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伊能栞が藤吉と取っ組み合いの大喧嘩!でも次のシーンでは肩を組んでいて展開が早すぎます - 朝ドラ『わろてんか』39話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2017年11月15日放送の39話は「風鳥亭」開業早々ピンチです。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

目次

 

 

『わろてんか』第7週「風鳥亭、羽ばたく」

www.nhk.or.jp

 

2017年11月13日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第7週「風鳥亭、羽ばたく」の放送が始まっています。

『わろてんか』の時代設定は幼少期が明治35年(1902年)でしたから、第6週現在はそれから10年後、明治45年ほどでしょうか。

本作のヒロイン「藤岡てん(ふじおか・てん、演:葵わかな)」は17歳です。「てん」は幼少期に京都の「薬祭り」で出会った大阪の旅芸人一座の芸人「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」と、藤吉の実家のある大阪は船場(せんば)の老舗米問屋「北村屋」へと駆け落ちしました。

しかし、「てん」は藤吉の母で店を切り盛りしている「ごりょんさん(御寮人さん)」こと「北村啄子(きたむら・つえこ、演:鈴木京香)」から嫁とは認めてもらえず、女中として北村屋で働くことになりました。

ライベル店に番頭を引き抜かれて店の経営が傾きかけたところへ、藤吉が多額の借金をこさえたことが決定打となり、北村屋は店を畳むことになります。藤吉と「てん」と「御寮人さん」の3人は藤吉の芸人仲間「キース(演:大野拓朗)」だったか「万丈目吉蔵(まんじょうめ・きちぞう、演:藤井隆)」だったか忘れましたが、彼らから売れない芸人が暮らす貧乏長屋を紹介され、そこに住まうことにしました。

藤吉は「てん」からの勧めで寄席小屋の経営に乗り出し、大阪・天神にある閉店している寄席小屋を見つけ、主の「亀井庄助(かめい・しょうすけ、演:内場勝則)」を説得して何とか譲り受けることになりました。

手に入れたと思われた寄席小屋は、元僧侶の太夫元「寺ギン(てら・ぎん、演:兵動大樹)」に横取りされそうでしたけど、儀兵衛から500円を借りて、寄席小屋を買い取る形で解決しています。

 

 

伝統派とオチャラケ派

「風鳥亭」は客足が遠のいていて開店早々ピンチを迎えています。藤吉は客の目を引く落語家に出演してもらおうと各所に交渉に当たろうとしているようです。

しかし高名な噺家は出演してくれないだろうと、万丈目吉蔵やアサリは言います。吉蔵が言うには有名な噺家が「風鳥亭」のような端席に出演すると噺家としての格が下がってしまうからだそうです。

また、キースは、大阪では演芸の世界を真っ二つに割る戦争が起きていると言います。当代随一の噺家「きらく亭ぶんちょう(漢字不明。文鳥?)」を筆頭に落語の伝統を守る「伝統派」が150人と、面白かったら何でもありの「オチャラケ派」80人があって、どっちが上か下かで喧嘩をしているのだそうです。

藤吉はまず伝統派の噺家に出演交渉にあたりましたが相手にされず、今度はオチャラケ派の太夫元「寺ギン(てら・ぎん、演:兵動大樹)」に交渉しますが、「風鳥亭」を購入する際の因縁もあってか、こちらにも断れてしまいます。寺ギンは伝統派が駄目ならオチャラケ派に、という藤吉の考えを見抜き、そんなところも気に食わないみたいです。そりゃそうですよね、派閥があって争っているのですから。

 

 

藤吉vs.伊能

前回38話で「風鳥亭」に客として訪れた「伊能栞(いのう・しおり、演:高橋一生)」が再び現れ、籐吉を誘って2人で飲み始めました。

栞はどうして落語家にこだわるのかと聞くと、藤吉は落語は芸の頂点だから、噺家の出ない寄席なんて寄席じゃないからだ、出演する噺家の格で店の格も決まる、色物は良い噺家が出る寄席に出るのを夢見て頑張る、そういうものなのだと答えます。

キースたちは色物、彼らのためにも良い噺家さんに出演してもらう必要があるのだというと、栞は藤吉の考えはくだらないものだ、一番大事なのは寄席のためでも芸人のためでもなく客のためではないのかと言うのです。客にとっては藤吉の夢や芸人の夢などどうでもよく、ただ笑えさえすれば良いのだと。

たくさんの人を笑顔にしたいのなら、まず客が面白いと思う芸人に出演してもらうべきじゃないか? と落語がどうのこうのと藤吉は言うが、こだわるところはそこじゃないと言うのですね。

落語が好きだ落語は面白い。芸のことを知らない栞にとやかく言われる筋合いはないと栞の胸ぐらをつかみながら怒ります。正論で痛いところを突かれたのですね。栞もお酒が入っていますから、彼も藤吉の胸ぐらをつかみ、そんな甘い考えで「てん」を幸せにできると思っているのかとやり返します。

その後は取っ組み合いの喧嘩です……が、家に帰る頃には藤吉も栞も仲が良くなっていて、肩を組んで歩いていました。この日は藤吉たちの住む芸人長屋で泊まることに。

 

 

栞の夢

栞は伊能製薬を経営者伊能家の次男です。薬の貿易会社を任されている実業家でもあります。しかし、彼には夢があって「自分で活動写真を作ること」だそうです。要するに映画ですね。栞は本業を他人に任せていて、親からは勘当同然の状態とも言っていました。

夜中、栞は寝床から起きてきて夜なべをしている「てん」と2人で話を始めました。そこで栞は自分は父親の東京にいる妾の子で、中学の頃に大阪に引き取られたと言います。自分は長男が後を継げなくなったときの保険として大阪に呼ばれたそうです。

現在母親がどこにいるかわからないと言います。母親が活動写真を好きで自分も一緒に観に行き、そのときに自分も活動写真を作りたい、自分で作った活動写真で日本中を勘当させたいと思ったことが夢の始まりだということでした。

 

 

おわりに

最後、栞は夜中にもかかわらず北村の家を後にしました。別れ際、見送る「てん」に対して、藤吉に「ぶんちょう(文鳥?)」師匠を訪れるようにとアドバイスをしていました。伝統派の旗手ですね。おそらく栞が話をつけてくれているのでしょう。

今回の目玉は、藤吉と栞は生涯を通しての友人となるそのきっかけが描かれたことでしょう。物語において非常に重要なシーンになりそうですけど、それを1話分の一部分に収めるような安易な描き方をしてて大丈夫なのでしょうか? 1話丸々使って良いレベルに感じられます。

殴り合いの喧嘩をした結果として仲が良くなるというのは物語のあるあるですけど、喧嘩から仲が良くなる過程をもっと丁寧に詳しく描かないと視聴者には伝わりにくいように思います。過程を丁寧に描かないどころか端折っていましたからね。

それにやはり藤吉は無能な人としか描かれていないです。今回の、伝統派が駄目ならオチャラケ派に、というのは頂けないです。どちらに対しても失礼ですから。そういう派閥の垣根を乗り越え、大阪だけでなく日本全国という大きな視野を持っていこう、のような流れにしたいのでしょうけど、現状では藤吉は大阪でも上手くいっていないのですから、それぞれの立場に配慮した立ち振舞はしないといけないのではないかなと思います。