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キノが逆シャアのアムロばりに「エゴだよ」と言った理由は何でしょう? - アニメ『キノの旅』10話の感想

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毎週土曜日(金曜深夜)00:30より、TOKYO MXにてアニメ『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』が放送されています。

2017年12月9日の放送は第10話「優しい国」でした。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目次 

 

 

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アニメ『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

www.kinonotabi-anime.com

 

2017年12月9日の放送は第10話「優しい国」でした。辛い話です。

 

 

10話「優しい国」

10話は主人公(ヒロイン?)「キノ」とモトラドの「エルメス」が旅をしています。

キノたちは「旅人の評判が悪い国」へと向かいました。

 

その国は山に囲まれている自然に恵まれた場所にあります。旅人の評判はすこぶる悪く、評判の悪さに逆に興味を持ったキノは国を訪れました。ところが、キノが入国するとその国の住民はキノたちを大歓迎してくれ、画像にあるような少女「さくら」が案内人に立候補して、国の中を色々と案内してくれます。

キノはエルメスを修理してもらったり、44口径でしょうか銃を預けて整備士(パースエイダー・スミスと言っていましたか)にメンテナンスしてもらったり、逆に銃をもらったり、その国の劇を観覧したり、さくらから綺麗な夕陽が見られる場所に連れて行ってもらったりと、花嫁の投げた種をキノが見つけてさくらにプレゼントしたり、とても充足した3日間を過ごします。

 

3日が経って出国の日になると、キノは滞在の延長を申し出ます。3日しか留まらないことをマイルールしているキノとしては極めて珍しい行動です。それだけこの国に居心地の良さを感じていたのでしょう。

しかし国はキノの滞在期間延長を認めませんでした。3日間の滞在と入国時に申請したのは自分なのだから仕方ないと、キノたちは受け入れ出国します。住人も笑顔でキノたちを送り出しました。とても良い国で、噂にあった「評判の悪い国」とは何だったのかとなるほどです。

出国したのは夕刻、すぐに夜になりました。野営をしたキノたちが異変を感じて警戒すると、さくらたちの国を囲む山が噴火を起こして火砕流が発生、国を飲み込んでいきました……。キノにはどうすることもできませんでした。

 

 

さくらの親からの手紙

火砕流が収まった後、キノはさくらの親からもらった手紙を読みます。実は国の住人たちは、子どもを除いて皆近々火山が噴火することに気がついていました。逃げる時間もあったようですけど、住人たちは自分たちの生まれ故郷を離れずに国と一緒に滅びる決断を下したのです。

旅人のキノにはわかりにくい感覚なのかもしれませんが、船の国のように他の土地での暮らし方生き方を知らないことも大きかったのでしょう。

実は火山が噴火することが分かるまで、国は旅人に対して不遜な態度を取っていたようです。噂通りに。でも自分たちが滅びるとわかったときから、国の人たちは旅人に優しく接することにしました。それは滅びてから人々に国のことを語られる時に、良いものを語り継いでもらいたい、という想いからでした。

 

 

キノが「エゴだよ」と言った理由は何か?

「さくら」たち子どもは火山のことを知りません。さくらの両親は当初さくらをキノに預けるつもりでいたようでした。しかし、さくらは両親に跡を継いで国で一番の案内人になりたいと話していたことから、キノに預けることを諦めて一緒に死ぬ決心をしたのです。

さくらが両親に話していたことは火山の事情を知らないからかもしれず、知っていたら同じように話していたかと考えると、親の身勝手な判断かもしれません。

キノは手紙を読んだ後、「さくらちゃんが無理矢理にでもお預けされなくて助かったと、ホッとしている。エゴだよ、これはエゴだ……」とエルメスに言っていました。エルメスは「そうだね。でももうどうしようもない。どのみち2人乗りで旅は無理さ」と答えます。

実はその後にもう1枚の手紙をキノは見つけます。読んでみるとその手紙は「さくら」からのもので、キノからもらった種も一緒に入っていました。「私が持っていても仕方がありません。あなたのです。お気をつけて。私たちのことを忘れないで」と書かれていました。おそらくですけど、さくらは火山のこと、自分が死ぬことを知っていて残る選択をしたのですね。種を返したことはそういう意味と思います。

先程書いた、『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』で「アムロ・レイ」が「シャア・アズナブル」に言ったセリフ「エゴだよ、それは!」に通ずるキノの「エゴだよ、これはエゴだ」の理由や意味は何でしょうか?

この「エゴだよ」は三通りに受け取れます。一つは、両親が自分にさくらを押し付けようとしたこと、もう一つは、両親が自分たちが死ぬことを知っていても尚さくらを道連れにしたこと、最後の一つは、キノが言っていた通りに両親からさくらを押し付けられても自分は断ったであろうこと、ですね。素直に考えれば三つ目が正解かなと思います。

先述したように、さくらは自分たちの運命を知っていた感があります。例え彼女が知らなくても両親は同じ選択をしたかもしれません。両親はさくらが事情を知らないと思っていることが手紙の文面から伝わってきますので、その上でさくらに事情を説明することなく国に止めようとしたのですから、やはりそれは親のエゴだったとも受け取れます。

私の読解が足りていなかったら申し訳ありません。

 

 

おわりに

やるせない気持ちになりましたね……。しかしエルメスが言っていたように、キノが気に病む必要はないのでしょう。さくらを含めた国のほとんどの人が自分で選択した結果なのですから。事情を知らずにさくらを預けられることを断ったとしても、それはキノのエゴではないと思いますし。知っていても……ねぇ。

それと銃をメンテナンスしてくれた整備士の初老(?)の男性はキノの「師匠」のことを知っているようでした。このことは後のエピソードに繋がりそうなので心に留めておいた方が良いかなと思います。整備士からもらった銃を含めて。

10話「優しい国」は原作2巻に収録されているようです。

 

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