『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年7月14日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「アイス売り場」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時00分から20時00分までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年7月14日の放送でも扱われました。
今回のお題は「アイス売り場」です。
「アイス売り場」は季語ではないでしょう。
アイスクリームは季語だったと思います。
氷菓の傍題でしたっけ。
この回は「IKKO」さんと「伊集院光」さん、「酒井藍」さん、ももいろクローバーZ「高城れに」さんが出演していました。
レギュラー陣では永世名人のフルーツポンチ「村上健志」さんと、名人2段の「皆藤愛子」さん、名人5段のKis-My-Ft2「千賀健永」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの順位戦の結果です。
4位が高城さん(凡人、55点)、3位が酒井さん(才能あり、70点)、2位が伊集院さん(才能あり、71点)、1位がIKKOさん(才能あり、71点)でした。
気になった句
順位戦で個人的に気になった句は1,2位のIKKOさんと伊集院さんです。
具体的には取り上げません。
お二方ともとてもお上手でしたね、特待生レベルにいらっしゃるでしょう。
いずれも71点でしたし。
個人的には伊集院さんの「選ばなかったフレーバー」句の方が好きでした。
3位の酒井さんもよかったです。
星型のピノの句。
こちらも初出場とは思えないほどよい句でした。
近ごろは下手な名人や特待生よりも、平場からよい句が飛び出しています。
名人10段を目指す試験
今回は千賀健永さんと皆藤愛子さんの名人10段を目指す試験がありました。
千賀さんは試験を迎えて「名人5段」、皆藤さんは「名人2段」でした。
皆藤愛子さん
まずは皆藤さんから。
句は、座席の角度を5度傾けてアイスの蓋を剥がしている様子が詠まれていました。
新幹線に乗ったときのことだそう。
季語は「アイス」。
本来はアイスクリームか氷菓でしょう。
結果は「1ランク昇格!」。
これで皆藤さんは名人3段になりました。
一言は「臨場感がよく伝わる!」。
上五「座席五度」、何をするのと思う、すると座席を倒してアイスの蓋、最後に剥がすという動作が出てくる。
「倒し」「剥がす」という動作の展開が丁寧でよい。
アイスはアイスクリームや氷菓を省略した形、ある意味「雑」な言い方、これが下五「剥がす」の少し乱暴な言い方とのバランスが取れている。
指先の感触や蓋の裏についているアイスのイメージが、「剥がす」で出てくる。
例えばアイスの蓋を「氷菓の蓋」としてしまうと、印象が変わってきてしまう。
雑に言ってアイスクリームだとわからせる、そういうやり方もあってよい、とのことでした。
なるほど。
皆藤さんは実力が段位より上にある方と思います。
当然の昇格ですね。
千賀健永さん
次に千賀さん。
句は、放課後に青い氷菓を海に翳したことが詠まれていました。
青い氷菓=ガリガリ君だそう。
青い海に青いガリガリ君をかざす、その行為に純粋さがある。
季語は「七夕」。
結果は「1ランク昇格!」。
一言は「心境がよく伝わる」。
千賀さんの句は、七六四の、独特な韻律です。
この韻律は沈んだ暗い、切ない、憂鬱な調べ。
しかも「翳す(かざ・す)」も暗いイメージを持っている。
千賀さんの説明次第では現状維持や降格もあり得たみたいです。
が、先生は説明を聞いて、昇格と判断なさっています。
正直、この句は私の好みではありません。
千賀さんは物語を作りすぎる傾向があります。
俳句で作者が自由にいじれるところは12音しかないのですから、どうしても作者の作為は入ってしまうものです。
季語を抜かせばだいたい12音ということですね。
ですが、極力その作為を見せないようにするのが、作者の「工夫」になるのではないかと考えます。
千賀さんの句は、透けて見えるどころではなく見えてしまうので、毎回のようにモヤモヤします。
俳句史に残る句集作り
永世名人である村上健志さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
村上さんは50句まで残り28句です。
句は、ディッシャーを持って無敵な気分になっている子が素足であることが詠まれていました。
ディッシャーとはアイスを丸くすくう道具のことですね。
ディッシャーを使いたかったと思っている子が、家で大きいアイスをディッシャーですくうときに、ディッシャーを手に取っただけで無敵になった感じがする。
季語の素足でより夏感や元気さが出るかと思ったそうです。
季語は「素足」。
「裸足、跣(はだし)」の傍題でしょうか。
結果は「ボツ!」。
一言は「店員なの? お客なの?」。
もっと言うと「アイスクリーム売り場なの? おうちなの?」と併せて聞きたいと。
上五から読むとアイスクリーム売り場で子どもがアイスをすくいたい放題にすくっていることを想像したが、下五「素足」まで読みがたどり着いたとき、素足だからやっぱりお家かと思う。
読みが迷ってしまう。
一方で中七にある「無敵」を持ってきたことはさすが永世名人。
表情や心情が無敵の言葉だけで全て伝わってくる。
伝わってくるだけに、素足という言葉はどうも無敵とのバランスが釣り合っていない。
永世名人ならバランスは考えていただきたい。
との鑑賞と評価でした。
添削は素足ではなく「日焼け」。
これは村上さんもわかっていたようですね。
先生が書く前に言い当てていました。
わかっているなら最初から詠みなさいと言われていましたが。
こちらはどうなのでしょうね。
「素足」と言った時点でお店の可能性は相当少なくなると思います。
しかも「無敵」ですからね、ワンパクさが出ていますし、素直に受け取れば「子」は少年少女であって、店員さんは想像しにくいでしょう。
子どもが店のアイスを自由に盛っている場面なんて、見たことも聞いたこともありませんし。
ただ素足より裸足の方が無敵とは相性がよいとは感じますけど。
うがった見方をすれば、添削の「日焼け」でも店員さんの可能性はあるじゃないですか。
海が好きなアイスクリーム屋さん、スポーツをしていらっしゃるアイスクリーム屋さんだっていらっしゃることでしょうから。
少々無理のある添削と理由かなとは思いました。
それにしても、添削する際の「日焼け」だとすぐにわかる村上さんはさすがだなと感心します。
先生は村上さんの実力を認められていることを感じ取れました。
また、村上さんも収録の空気を読んでナルシスト感を出したり不貞腐れたりを「演じている」様子も見て取れました。
これらは、卒業が近い梅沢さんの代わりを村上さんで成立させようとする、番組側や先生の期待を見て取れるやり取りでしたし、村上さんご自身もその自覚があるのだろうと思いました。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年7月14日放送の俳句コーナーのお題「アイス売り場」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。