毎週日曜日23:00より、TOKYO MXにてアニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』が放送されています。
以下、ネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。
この後23時のTOKYO MX&KBSを皮切りに第19話放送です!ジャガーのすけの登場にもご期待下さい。 #コンレボ pic.twitter.com/kgbeA3P97v
— コンクリート・レボルティオ~超人幻想~ (@conrevoinfo) 2016年5月15日
2016年5月15日の放送は第19話「推参なり 鐵假面(すいさんなり てっかめん)」でした。2期6話です。
イントロダクション
「もうひとつの日本」を舞台にして繰りひろげられる、多彩な超人たちの饗宴――。
「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本が舞台である。これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の「超人たち」が、もしすべて同時に実在していたとしたら?
登場する「超人」たちは、誕生も特性も、実にさまざまだ。
宇宙から来た巨人、ファンタジー世界の生命体、古代から妖怪とされてきた存在、科学者に改造されたサイボーグ、太古に滅亡した巨大文明の遺産などなど……。
一部の超人は公然と活動して世間から人気を集め、一方で素性を隠しながら密かに戦う超人もいる。そして超人に対抗する敵勢力、組織もまた、それぞれ暗躍を続けている。日本政府は、秩序確保のために多様な手を打った。
そして設立された組織のひとつが、厚生省の外郭団体「超過人口審議研究所」である。
その通称は「超人課」――「超人」を発見・確保し、保護し、安全に管理するのが任務だ。
超人課に所属するメンバーの一人、人吉爾朗(ひとよしじろう)が、本作の主人公である。
公式Webサイトのイントロダクションから抜粋しました。こちらのイントロダクションは1期のものになります。
1期13話までの年表
http://concreterevolutio.com/special/?page=chronological
1期13話までの年表が公式Webサイトの「SPECIAL」ページ内にありますので、そちらを見ながら本作を視聴するとわかりやすいかもしれません。参考になさってください。
第19話「推参なり 鐵假面」
神化48年3月。南極大陸の神化基地付近で、凍結された人体が発見されました。女の子。人体が発見された氷の層は300年以上前のものだそうですが、着ている服は和装。超人課が日本へと移送して、半妖の鬼野笑美(きの・えみ)が見たところでは妖怪の匂いはしないそうです。
これに目をつけたのが帝告こと「帝都広告」の里見です。超人課のある環境庁から氷漬けの少女を買い上げています。狙いは、氷の中で生き続ける超人ということで宣伝効果が期待できる、ということでしたが……。
氷漬けから解かれた少女は「影胡摩(かげこま)」といい、戦後間もなくから総理大臣の職に就いている立花繁の邸宅へ通されました。立花は悪の超人を倒してくれるよう影胡摩に頼み、影胡摩も氷から救ってくれた礼にとそれを引き受けていました。
影胡摩は、戦国時代に化物退治をしたと現代まで語られているお伽話になっている「鐵假面剱士(てっかめんけんし)」そのものでした。影胡摩は立花というか帝告に頼まれた悪の首謀者、人吉爾朗(ひとよし・じろう)を襲いかかっていました。爾朗は本作の主人公です。
輝子は女王候補から外れた?
19話は物語の本編とはあまり関わりがないかもしれません。しかし設定的に覚えておいた方が良いと思われるシーンが幾つか含まれていました。
一つは超人課の未来人、芳村兵馬(よしむら・兵馬)が、爾朗の乗る奇X(きかい)「エクウス」の支援機の飛行機に乗っていたこと。これは初登場だったかと思います。
一つは兵馬が未来人であることが、鋼鉄探偵ライトこと柴来人(しば・らいと)にも知られたことです。爾朗は知っていたんでしたっけ?忘れました。兵馬は今回の鐵假面剱士の影胡摩とも会っているみたいです。
そして、これはとても大事なことと思いますが、ヒロインの魔法使い、星野輝子(ほしの・きっこ)に対して、彼女のお目付け役(?)ウルが「本質を失った星の子はもはや女王候補とはなれまい。お前は人として老いていくだけだ」と言ったことです。
輝子には聞こえないように言っていましたから、本人はそのことを知らないのでしょう。しかし、これはあくまでウルの意見でしかありませんから、本当に輝子が魔界の女王候補となれないかはまだ確定されたものではないと思われます。可能性を残しているような言い回しにも受け取れますので。
鐵假面剱士の目的はデスサタン?
「鐵假面剣士」は戦国時代に化け物退治したお伽話です。影胡摩の回想によれば、滝の近くに建てられていた狛犬に向かって「伝説通り村長の娘として私が身を捧げます。どうかあの怪人たちから村をお守りください」と祈ってから滝に飛び込みました。すると、狛犬が動き出して影胡摩と合体、鐵假面剣士となったようです。
爾朗を倒し損ねた影胡摩はどこかへ向かいました。ジャガー(兵馬)が言うには最近発見された「高松塚古墳」に向かっているようです。正確には高松塚古墳の周辺にある同じような古墳の一つです。そこには「アサヒ」の血があると。竜神アサヒ。
影胡摩は既に古墳に着いており、古墳の壁画に剣で何かを施し壁画を動かし始めています。鐵假面剣士と「竜神アサヒ」が「デスサタン(?)」を復活させようとしている、とジャガーは考えているようです。デスサタンとは安土桃山時代に西日本を支配したという伝説の存在だそう(私には「デスサタン」と聞こえましたが聞き違いかもしれません)。
かつて自分が土地の霊力を借りて封印した宿敵デスサタンを掘り出して、300年ぶりに復活させようとしています。その理由は何か?
鐵假面剱士と竜神アサヒ
そこへジャガーが登場して影胡摩へ語りかけます。先述したようにジャガーは過去へ行き影胡摩と会ったことがあります。影胡摩もジャガーを見つけると「ジャガー之助」と言っていました。ジャガー之助って……。
ジャガーが言うには鐵假面剣士(影胡摩)が甦えらせたいのは、デスサタンではなく「竜神アサヒ」だそうです。
かつて鐵假面剱士と竜神アサヒは戦っていました。戦いは鐵假面剱士が勝利しましたが、竜神アサヒに止めをさせないでいます。アサヒはデスサタンの手下だったものの、ある思いからデスサタンを裏切り追われる身となっています。そんなアサヒと戦う理由はないと、鐵假面剱士は考えています。
ところがアサヒにとっては鐵假面剱士と戦う理由はあります。アサヒは鐵假面剱士と決着を着けるためにデスサタンを裏切りました。これまで民を苦しめてきた自分を鐵假面が救ってしまえば、鐵假面の正義が失われるし、自分を逃せば自分がデスサタンを倒して力を得、鐵假面を倒すことになる、という主張です。
後にデスサタンと対峙したアサヒはデスサタンに捕まってしまいます。アサヒは、自らの右腕を剣で刺すことで流れた自らの血によって、デスサタンを道連れにして封印されようとしました。居合わせた鐵假面剱士に封印を頼んでいます。頼まれた鐵假面剱士は泣きながら封印していました。
影胡摩は竜神アサヒを想っていたようです。アサヒも影胡摩を想っています。お互い敵でありながらも好きになってしまったということですか。
神化48年の影胡摩はアサヒを復活させようとしていません。彼女はかつて悪を滅ぼした先には輝かしい幸せの日々が待っていると思っていたけど実際はそうではなく、大切な人を失っただけで争いは終わっていませんでした。自分のような者が二度と現れないよう、封印の石版1枚残らず破壊しようとしています。
石版の破壊を防いだのは、正義だろうが悪だろうが超人を守ると決めた爾朗でした。影胡摩が突き出した剣をアサヒと同じように右腕で受け止めています。爾朗は言います、「竜神アサヒはここにいるんだろう。悪の超人。でも正義の心に目覚めた。格好良いじゃないか」。石版のことは超人研究をしている人吉孫竹(ひとよし・まごたけ)に任せようと。
鐵假面剱士のモデルは『快傑ライオン丸』?
『快傑ライオン丸』(かいけつライオンまる)は、1972年(昭和47年)4月1日から1973年(昭和48年)4月7日までフジテレビ系で毎週土曜日19:00 - 19:30に全54話が放送された、ピー・プロダクション製作の特撮テレビ番組。
鐵假面剱士のモデルは『快傑ライオン丸』と思われます。19話の舞台は神化48年で、ライオン丸は昭和47-48年に放送されていたようなので時代的にも符合します。影胡摩は狛犬と同化して鐵假面剱士となった描写があって、狛犬は獅子や犬が元になっていると思われます。さらには竜神アサヒはライオン丸のライバルであるタイガージョーと設定が似ているように感じられますので。ただし、コンレボに登場するキャラのモデルは一つとは限りませんから、ライオン丸の他にもモデルはいるのでしょう。
立花繁は吉田茂?
総理大臣の立花繁は、吉田茂、元内閣総理大臣がモデルになっていると思われます。見た目は吉田茂に似ている気がします。また、最後のスキャンダルで失脚という点、立花が人並み外れて人心掌握術に長けている点は田中角栄を想起させます。帝告の里見は最初に満州で立花と会ったと言っていましたから、他の総理大臣もモデルになっている可能性がありそうですね。
立花は影胡摩の弟、影進之進の子孫であることが明らかになっていました。自らも超人であることが世間に知られることとなり失脚したという。その前に、数々のスキャンダルがあったので、直接的な失脚のきっかけは超人であったという報道でしたけれども、その前から杭が出すぎていたことが問題だったようです。
おわりに
影胡摩は、人間衛生アースちゃんにジャガーの懐中時計をセットして時間移動機としし、元いた時間に戻されようとします。影胡摩は正しい超人だからアースちゃんも喜んで手伝うようでした。しかし、影胡摩はかつて自分が世界の果てまで見たいと願ったことを思い出し、旅を続ける言い、これを辞退して旅立っていきました。
19話の話は本編とは直接関係した話ではないかもしれませんけれども、鐵假面剱士と竜神アサヒの話はそれだけで物語として成立しそうなほど面白いものでしたから、スピンオフ作品としてどこかで扱って欲しいです。それくらい19話は独立した話としても面白かったです。
お化けの風郎太(ふうろうた)は今回登場しませんでした。名前だけ何度か登場していましたが。19話時の風郎太は1クール目2話「黒い霧事件」の最中やその直後のタイミングです。鐵假面剱士のことで爾朗だかが言っていた「立花総理が悪党でも、やつを殺せばそれで終わるわけじゃない。風郎太のように泣くだけだ」という台詞は、本意ではないにしても風郎太がタルタロス蟲人を死滅させてしまったことを指しているはずです。