毎週水曜日23:00-23:30にEテレで放送されている『ふるカフェ系 ハルさんの休日』、2017年4月5日から新シリーズが始まりました。2017年9月20日の放送は「山梨・富士吉田編」です。
目次
- 目次
- ふるカフェ系 ハルさんの休日
- 山梨・富士吉田編のお店は「fugaku x hitsuki」さん
- 「fugaku x hitsuki」の場所と営業時間・定休日
- 「fugaku x hitsuki」は御師の家
- 「fugaku x hitsuki」の米粉を使った「デザート盛り合わせ」
- 吉田のうどん
- おわりに
ふるカフェ系 ハルさんの休日
今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。
こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。
ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という、俳優の「渡部豪太(わたべ・ごうた)」さんが演じる、本作の主人公「真田ハル(さなだ・はる)」のセリフが入っています。
台詞の通り、ハルさんは古くから営業を続けている純喫茶的な喫茶店ではなく、古民家など古い建物をリフォームしたカフェを対象にしています。ハルさんは一部に熱狂的なファンを持つブロガーで、古カフェを取材する体で番組が進行します。
当番組は、カフェのオーナーさんがご本人で、お客さんも現地の方を起用しているため、渡部さんの他の出演者は演技の素人さんです。基本的に台詞が棒読みですし演技も上手ではありません。渡部さんの演技もほぼ全編に渡って滑っています。
ただこれは渡部さんが滑っているというより、脚本や演出が滑っていると捉えた方が良いでしょう。古カフェ好きかつ演技面が気にならない方であるならば、大いに楽しめる番組になっていると思います。
山梨・富士吉田編のお店は「fugaku x hitsuki」さん
御師のいえ《大鴈丸》fugaku wood works x hitsuki guesthouse & cafe - ページ情報 | Facebook
2017年9月20日放送された『ふるカフェ系 ハルさんの休日』の「山梨・富士吉田編」で、舞台となった古カフェは「fugaku x hitsuki」さんです。Instagramページなどでは「御師のいえ《大鴈丸》fugaku wood works x hitsuki guesthouse & cafe」と書かれていたましたから、こちらが正式名称かもしれません。
番組内では「奥にたたずむ神ってるカフェ」と紹介されていました。微妙に古いフレーズがハルさんらしいです。
今回ハルさんは富士山の玄関口、山梨県富士吉田市へやって来ました。富士吉田の「神ってるカフェ」へと向かい、提灯の先、細くて長い道の奥に行くと、玄関が2つある建物に着きました。
「fugaku x hitsuki」の場所と営業時間・定休日
今回ハルさんが訪れたカフェ「fugaku x hitsuki」さんのある場所は、山梨県富士吉田市にあります。Webサイトによると住所は「山梨県富士吉田市上吉田7-12-16」です。
最寄り駅は、地図を見る限り「富士急行線」の「富士山駅」です。かつて富士吉田駅だったところが改称されたみたいですね。
Webの地図を見る限り、お店は富士山駅からは南西方向にあります。駅から国道137号線に出て、南下、つまり富士山の方向へと向かいます。137号線は地元では「本町通り」というのでしょうか、そこを歩いていくと突き当りに「上宿」という交差点(丁字路)がありますが、そこまで行かず少し手前、左手に「北口御師 大鴈丸」という看板があるそうなので、そこの路地を入っていくとその先にお店があります。駅からは徒歩15分ほど。
「fugaku x hitsuki」さんはゲストハウスをしていらっしゃるので、カフェのみの営業時間は調べてもわかりませんでした。ゲストハウスはチェックインが15:00-22:00で、チェックアウトが08:00-10:00と書かれています。定休日は火・水曜日のようです。ゲストハウスはドミトリーと個室が両方あるとのことです。
放送直後は来店客が多くなるでしょうから注意をしたいところです。特に混雑が予想される土曜日や日曜日のお昼前後に来店する場合は、事前にお店と連絡を取ることを考えた方が良いかもしれません。
「fugaku x hitsuki」は御師の家
ハルさんが今回訪れた「fugaku x hitsuki」さんの建物は450年続く「御師(おし)」のご家庭が使っていた建物です。現在のオーナーさんが御師の18代目当主に数えられ、御師の仕事は先々代に廃業したそうですが、現在は古い建物をリノベーションしてカフェとゲストハウスを経営しています。ご主人は木工職人でもあります。
御師(おし/おんし)とは、特定の寺社に所属して、その社寺へ参詣者を案内し、参拝・宿泊などの世話をする者のことである。特に伊勢神宮のものは「おんし」と読んだ。御師は街道沿いに集住し、御師町を形成する。
(略)
本来は「御祈祷師」を略したもので、平安時代のころから神社に所属する社僧を指すようになり、後に神社の参詣の世話をする神職も指すようになった。
御師のWikipediaにはこのように書かれています。今回のオーナーの家系は「神社の参詣の世話をする神職」部分を指していると思われます。
富士講(ふじこう)、浅間講(せんげんこう)
(狭義)江戸時代に成立した民衆信仰のひとつで[1]、特に江戸を中心とした関東で流行した、角行の系譜を汲むものをいう。講社に留まらず、その宗教体系・宗教運動全般を指すことも多い。「富士講」と言うと通常はこちらを指している。
(広義)富士山とその神霊への信仰を行うための講社全般。
富士講のWikipediaにはこのように書かれています。同Wikipedia内には「御師(おし)は、角行が説いた信仰の指導者であり、同時に、富士講の講員に富士登山時の宿泊所を提供する役目を荷っている人である」とあります。まさにこちらがそれでしょう。
富士信仰ということは浅間神社ですよね。「コノハナノサクヤビメ(木花咲耶姫)」ですか。
オーナーさんの名字は「大鴈丸(おおがんまる)」というそうです。いかにも歴史が古そうなお名前です。建物の中には御師の斎服が飾られています。
「fugaku x hitsuki」さんの建物は宿泊所だった場所をリノベーションし、さらにカフェスペースは増築していたのでしょう。基本的には古くからある日本家屋の様式で、カフェスペース奥に古い部分があります。そこには職人の高度な技術が必要とされる細工の「組子(くみこ)」あり、大鴈丸さんの家紋を模された大きな組子までありました。
建物まで続く細く長い道は「タツ道」といって、奥へ行けば行くほど神聖な場所とされるとのこと。建物の周りには「ヤーナ川」ちう信者がみそぎをする川が流れていました。
大鴈丸さんは先々代に御師を廃業し、今から10年前まで民宿を営んでいたそうです。10年間、御師の家はそのままにされていて、18代目の現オーナーさんが自ら改装をして昨年2016年にカフェとしてオープンさせたということです。
「fugaku x hitsuki」の米粉を使った「デザート盛り合わせ」
ハルさんは「fugaku x hitsuki」さんで「デザートの盛り合わせ」と「コーヒー」を頼んでいました。
「fugaku x hitsuki」さんではデザートは米粉(こめこ)を使っているそうです。ガトーショコラは「しっとりもっちり」しているとハルさんは言っていました。
お店はゲストハウスも運営していることで外国人など様々な方が訪れるため、小麦など穀物を摂らない食事法「グルテンフリー」やアレルギーの方も食べられるようなメニューを置いているということでした。
吉田のうどん
また、ハルさんはお店で、高校でうどん部に所属している2人の高校生たちに出会い、「吉田のうどん」を一緒に食べていました。「吉田うどん」ではなく「吉田のうどん」です。
山梨県などでうどんというと「ほうとう」が思い浮かびますけど、富士吉田ではこの「吉田のうどん」も有名な郷土料理になるようですね。太い麺と、醤油と味噌の合わせ出汁が特長とのことでした。
富士吉田の観光ガイドにも、この「吉田のうどん」のページがありましたので貼っておきましょう。
おわりに
富士信仰は個人的に少し興味があります。きっかけは『女神転生』などのゲームで登場した神々を調べたことだと思いますが、「京極夏彦(きょうごく・なつひこ)」さんの「百鬼夜行シリーズ」でも浅間神社を扱っていた作品があったような……『塗仏の宴』でしたっけ? 忘れました。富士講に関しては以前『ブラタモリ』で扱われていましたね。