無駄にしない、その土地にあるものが一番良いのだと伝えてくれているようです。
「小机邸喫茶室 安居」のコーヒーとケーキ
ハルさんは「zenzai」さんで「コーヒー」と「ケーキ」を頼んでいました。
ベイクドチーズケーキでしょうか。
上記の『多摩ぐるぐる』さんのページを見る限り、コーヒーもケーキも500円のようです。
おわりに
私は建築物を見るのはとても好きですけど、知識は全くないので、擬洋風建築のことも知りませんでした。
面白いですね、擬洋風。
安居さんはカフェへお茶をしに行くというよりも、建築を楽しむついでにお茶がある、そういうタイプのカフェに見えました。
私のような建築を見て楽しめるタイプの人の方がより楽しめそうです。