ディスディスブログ

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ラストシーンで「みくり」と平匡が同じ色合い・テイストの服を着ており、2人の関係を表していましたね - ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』第11話(最終回)「夫婦を超えてゆけ」の感想

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毎週火曜日22:00からTBSにてドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が放送されています。「逃げ恥」です。

 

 

 

ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』

www.tbs.co.jp

  

『逃げるは恥だが役に立つ』のイントロダクションです。

私は原作の漫画を読んだことはありません。ドラマも1話の本編を観ておらず、2話と3話は録画をせず一度通して観ただけです。その後1-3話のダイジェスト放送があり、それは観ました。ただあくまでもダイジェストなので、細かい所はわかっていないでしょう。

 

 

第11話(最終回)「夫婦を超えてゆけ」

逃げ恥の第11話は「夫婦を超えてゆけ」でした。最終回です。サブタイトルは逃げ恥のED、星野源さんの「恋」の歌詞から取っていると思われます。

津崎(星野源)からのプロポーズを、愛情の搾取だと断ってしまったみくり(新垣結衣)。二人の生活には暗い雰囲気が流れていた。一方、百合(石田ゆり子)と風見(大谷亮平)も、風見からの告白により、新たな展開を迎えようとしていた。さらにみくりは、商店街の青空市に向けて、自分の仕事に対する思いを再確認し、津崎にその考えを話し始め…。とうとう最終回!最後の最後まで、どうぞ逃げ恥ワールドをお楽しみください!!

11話のあらすじはこのようになっています。10話、本作ヒロインの「森山みくり(もりやま・みくり、演:新垣結衣)」は、みくりと「契約結婚」をしている「津崎平匡(つざき・ひらまさ、演:星野源)」から、契約ではない正式な結婚を申し込まれましたが、それは好きの搾取・愛情の搾取であると反対してプロポーズを断ってしまっています。

平匡は、このまま契約結婚を続けた場合と、正式な結婚をしてみくりへの給与がなくなった分を生活費や貯蓄に回せた場合とで、自分たちの資産を比較していました。つまり結婚することが2人にとっていかに合理的かを説いていました。さらに、みくりから結婚をしようと考えたきっかけを聞かれたですが、平匡が会社をリストラされたことだと答えていました。

このことによって、好きであれば愛情があれば、プロポーズを受け入れてくれるはずだ、という愛情の搾取を平匡から感じ取ったために、みくりは断りました。

 

 

「303カンパニー」共同経営責任者

結論からいうと、2人の仲は戻った?というか新たなステージに進んでいました。結婚するのかしないのか、ハッキリとは言及されていなかったと思いますけど、別れることはなく2人の関係はこのまま続けていくことになりました。

契約結婚とは既に形態は異なるかと思います。その前段階として、2人は「303カンパニー」の共同経営責任者という形態を取っていました。

 

ただこれは、考え方一つで大きく変わることかなと思っています。自分が家事をして平匡を支えることで、彼の仕事・生活が成り立っている、つまり平匡が得ている給料は自分の労働を含めた評価なのだと捉えることで解消されるのではないか、と思われます。

これは10話の感想記事内で私が書いた文章です。これに近いことが実現しています。

平匡とみくりは話し合っていて、みくりが“やっさん”こと「田中安恵(たなか・やすえ、演:真野恵里菜)」からのお願いを受けて商店街の「青空市(あおぞら・いち)」を手伝うことになったこと、タウン誌のライターの仕事もし始めたことを話しました。平匡には内緒にしていましたが、この機会に話しています。平匡もリストラされたことを黙っていたのでお相子です。

「(主婦の生活費=最低賃金)+雇用主」の評価という話もしていましたね。雇用主の評価、つまり愛情という数値化できない要素が主婦の生活を不安定にしていると、雇用主(夫)の評価が低ければ最低賃金が続いてしまう、ブラック企業になりかねないと。

平匡のプロポーズそのものはとても嬉しかったのだけれど、この点がモヤモヤポイントだとみくりは言っていました。なるほど。

そこで先ほどの引用部分の話が平匡から出てきました。夫が雇用主で妻が従業員という考え方がそもそも間違えているのでは、主婦も家庭を支える立派な職業と考えてはいかがと言っていて、「303カンパニー」という一つの企業の共同経営責任者 (CEO) だと提案しています。この考え方で2人の関係を再構築しましょうと平匡が提案し、みくりはそれを飲んでいました。

みくりは共同経営責任者のことを「CEO」と言っていました。CEOとは「chief executive officer」の略ですから、訳は「最高経営責任者」となるはずです。共同経営責任者の場合は「Co-CEO」となるでしょうか。

ちなみに「303カンパニー」の「303」は、2人がマンションの303号室に住んでいることから取っているのでしょう。

 

 

みくりが「殻」に閉じこもる

この「303カンパニー」は、家事を分担することでお互いがお互いに助け合う選択をしていますけど、みくりが仕事を始めたことで余裕がなくなり、家事が疎かになったりイライラしたり、平匡も平匡で慣れない家事で失敗をしたり、会社は上手いこと回ってくれません。

「余裕がないと途端に本性が顔を出す。生意気で偉そうで小賢しいみくりが。私は自分が嫌いだ。自尊感情が低いのは私の方だ。平匡さんが愛したのは、家事を完璧にこなす、いつも笑顔で優しい理想の妻で、お米一つで酷い態度を取る女じゃない。選ばれたくて、認めて欲しくて……なのに、なりたい自分からどんどん遠ざかる」

と、自信をなくしてしまったようです。第3回の最高経営責任者会議においては、とうとうみくりから関係解消を提案するまでに至ってしまいました。殻に閉じもってしまいます。

 

 

平匡はみくりを殻から出す方法を知っていた

4話でしたか、同僚の「風見涼太(かざみ・りょうた、演:大谷亮平)」に契約結婚のことがバレてしまい、平匡と風見でみくりをシェアする話になりました。平匡は恋愛に関する自尊感情が低く、みくりから他の男性の影が見えると途端に壁を作ってしまいます。平匡はそんな自分が嫌になりつつ、これまでの人生で自分がしてきたようにみくりとの関係を断って独りになろうとしたことがありました。それはみくりから、突き放されず、恋人になって欲しい、ハグをしましょうと迫られたことで解消されたはずです。火曜日のハグにつながる話。

自分が殻に閉じこもったときに、みくりからしてもらったことと同じことを、今回の平匡はみくりにしていました。みくりからしてもらったこと、それは「信じること」です。決して見放さず突き放さず、何度も何度も心の扉をノックし、じっくりゆっくりでいいから2人で1つずつ解決していこうということです。

「生きていくのって面倒臭いんです。それは1人でも2人でも同じで、それぞれ別の面倒臭さがあって、どっちにしても面倒臭いんだったら、一緒にいるのも手じゃないでしょうか」「話し合ったり、無理なときは時間を置いたり、騙し騙しでも何とかやっていけないでしょうか。やってやれないことはないんじゃないでしょうか」「みくりさんは自分のことを普通じゃないと言ったけれど、僕からしたら今更です。とっくに知ってました。大したことじゃありません。世間の常識からしたら僕たちは最初から普通じゃかなった。今更ですよ」

この平匡の言葉にみくりは救われました。「上手く行かないとき、待っていてくれる人、信じていてくれる人。見失っちゃいけない。立て直そう、一つ一つ。立て直そう、ゆっくりでも」と考えることができました。

 

 

百合と風見の行方

みくりの伯母「土屋百合(つちや・ゆり、演:石田ゆり子)」は、風見との距離を保とうとしています。10話では、風見宅で風見から直接的な表現をされて、激しく動揺をしつつ、風見に察せられないように努めている様子がありました。

風見はそれでも諦めませんでしたが、百合に家に呼ばれて17歳という年齢差が如何ともしがたいことを百合から伝えられ、諦めざるを得ないと思ったようです。

しかし、以前の仲の良い小母と甥の関係に戻ることを臨んでいた百合とは違って、風見は百合を小母とは見られないことから関係そのものを断つことにしたことで、百合にとっても風見が大切な存在になっていることに気がついたようです。

 

青空市当日、百合から風見に連絡を取ろうとしつつあと一歩を踏み出せないところで、百合や風見の行きつけのバーのマスター「山さん(やま-さん、演:古舘寛治)」が気を利かせて風見を青空市に連れてきてくれました。しかも山さんはその場にいた平匡の上司の「沼田頼綱(ぬまた・よりつな、演:古田新太)」を連れていき、百合と風見を2人きりにしてくれています。さすがバーのマスターは気が利きます。

そこで百合と風見はお互いの意思を伝え合い、付き合うことになりました。良かったですねぇ。

風見が青空市に来る気になったのは、「五十嵐杏奈(いがらし・あんな、演:内田理央)」のおかげでもあります。五十嵐は風見を好きでしたが、ライバルの百合に喧嘩を売りつつ、風見には百合が風見のことを好きだと教えてもくれています。

 

 

沼田と梅原が??!

沼田はゲイで、LINEと思われるアプリケーションで「YURI」なる人物と会話をしている様子が前回も描写されていました。私はそのYURIは百合のことだとばかり思っていましたけど、そうではありませんでした。

 

百合の会社の部下である「梅原ナツキ(うめはら・なつき、演:成田凌)」がYURIの正体でした。

梅原は同じく百合の部下である「堀内柚(ほりうち・ゆず、演:山賀琴子)」に、自分がゲイであることをカミングアウトしていました。梅原はゲイのコミュニティサイト(アプリ)で、「YURI」のハンドルネームを使って活動をしているそうです。

そのアプリで梅原が知り合った、気の合う人というのが沼田のことで、沼田は梅原の近くに勤めていながらも決して会おうとはしなったようです。しかし、今回、意を決して青空市に梅原を誘っていて、梅原も百合の誘いを受けていたのか、ちょうど青空市に向かっていて……目印の大きな煎餅をお互いに認め、ついに出会うことができました。

私は梅原は百合のことを好きなのだと思っていましたし、最終的には帰国子女の堀内と付き合うのかなと思っていました。でも10話で百合と話している様子を見て、おやおやこれは……と思いましたね。そちらの匂いを醸していたので。

 

 

ラストシーンの服が同じテイスト

2人はマンションを引っ越すことにしていました。ラストシーンでは荷物をまとめているところで、復活させた「火曜日のハグ」をしていました。

このラストシーンの2人の衣装を見ましたか? 平匡がジーンズで、みくりもデニムのバギー系(ガウチョ?)のパンツを穿いていました。トップスも、平匡が白シャツにブルーのカーディガンで、みくりが白いブッファンスリーブのブラウスにデニムっぽいタンクトップを重ね着していました。

2人ともブルー系で色を統一していましたし、素材もテイストも近い洋服を着ていたんです。これまではお互いがお互いの好みの服を着たいように着ていたと思います。でもラストシーンはしっかりと合わせているんです。

ペアルックとまではいかないまでも、2人の関係がより近く・強くなっていることで、洋服の趣味も自然と合っているのかな、と思わせる良い演出だったと思います。故意に合わせたのかもしれませんけど。

 

 

おわりに

終わってしまいました……こんなにもドラマにハマるのはとても久しぶりなので、「逃げ恥ロス」が半端ないです。

いや、10話と11話は少々、色々なところに手を出しすぎてしまっていた感は拭えず、もう少し平匡とみくりの関係にフォーカスを当てて、じっくりと描いていただきたかったという気持ちもあります。もう1話増やした方が良かったのでは、と思うくらい。ですが、概ね広げた風呂敷を広げたままにせずにそれなりにまとめてくれていたので、良い最終回だったかなと私は思っています。

ただ、6話の感想で、結果的に振り返ってみれば物語で最も盛り上がったのは6話ということになりそう的なことを書いたと思いますが、その通りになった感があります。私の中では。6話は温泉回、新婚旅行という名の社員旅行の回です。本当は最終回やその前辺りで6話を超えて欲しかったのですが、6話が神回すぎました。

 

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