ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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Eテレ『100分de名著』2018年3月度は「松本清張スペシャル」!「砂の器」の放送が今から楽しみです

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毎週月曜日22:25よりEテレにて放送されている教養番組『100分de名著』、2018年3月度は「松本清張スペシャル」です。

歓喜。

 

 

目次

 

 

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Eテレ『100分de名著』

www.nhk.or.jp

 

一度は読みたいと思いながらも、手に取ることをためらってしまったり、途中で挫折してしまった古今東西の“名著”。
この番組では難解な1冊の名著を、25分×4回、つまり100分で読み解いていきます。

公式Webサイトの「番組について」ページの一部を抜粋しました。

「偉大な先人の教えから、困難な時代を生き延びるためのヒントを探る」番組で、毎月ある名著を取り上げて、その作品や著者を出来る限り掘り下げていきます。

25分番組を月4回放送して100分で収めている番組です。

放送日である月曜日が5回存在する月は5週目にも4週目の内容が再放送されます。

元々再放送は毎週水曜日の05:30からと12:00からの1日2回あるので、月曜日が5回巡ってくる月は再放送だらけです。

 

 

松本清張スペシャル

通常だと、ある作家の作品1つの内容を100分に渡って掘り下げていくシステムの『100分de名著』ですが、2018年3月度は1回毎に同じ作家の代表作1つずつを取り上げていきます。

2018年3月に扱う名著、ではなく作家は「松本清張(まつもと・せいちょう)」です。

 

松本 清張(まつもと せいちょう、1909年(明治42年)12月21日[1] - 1992年(平成4年)8月4日)は、日本の小説家。

- 松本清張 - Wikipedia

松本清張のWikipediaにはこのように書かれています。

言わずもがなですが、松本清張は社会派推理小説の巨匠であり、歴史小説や現代小説を発表するなど幅広い分野で作品を発表した小説家です。

「或る小倉日記伝」では芥川賞を受賞した芥川賞作家でもあります。

 

 

松本清張好き

実は私は松本清張の推理小説が好きです。

というと正確ではないですね、「砂の器」が大好きなんです。

人生で初めて読んだ推理小説が「砂の器」で大きな衝撃を受けました。

面白すぎて。

それ以来様々な推理小説を読んできましたけど、「砂の器」を上回る作品には未だ出会えていません。

といってもそれほど多くの作品を読んだ訳ではないので、これより上の作品を知らないだけ、出会っていないだけの可能性もあります。

 

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画像が私の持っている松本清張作品です。

経年をを感させる使用感……だがそれがいい。

左から「Dの複合」「蒼い描点」「ゼロの焦点」、そして右端にあるのが「砂の器」です。

「点と線」も持っているのですが、母が今読んでいるため撮影時に手元にありませんでした。

 

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こちらが「砂の器」の表紙。カバーは既にどこかへ行ってしまいました。

先ほど私の所有物のように書きましたけど、実は私の母親のものです。

母が持っていたものを私が今持っています。パクリ

この「砂の器」は昭和49年12月15日の208版と書かれていました。約44年前ですか。

 

砂の器 デジタルリマスター版

 

実は松本清張作品は、推理小説の他の作品をほとんど読んだことがありません。

ただ芥川賞を受賞した『或る「小倉日記」伝』だけは図書館で読みました。

 

或る「小倉日記」伝 (新潮文庫―傑作短編集)

 

胸が痛くなる話でしたが、しみじみと人生について考えさせられました。

主人公の彼(名前は忘れました)は、おそらく幸せなのだろう、そうであって欲しいという願望込みで、そう私には受け取れました。

幸せとは受け取れない読者もいらっしゃるかもしれませんけど、どちらに受け取っても間違ってはいないと思います。

松本は解釈を委ねているように感じられますので。

今ふと思ったのですが、この「或る小倉日記伝」はどこか遠藤周作の「彼の生きかた」に通ずる物語に受け取れなくもないですね。

 

彼の生きかた (新潮文庫)

 

 

「砂の器」が一番好き

『100分de名著』の「松本清張スペシャル」は、記事作成時点で第1回で「点と線」の放送が終わったところです。

次回の第2回では私の好きな「砂の器」、第3回では「昭和史発掘」、第4回では「神々の乱心」を扱います。

第3,4回の作品は、私は一度も読んだことがないです。

 

先ほど「砂の器」が推理小説で一番好きだと書いていますけど、「推理」部分を抜かした「小説」の中でも、本作は1,2を争うほど好きな作品です。

といいつ、本作は数回読んだだけですし、最後に読んでから10年以上は経っているので、細かいところは忘れていますけど。

ちなみに小林秀雄の「近代絵画」や夏目漱石の「こゝろ」、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」もかなり好き。

 

『砂の器』(すなのうつわ)は、松本清張の長編推理小説。1960年5月17日から1961年4月20日にかけて『読売新聞』夕刊に連載され(全337回。連載時の挿絵は朝倉摂)、同年7月に光文社(カッパ・ノベルス)から刊行された。後に電子書籍版も発売されている。

- 砂の器 - Wikipedia

砂の器のWikipediaにはこのように書かれています。

先ほどアップした画像が光文社、カッパ・ノベルスの本。

 

「砂の器」の旅情が好き

この「砂の器」の何が好きかというと「旅情」です。

あたかも自分が電車に乗って旅をしているかのような、トリップした感覚を覚えるところがとても好きなのです。

蒲田の場末のトリスバーで聞かれたという「カメダ」のワードをヒントにして、秋田県の「羽後亀田」に向かったり、島根県の「亀嵩」へ向かったり、伊豆の「松崎」でしたっけ、そちらへ向かったり、事件を追って東奔西走する「今西刑事」と一緒に日本中を旅しているような感覚に陥ります。

『100分de〜』の第1回「点と線」でも講師の先生が少し触れていましたが、当時は現代のように簡単に飛行機に乗れたり、鉄道であっても新幹線などでピューッと高速移動したり、そういうことができる時代ではありませんでしたから、刑事が急行で移動するのですね。

特急は既に存在していたのでしょうけど、ほいほい乗ることができないのです。

例えば、前述の「羽後亀田」へ行く際には、上野駅から秋田行の急行「羽黒」に乗るシーンがあります。

 

 すでに、ホームには秋田行急行「羽黒」がはいっていた。

 今西はあたりをそっと見まわした。新聞記者らしい姿は見えなかった。

 それでも、彼は用心してすぐには列車には乗り込まず、ホームに出ている売店に寄って煙草を一つ買った。同僚の吉村の姿は、もちろん見えない。

 第二章カメダから抜粋しました。

このわずかな文章からも「昭和」の時代感が色濃く現れています。

先ほど書いたように、新幹線などではなくて急行に乗ろうとしていること、ホームで煙草を購入している、ということは列車の中で吸う可能性があることがわかります。

そう、今の若い方には信じられないかもしれないですけど、私が幼い頃は電車の座席で煙草を吸うことができました。灰皿が壁に備え付けられていたんですよね。

そういう「時代の匂い」のようなものが感じられ、それが「旅情」となって読み手に伝わってくると私は思っています。

 

ハンセン病と戦争

「砂の器」は「ハンセン病」を扱っています。

これは当時としては相当踏み込んでいるのではないかと思います。

それと「戦争」も本作の大きな鍵になっています。

空襲によって住民の戸籍原本が消失したこと、その隙を突いてある人物が別人に……という。

 

ツッコミどころも

ただ、「砂の器」は全てが完璧な作品でもありません。

記憶が定かでないのであれですが、雑誌のコラムに書かれた「紙吹雪の女」を偶然読んで、そこから事件で犯人が受けた返り血を浴びた衣服へとつなげていく箇所は、思いっきり偶然や勘に頼っているので、強引に感じられます。

終盤の、超音波(低音波でしたっけ?)を使ったあれも、トリックに使うには少々……という気はします。

 

 

おわりに

「点と線」も読んでいるので、第1回の放送も興味深く拝見できました。

「4分間のトリック」は、当時のダイヤに忠実から作られているため、当時現地に見に行けば小説に書かれたシーンと全く同じ状況を体験することができたそうなんですね。

これは確かに現地に行って見に行きたい、面白い仕掛けです。

 

いやぁ、今から第2回「砂の器」の放送を早く観たくて観たくて仕方がないですね。

それまでに本を読み返そうかと思っています。

 

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