ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

ディスディスブログ

歯磨きのキャッチコピーは「一日三回毎食後」です。鉄郎の借金返済に目的が変わった意味がわかりません - 朝ドラ『とと姉ちゃん』41話の感想

スポンサーリンク

NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が今日2016年5月20日放送の41話で、常子が開発をした「歯磨き」を商売にし始めています。

 

www.nhk.or.jp

 

 

常子の開発した薄荷入り「歯磨き」

昭和11年。ヒロインの小橋常子(高畑充希)は女学校の最終学年5年生となりました。常子は進学をするのではなく、「とと」の代わりとして家族を支えるべく就職をする決意を固めており、自ら商売、それも物販を始めることにしています。

常子は短期的・瞬間的な需要を探すのではなく、欲しい物があっても手に入らずに困っているような人を助けられる商品を作って商売にできたら、と考えているようです。誰の役にも立たずにすぐ忘れられる商品ではない何か、です。

そんな中で、小橋家一家で間借りをしている仕出し屋「森田屋」の大女将である森田まつ(秋野暢子)や、高等女学校の親友である中田綾(阿部純子)の母親が歯槽膿漏で悩んでいることを知り、また街中をリサーチしても歯槽膿漏に悩んでいる女性が多い様子を確認した常子は、「練り歯磨き」を作ろうと決めました。

常子は、帝大生で植物学を学ぶ星野武蔵(坂口健太郎)に練り歯磨きを商売にすることを話し、星野から練り歯磨きのレシピを紙に書いてもらって、早速自作することになりました……が、メモ通り作ったはずの練り歯磨きは森田屋の面々には不評でした。下の妹の美子(根岸姫奈)も練り歯磨きを手伝ってくれていましたけど……。

それでも諦めない常子を見て、自分も練り歯磨き作りを手伝うと名乗り出てくれた上の妹の鞠子(相楽樹)と常子の2人は、作った練り歯磨きには何かが足りないと考えます。改めて星野からもらったメモ紙を見ると、不足している材料があったようでした。星野は字が上手ではないようで、書きなぐった字をかき消しているようにしか見えない文字を何とか解読すると、そこには「薄荷(はっか)」と書かれていました。ここまでが2016年5月19日放送の40話です。

どこかから「薄荷油」を手に入れた常子たち三姉妹は共同で真・練り歯磨きを作りました。それを森田屋の皆に試してもらうと今度は評判で商売にできると、まつさんから太鼓判を押してもらっています。常子は女学校のクラスメイトや常子の担任教師の東堂チヨ(片桐はいり)、常子たちの祖母の家製材問屋「青柳商店」の職人さんたちにも試してもらって、どちらからも大好評だったようです。

 

 

鉄郎のための資金稼ぎへ

三姉妹は開発に成功した歯磨きをどうやって売っていこうかと考えます。悩んでいる三姉妹に語りかけてきたのが叔父の小橋鉄郎(向井理)です。歯磨きは森田屋の仕出し弁当に添えることが最良の策だろうと提案してくれ、それに乗った常子たちは弁当に添えてくれるよう森田屋に頼みます。

しかし、森田屋の大将である宗吉(ピエール瀧)からは断固として反対されてしまいます。宗吉が反対をした理由は弁当の後味が変わってしまうからということ。そこへ鉄郎が現れ、宗吉の弱みをチラつかせて、ようやく宗吉の賛同を得ることができました。

「一日三回毎食後」がキャッチコピー(?)のようで、森田屋全員でこのキャッチコピーを言葉に発しながら歯磨きを販売していくことになりました。

この歯磨きの販売は「鉄郎の借金返済のための資金稼ぎ」に目的が変わっています。というのも、深川に来た際には大金を得ていたはずの鉄郎でしたが、東京で新たな商売を始めようとした矢先に仲間に資金を持ち逃げされて借金だけが残ってしまいました。どういう訳か、その借金を返済するために常子たちが歯磨きを売らねばならなくなっています。

 

 

おわりに

41話の物語の流れはとても良くないと感じました。常子が星野からレシピを教えてもらって事業を始めるのは良いのですが、それなら開発に成功した場合には感謝の言葉と品を手渡すだけでは物足りないです。星野がいなければ常子は歯磨きを作ることさえできなかったのですから。

また、せっかく女学校を卒業してからの自分の人生のため、あるいは妹たちを立派に育て上げるために始めた事業のはずが、単なる鉄郎の借金返済へとその目的が変わってしまっていることは、脚本としては悪手かなと思います。どうして常子たちが鉄郎の借金返済をせねばならないのかがよくわかりません。まるで『まれ』を見ているような、その場しのぎの脚本に感じられます。それと向井理さんの演技は……。

 

dysdis.hatenablog.com