ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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Eテレ『100分de名著』のスタニスワフ・レム「ソラリス」が凄く面白そうなSF小説です。本も読みたいし映画も観たいです

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毎週月曜日22:25よりEテレにて放送されている教養番組『100分de名著』、2017年12月度はポーランド人「スタニスワフ・レム」のSF小説「ソラリス」です。

 

 

 

目次

 

 

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Eテレ『100分de名著』 

www.nhk.or.jp

 

一度は読みたいと思いながらも、手に取ることをためらってしまったり、途中で挫折してしまった古今東西の“名著”。
この番組では難解な1冊の名著を、25分×4回、つまり100分で読み解いていきます。

公式Webサイトの「番組について」ページの一部を抜粋しました。

「偉大な先人の教えから、困難な時代を生き延びるためのヒントを探る」番組で、毎月ある名著を取り上げて、その作品や著者を出来る限り掘り下げていきます。25分番組を月4回放送して100分で収めている番組です。

放送日である月曜日が5回存在する月は5週目にも4週目の内容が再放送されます。元々再放送は毎週水曜日の05:30からと12:00からの2回あるので、月曜日が5回ある週は再放送だらけです。

 

 

スタニスワフ・レム「ソラリス」

2017年12月に扱う名著はポーランド人「スタニスワフ・レム」さんのSF小説「ソラリス」です。『100分de名著』内でSFのジャンルが扱われることは初めてとのこと。「宮沢賢治」の「銀河鉄道の夜」のジャンルをSFとするならそうでしょうか。

 

『ソラリスの陽のもとに』(ソラリスのひのもとに、原題:Solaris)は、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムが1961年に発表したSF小説。最初の日本語訳(ロシア語版からの重訳)は、1964年に早川書房『S-Fマガジン』に掲載され、1965年にハヤカワ・SF・シリーズで刊行された。2004年にポーランド語からの直訳が、『ソラリス』の題名で国書刊行会より刊行された。
『惑星ソラリス』として1972年にソ連で、『ソラリス』として2002年にアメリカで、2度映画化された。

- ソラリスの陽のもとに - Wikipedia

ソラリスの陽のもとにのWikipediaにはこのように書かれています。

SF作品の歴代ランキング一位に常時ランクインし、世界30ヶ国以上で翻訳され、二度にわたって映画化もされたという作品だそうです。発表が1961年ということで、本作はSFのクラシック扱いをされるかもしれません。

私は本作を読んだことがないです。映画もないですね。海外の古典SF小説というと「J・P・ホーガン」さんの「星を継ぐもの」なら読んだことがあります。ただこの作品は読むことが非常に困難だった印象で、一度読んだだけでは頭に入ってこなかった記憶があります。

海外の小説を読むときにネックになるのが和訳で、その作品の良さを活かすも殺すも訳者のレベルなり精度なりセンスなりに結構依存しているように思います。私は「星を継ぐもの」の日本語には読みづらさを感じてしまいました。原文を読んでいない(読む能力がない)ので、根本的なところで原文が読みづらいこともあるかもしれないですけど。

そういうことがあったので海外の小説は敬遠しがちです。「ソラリス」は以前、ロシア語からの日本語訳バージョンが出版されていましたが、近年ポーランド後からの日本語訳バージョンが出版されたみたいです。それなら原文の雰囲気がより強く出ているでしょうし、読んでみたくなってきます。

 

 

「ソラリス」の登場人物

惑星ソラリスの探査に赴いた科学者クリス・ケルヴィンは、科学者たちが自殺や鬱病に追い込まれている事実に直面。何が起こっているのか調査に乗り出します。

『100分de名著』のWebページに書かれている小説「ソラリス」の冒頭はこのような感じでした。

主人公が心理学者で科学者でもある「クリス・ケルヴィン」、他にはサイバネティクス研究者「スナウト」、物理学者「サルトリウス」、ケルヴィンの元恋人で過去に自殺した「ハリー」が主な登場人物です。他にも研究員の「ギバリャン」もいましたが、ケルヴィン到着時には既にステーション内で自殺しています。

ケルヴィンは惑星ソラリスの探査ステーションに到着し、スナウトには会いました。スナウトの様子がおかしく、会話がかみ合いません。現実逃避? 研究員「ギバリャン」は既に亡くなっていて、どうやらギバリャンは自殺をしたようです。サルトリウスは自室に引きこもっています。ステーション内で一体何が起こっているのか? という展開でした。

のっけからサスペンス要素があって引き込まれます。第1回の放送はイントロダクションや基本的な設定説明が主でした。

 

 

ハリーは何者か?

第2回の放送ではケルヴィンの前にハリーが現れる様子が扱われていました。ハリーは過去に亡くなっているはずが、どうしてソラリスにいるケルヴィンの前に現れたのでしょうか?

ハリーは亡くなる直前の頃の姿かたちをしているようです。よく見るとハリーが着ている洋服のジップが付いていない(生地を切らないと脱げない)ことがわかります。ケルヴィンはハリーをどうしたかというと、ロケットで大気圏外へと射出する方法を選択するのです。しかし、宇宙へと飛ばしたハリーは再びケルヴィンの前に姿を現します。

過去の探検記録から、ケルヴィンは「ソラリスの海が人間の潜在的な記憶を実体化」していることを知ります。作中ではそれを「お客さん」とか「ファントム」とか言っているようです。そのためハリーのジップのような本人の記憶に残っていなかったり記憶が曖昧だったりする部分は細部まで再現しきれていない。というのが第2回です。

 

 

ソラリスの海はなぜ死者の実体化をするのか?

私は原作未読で放送も半分しか放送されていないので、核心部分に関しては全くわかっていません。核心とは、ソラリスの海はどうしてハリーたちを実体化したのか、という点に集約されそうです。

ケルヴィンの記憶の深層にいたハリーが実体化したことと同じことが、スナウトやサルトリウスやギバリャンにも起こった可能性は極めて高そうです。言い換えると彼ら各人も、ケルヴィンにとっての偽ハリーのような、記憶の深層にある欲望だったり理性だったりの具現化をした存在と対面したはずです。その結果が自殺だったり引きこもりだったり精神崩壊(?)になっているのでしょう。

ソラリスの海は人間とは何か、を知ろうとしているのでしょうか? 姿かたちといった生物的な構造を再現したのが偽ハリーでしょうから。ケルヴィンの前に現れたハリーそっくりの偽ハリーは、元ハリーと同じ存在と言えるのでしょうか? 

ソラリスの海はケルヴィンの深層心理から偽ハリーを作り出したのだとすれば、ソラリスの海は人間の精神的な構造まで知ろうとしているとも受け取れます。心まで。偽ハリーがケルヴィンたちとふれあい成長するとすれば、それは生まれた瞬間こそクローンレベルで同じハリーだったかもしれませんが、精神的なものはもはやハリーと同一ではなくなるでしょう。

ケルヴィンが偽ハリーを元ハリーとは別の存在として認識したとき、彼がどのような反応や行動を示すのかにも興味があります。仮にケルヴィンが偽ハリーを好きになってしまったら……?

そもそもどうしてソラリスの海は人間に対してそのようなことをするのでしょう? 人間を知ってどうしようとしているのでしょうか? 地球人類を滅ぼして自分が地球人になりかわって地球に住もうとしているのでしょうか? 地球を我が物にしたら同じように、何千年か何万年か何億年かわからないですが、異星人が地球を訪れるのを待って、異星人に対してケルヴィンと同じようなことをして、また他の星へと移動していくのでしょうか?

 

 

おわりに

いやぁ面白そうですね。どういう結末になるのか非常に気になります。本文中に書いたように翻訳文に苦手意識がありますので、映画を観たいなと感じています。でも初めに映像を見てイメージを固定したくない思いもあるので……ここはやはり本から入りますか。その後映画で。

 

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