ディスディスブログ

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ジョナサン・マレルは東南アジアの戦争の帰還兵設定。マスターウルティマの思惑が徐々に分かってきました - アニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』第20話「終わりなき戦い」の感想

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毎週日曜日23:00より、TOKYO MXにてアニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』が放送されています。

 

http://concreterevolutio.com/

 

以下、ネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

2016年5月22日の放送は第20話「終わりなき戦い」でした。2期7話です。

 

 

イントロダクション

「もうひとつの日本」を舞台にして繰りひろげられる、多彩な超人たちの饗宴――。
「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本が舞台である。

これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の「超人たち」が、もしすべて同時に実在していたとしたら?
登場する「超人」たちは、誕生も特性も、実にさまざまだ。
宇宙から来た巨人、ファンタジー世界の生命体、古代から妖怪とされてきた存在、科学者に改造されたサイボーグ、太古に滅亡した巨大文明の遺産などなど……。
一部の超人は公然と活動して世間から人気を集め、一方で素性を隠しながら密かに戦う超人もいる。そして超人に対抗する敵勢力、組織もまた、それぞれ暗躍を続けている。

日本政府は、秩序確保のために多様な手を打った。
そして設立された組織のひとつが、厚生省の外郭団体「超過人口審議研究所」である。
その通称は「超人課」――「超人」を発見・確保し、保護し、安全に管理するのが任務だ。
超人課に所属するメンバーの一人、人吉爾朗(ひとよしじろう)が、本作の主人公である。 

 

公式Webサイトのイントロダクションから抜粋しました。こちらのイントロダクションは1期のものになります。

 

 

1期13話までの年表

http://concreterevolutio.com/special/?page=chronological

 

1期13話までの年表が公式Webサイトの「SPECIAL」ページ内にありますので、そちらを見ながら本作を視聴するとわかりやすいかもしれません。参考になさってください。

 

 

第20話「終わりなき戦い」

神化49年7月、米軍横田基地から脱走した兵士のジョナサン・マレル曹長に対する捜索依頼が、米軍カロルコ大佐から超人課に持ちこまれました。ジョナサンは人工的な能力強化を施された上、東南アジアにおける戦争に参加、心を深く傷つけられた超人兵士ということです。

彼らの行いを非人道的とみなした主人公の人吉爾朗(ひとよし・じろう)は、鋼鉄探偵ライト(柴来人、しば・らいと)と協力してジョナサンを米国へと送り返そうとします。一方でマスター・ウルティマからの指令によりカロルコ大佐は爾朗の捕獲を画策します。

 

 

20話の脚本は「虚淵玄」さん

20話の脚本は「虚淵玄(うろぶち・げん)」さんが担当しました。『魔法少女まどか☆マギカ』などで脚本を手がけた方ですよね。私は一応『魔法少女まどか☆マギカ』は本放送時に通して観ました。放送は2011年だったかと思いますが、ネットを中心に大きな話題になっていました。私は若干波に乗り遅れていた気がします。

 

 

20話のモデルは「ベトナム戦争」と『ランボー』

20話は東南アジアにおける米国が参加した戦争が題材として取り扱われています。神化49年、これは年号を昭和と置き換えて考えていただくと、「ベトナム戦争」しか思い浮かびません。「第二次インドシナ戦争」は期間が1960年12月-1975年4月30日とのことですが、宣戦布告がなかったことから開始は諸説あるようです。昭和(神化)49年というと西暦1974年ですから、期間内に収まります。

上にリンクを貼ったコンレボTwitterアカウントのリンク先の「虚淵玄さんと水島監督、會川さんの超人鼎談」を拝読したところ、やはりベトナム戦争を扱っていたことがわかりました。

それと映画『ランボー』もモデルになっているでしょう。『ランボー』はベトナム帰還兵の物語で、コンレボ20話のジョナサン・マレル曹長と設定が似ているように感じられます。また、米国軍カロルコ大佐は『ランボー』などを手がけた米国の映画制作会社「カロルコ・ピクチャーズ (Carolco Pictures, Inc.) 」から名前を取っていると思われます。

 私が気がついていないだけでモデルは他にもあるかもしれません。

 

 

ジョナサン・マレル曹長のモデル

米国軍人ジョナサン・マレル曹長は、前述のとおり後から超人化した人間です。身体のパーツを取り替えたり取り付けたりして自ら改造・強化可能な、戦闘をするために改造された人造超人ということになるでしょうか。米軍は以前、超人を動力とした超人型潜水艦アンタレス号の件もあり、かなりエグいことをしています。

ジョナサン・マレルの名前のうち、ファーストネームのジョナサンは小説『かもめのジョナサン』から取ったものと思われます。

 

デイヴィッド・マレル(David Morrell、1943年4月24日 - )は、アメリカ合衆国のホラー作家、冒険小説家。カナダ、オンタリオ州キッチナー生まれ。(中略)1972年、『一人だけの軍隊』 First Blood で作家デビュー。同作は1982年にシルヴェスター・スタローン主演で映画化(映画化タイトルは『ランボー』)されて大ヒットし、複数の続編が作られている。

ディヴィッド・マレル - Wikipedia

 

ファミリーネームのマレルは「ディヴィッド・マレル」がモデルでしょう。前述したようにランボーがモデルになっていることもあり、また上記引用部分にあるようにマレルが書いた小説『一人だけの軍隊』は映画『ランボー』になっています。

また、ジョナサンたち米国超人兵の腕部や脚部の改造可能な仕様は、米国フィギュア「G.I.ジョー」がモデルになっていると思われます。作中、マレルたち超人兵の部隊名が「J.O.E.」と書かれていましたので、おそらくそうでしょう。J.O.E.は「Jungle Operation Enforcers(ジャングル・オペレーション・エンフォーサーズ)」の略だそう。この仕様はカロルコ大佐も同じです。戦車と合体していました。

こちらもモデルは他にもあるかもしれません。

 

 

ジョナサン・マレルの脱走

マレルたち超人兵は元は人間で、改造に志願しています。超人化することが人類の新たな可能性だと信じていたそう。東南アジア地域に自分たちの掴んだ「自由」をもたらすために現地のジャングルへと赴きました。

しかし、現地の住人たちは米国の考える自由よりも森の闇とともに生きる道を選択します。ある意味当たり前な反応だと思うのですが、マレルは自分たちが絶対的に正しいと信じています。怪物とともに森に潜んだ現地人はマレルたちに襲いかかり、マレルたちも生き残るために応戦、血みどろの争いへと突き進んで行ったようです。

東南アジア地域から出たマレルたちは、「ステイツ」には戻れず日本の横田基地にまとめて収容されてしまいました。人数しの怪物はステイツには戻せない、というのが軍の方針です。このまま基地にいたら壊れた兵器として数されると考えたマレルは、基地から逃げ出しました。

 

 

カロルコ大佐が語る「ステイツ」の思惑

コンレボにおける「ステイツ(米国)」の思惑はカロルコ大佐から、かつての大戦時には旧日本帝国軍「生田研究所」で超人の軍事利用を研究していて、現在超人課のトップである人吉孫竹(ひとよし・まごたけ)に語られています。

彼らは「人より古き者」たちを世界から駆逐して、自分たちのように人間の中から新たに生まれた進化の形である(人造)超人によって、人類を未来へと導こうとしています。ステイツは土着民の文化を完全に封印した栄光によって建てられた、世界で最も新しい国だから、今あるステイツの栄光を全人類に分け与える義務がある、と。

超人課の鬼野笑美(きの・えみ)のような妖怪にとっては最大の敵であると言えます。笑美は「本当の敵」と言っています。カロルコ達ステイツの駆逐対象になっている存在ですから。カロルコから「クトゥルフ(クトゥルー)」に関する発言も少しありました。基本的にはクトゥルフも妖怪も一括りにして、人より前から存在してた者たち、「旧支配者」をまとめて数そうとしているのがステイツです。

 

 

マスターウルティマの目的は爾朗?

それはそれとして、マレルと同伴しているのが爾朗だと知ったマスターウルティマは、爾朗確保をカロルコ大佐に命じています。1人の脱走兵など爾朗の重要性に比べれば取るにならん、タヒ体だけでも構わんから爾朗確保を最優先にせよ、と。爾朗は体に「怪獣」を宿していて、この怪獣こそマスターウルティマの目指しているものです。爾朗に内在する怪獣は、リアルでいう原子力に置き換えて捉えて良いと思います。

 

沖縄超人人工島 来年二月完成

来年7月から始まる沖縄超人博覧会。その開催予定地となる沖縄超人人工島が、来年2月に完成予定だ。代理店である帝都広告の発表によると、人工島の設計者はアメリカ超人のマスター・ウルティマであり、通称「ウルティマ・ポリス」。 第一層は甲板、第二層は全周ガラスの展示空間、大三層はエネルギー機関部からなる三層構造となる予定だという。 「ウルティマ・ポリス」は自在に潜航し、世界のどこの海へも行ける世界初の海上都市で、そのエンジンは石油に頼らない新しいエンジンだという。沖縄超人博覧会の最終日に、そのエンジンシステムが公表される予定である。

 

また20話ラスト、爾朗とライトが会話をしているシーンにて、爾朗が読んでいた新聞記事にかなり重要なことが書かれていました。それが上記引用部分です。これはラスボスが明らかになった気がしますね。

 

 

おわりに

結局マレル曹長はカロルコ大佐に数されました。その後カロルコは爾朗に狙いを定めていましたが、それは超人課の魔法使いである星野輝子(ほしの・きっこ)によって防がれています。孫竹の指示でもあったのでしょう。

マレルは精神を壊して登山者の人間2人を数してしまっていますが、表向きにはマレルの件は立川市内で爆発事件として、他の無関係の妖怪超人を犯人に仕立ててこれを射数。登山者はその妖怪超人に襲われタヒ亡したことになっています。超人課の未来人、芳村兵馬(よしむら・ひょうま)が言うには、米国(マスターウルティマ)と「帝告(帝都広告)」とで話を付けていたようだ、いうことです。この妖怪超人は東南アジアから逃れてきた難民ということにして、マレル曹長は戦タヒを遂げたとされたのでしょう、名誉(?)の帰国を果たしたことになりました。

今回は、會川昇さんの脚本ではないにもかかわらず本筋に突っ込んだ話も出てきていて、物語を理解する上では避けて通れない話になりそうです。今回20話の話はベトナム戦争がモデルと書きましたが、そういう話には当時の世界情勢や米国の政治的な戦略だけでなく、文化的・思想的、もっと言うと宗教的な征服といった、難しいというかややこしい分野が絡んでくることは不可避に感じられ、そういった部分を超人、あるいは今回で言えば日本の妖怪などの人が栄える以前から存在していたであろう者達との争いに置き換えて語られているところが、虚淵脚本にもかかわらず良くも悪くもコンレボらしさが出ていると感じました。

ラスボスは帝都広告の里見なのか、マスターウルティマなのかわかりません。でも2者のどちらかか、両方かに絞られたと私は思っています。戦後、帝告が力を伸ばしている背景にはマスターウルティマの存在があることはこれまでにも感じさせていましたが、今回の話の流れでより明確になったと思います。

 

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