2018年4月4日水曜日23:00より、Eテレにて『ふるカフェ系ハルさんの休日』の新シリーズの放送が始まりました。
2018年6月13日放送の2018年度シリーズ第11回(再放送を除けば第9回)は「高知県・高知市~どっさり土佐がつまったカフェ」でした。
目次
ふるカフェ系 ハルさんの休日
今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。
こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。
ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という、俳優の「渡部豪太(わたべ・ごうた)」さんが演じる、本作の主人公「真田ハル(さなだ・はる)」のセリフが入っています。
台詞の通り、ハルさんは古くから営業を続けている純喫茶的な喫茶店ではなく、古民家など古い建物をリフォームしたカフェを対象にしています。ハルさんは一部に熱狂的なファンを持つブロガーで、古カフェを取材する体で番組が進行します。
当番組は、カフェのオーナーさんがご本人で、お客さんも現地の方を起用しているため、渡部さんの他の出演者は演技の素人さんです。基本的に台詞が棒読みですし演技も上手ではありません。渡部さんの演技もほぼ全編に渡って滑っています。
ただこれは渡部さんが滑っているというより、脚本や演出が滑っていると捉えた方が良いでしょう。古カフェ好きかつ演技面が気にならない方であるならば、大いに楽しめる番組になっていると思います。
高知県・高知市編のカフェは「土佐水木」さん
http://www.gendaikigyosha.co.jp/tosami.html
2018年6月13日に放送された『ふるカフェ系 ハルさんの休日』の高知県・高知市編で、ハルさんが足を運んだカフェは「土佐水木」さんです。
トサミズキという名の木がありますよね、確か。
番組内では「築160年!どっさり土佐が詰まったカフェ」と紹介されていました。
今回のカフェは土佐藩の重職にあった人に縁のある建物でした。
「土佐水木」の場所と営業時間・定休日
今回ハルさんが訪れたカフェ「土佐水木」さんのある場所は高知県高知市です。
土佐水木さんのWebサイトによると、住所は「高知市槙山町10-24」とあります。
劇中でハルさんが降りていた駅は「高知駅」でした。
しかしWebで地図を見た限りでは、JR四国「土讃線」の「朝倉駅」が最も近いようです。
道順は「土佐道路から高知学芸高校のグラウンド沿いに路地を入って50m」とWebサイトに書かれています。
営業時間は11:00-17:00とのこと、定休日はないでしょうか?
テーブル席・カウンター席・掘り炬燵席など80席を御用意。
個室は4名、8名、10名の3部屋ありますのでお早目の御予約をお勧めします。
とのことです。
放送後のお昼前後は特に混雑が予想されますので、来店前にお店と連絡を取っておくと良いかもしれないですね。
「土佐水木」は土佐建築
ハルさんが今回訪れた「土佐水木」さんの建物は広い敷地に建てられた大きな古民家でした。
外観で最も特徴的なものは、蔵の壁につけられた「水切り瓦(みずきりがわら)」です。
台風や年間降水量の多い高知の土地で独自に発展した、雨風から建物を守るための瓦のことで、建物の保護用としてだけでなく家の富を表す装飾の意味合いもあるそうです。
「なまこ壁」を軒に使っているような。
水切り瓦には、さらに「見切り」「フクリン」「胴」「口」「目」「裏目」「裏フクリン」「水切台」という細かい名称に分けられている、と。
また、外壁が黄ばんでいて、これは土佐独自の「土佐漆喰(とさ・しっくい)」で塗られているものでした。
何でも、漆喰は壁の上塗り材で一般的に糊を混ぜていますけど、この「土佐漆喰」は糊を使わず、「わらすさ」と呼ばれる細かい藁を土に混ぜて発酵させると生まれる粘着力を使って固めているようです。
土佐漆喰は水が染み込みにくいため、降水量の多い土佐に合っていたと。
黄ばんでいるのは年月が経ち、藁や土の色が表面に出てきたもので、土佐漆喰を使っている証拠にもなります。
他、蔵の軒下の木材に飾り模様が施されていました。珍しい。
これは母屋の内部から見たことに庭が箱庭のように見えるよう設計されているみたいです。
洒落ています。
内部は、入り口から入ると「パン」を売っている店舗スペースがあり、カフェの飲食は内部からまた別の扉(母屋でしたっけ)から入るようになっていました。
母屋へ向かう途中にも、敷地内に塀が設けられていて特徴的でした。
カフェ内部はとても広く、襖や障子は取り払われていて開放感があります。
床は畳が敷かれているのではなく椅子とテーブルのスタイルでした。
座敷もありましたが畳はほぼなかったと思います。
それぞれの部屋の欄間には梅の木や何か草花でしょうか、どれも細かく立体的な装飾が施されていて芸術的、いかにもお金がかかっていそうです。
欄間には一つ、馬の装飾が施されているものもあり、それが土佐水木さんの建物の由来を示すものとなっていました。
何でも、この建物は江戸時代を通じて土佐藩の藩主が乗る馬を守る=身辺警護をする重職「馬廻役(うままわりやく)」を務めていた岡林家の屋敷だったそうです。
だから馬で、幕末にこの家を建てるにあたり馬廻役をしてきた誇りから、床の間に馬の欄間を作って来客をもてなした、と。
現カフェの経営会社の社長さん、彼が古い建物を大切にしようという想いから、地元に残った建物を飲食店にしていて、土佐水木さんもそのうちの一店舗です。
岡林家の建物も住み手がいなくなったと知り、リノベーションをしてカフェとしてオープンさせたとのことでした。
「土佐水木」のモーニング
ハルさんは「土佐水木」さんで「モーニング」を頼んでいました。
モーニングというと愛知県名古屋など中部地方のカフェの特長に思っていましたが、高知にある土佐水木さんでも同様のサービスを展開していらっしゃるみたいです。
高知ではこのお店が初とか仰っていたかと思います。
オーナーさんのお祖父さまが始めたのでしたっけ?
土佐水木さんの経営会社のブログに『ハルさんの休日』のことを扱った記事がありました。
ブログではスペシャル膳のことが書かれていますね……あれ。
ハルさんが頼んでいたのは先ほども書いたようにモーニングです。
コーヒーとトースト3種、サラダ、グラタン、ゆで卵、デザート、ジュースと、モーニングとしては少々多すぎではないかと思うくらい品種が多かったです。
これは、お店がお昼でもモーニングサービスをしていらっしゃるみたいで、ランチとして求めている方が多いからということも、おもてなしの心ということもあるのでしょう。
ただ、出された料理を単体で見て、それぞれが魅力的かというと……疑問符がつきます。
おわりに
他には、高知の「フラフ」のことが紹介されていました。
端午の節句で空に旗を揚げる高知独特の風習で、近年は端午の節句だけでなく様々な祝い事にも用いられるそうです。
フラフとはオランダ語から来ている言葉みたいですね、旗の意味、英語でいうフラッグ (Flag) でしょうか。
諸説あるそうですが、フラフの風習は江戸末期にオランダから持ち込まれたもので、端午の節句には町中を彩り豊かなフラフが揚げられて、その大きさや派手さを競ってきたのだそう。
カフェについては、私は個性というか個人オーナーの趣味が爆発するような、そういうカフェが好みなので、今回は望むタイプの店ではなかったです。
プロの手による洗練された雰囲気が出ていましたね。
個人的にはカフェにそういった洗練さや小綺麗さを求めていないので……でした。
良い悪いではなく、私とは少し趣味が合わないかなという意味です。