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たまきが『あなたの暮し』の就職試験でヤンさんのチンジャオロースの記事などを書かされています - 朝ドラ『とと姉ちゃん』149話の感想

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、2016年9月23日放送の149話で、たまきが『あなたの暮し出版』社への入社を希望していて、採用試験を受けています。

 

 

水田たまきが『あなたの暮し出版』社への就職希望

www.nhk.or.jp

 

前回148話から、物語の舞台は昭和39年から昭和48年1月へと進みました。西暦に直すと1973年ですからオイルショックがあった頃で、日本は「東洋の奇跡」と呼ばれる未曾有の高度経済成長が一段落ついた頃で、世界第2位の経済大国になっています。

時代も、洋服を自ら仕立てる時代から店舗で既製品を購入する時代へと移り変わっていて、女性誌にも洋服を自分で仕立てる方法ではなく、どの店のどの商品が良いかを紹介するタイプが続々と創刊されています。

戦前・戦中世代から、戦争を知らない世代へと社会の主役が変わりつつある、という時代のようです。ヒロインの「小橋常子(高畑充希)」が社長を務める『あなたの暮し出版』社もそれの例外ではなく、戦後生まれの社員が多数在籍するようになっています。

常子の髪の毛には白いものが目立つようになり、この頃の年齢はおそらく50歳台になっていると思われます。

前回の終わりに、常子の姪にあたる「水田たまき(吉本実憂)」が『あなたの暮し出版』社に常子の忘れ物を届けにやって来て、常子に届けたついでに社内の様子を窺っていました。

そのときはちょうど名物企画「商品試験」でスチームアイロンを扱っており、日本製の製品が米国の製品を性能で上回ったことが明らかになった瞬間でした。大いに沸く『あなたの暮し出版』社の社員たち、そんな活気溢れる様子を見て、たまきは入社を考えるようになったようです。

夜、家でたまきは常子に入社したいと入社の意思があることを伝えます。今の小橋家は、水田家と南家の家族も一緒に暮しています。総勢8名の大所帯で、常子たち三姉妹の母「君子(木村多江)」が亡くなった今、常子が家の最年長です。

常子はたまきが自分たちの会社で働きたいと思ってくれたことを喜びつつも、姪だからといって優遇するつもりはないようで、他の就職希望の学生たちと一緒に試験を受けてもらうと応えます。たまきも、端から親戚のコネを期待しておらず、試験を受けるつもりだったようです。

たまきは銀行に入社すると常子たちには話していたようです。以前から『あなたの暮し出版』社で働きたいと考えてもいて、しかし、自分が入社すると縁故採用だと思われるかなと遠慮していました。今回社を訪れたことで、そういった遠慮よりも「世の中の役に立つ仕事がしたい」意思が勝ったようです。

 

 

『あなたの暮し出版』社の就職試験

たまきは一次、二次選考を通過し、最終試験に進んでいます。最終試験の当日、たまきたち最終試験まで合格した生徒たちは『あなたの暮し出版』社の一室に一同に集められました。

部屋には常子たちがいました。遅れて編集長である「花山伊三次(唐沢寿明)」が部屋に入ってくると、受験者たちの前に立って話を始めます。

「入社試験は甚だ憂鬱だ。こちらは人を判断することができるのかという疑問を持ちながら、それ以外に方法がないから気を引き締め採点や面接をしなければならない。君たちは試験を受けに来たのに落とされる。どちらにとってもあまり愉快なものではない。だから早く終わらせてしまいたいのは山々だが、手順というものがあるから問題は後で出す」

正確なセリフではありません。でも大体このようなことを花山は話していました。

花山はスピーチを終えると、1階へ行くようにと受験者たちを促しました。受験者たちが1階へ行くと、常子の下の妹「南美子(杉咲花)」やたまきの父「水田正平(伊藤淳史)」といった面々がいて、さらにその部屋には調理道具や野菜などの具材が並んでいます。

陳建一さん演じる、ヤンさんという中国料理の料理人が部屋にいて、ヤンさんは「チンジャオロース(青椒肉絲)」を作り始めました。チンジャオロースを作り終えると、ヤンさんは退室し、代わりに常子が受験者の前に立って今料理したチンジャオロースを伝える記事を書いてください、と試験を出します。制限時間は20分。

解答用紙を配られた受験者は一斉に記事を書き始めました。テーブルがありませんので、多くの受験者は床に解答用紙を置いて書いています。一番初めに行動したのは、たまきでした。

皆が記事を書き始めると、今度は花山が予め部屋に置いてあったレコードプレーヤーからベートーヴェンのクラシック音楽を大音量で流したり、ラジカセから街中の騒音を録音したテープを大音量で流し始めます。

受験者は音がうるさくて集中できないと苦情を出します。しかし、花山は「記者たるもの、どんなにやかましい場所でも原稿を書かねばならんのだよ!」と言い放ちます。

騒音は20分鳴り続け、チンジャオロースの記事作成の時間が終了し、解答用紙が回収されると、今後は最初に部屋で花山が受験者たちに話した内容を原稿用紙1枚にまとめなさい、と立て続けに2つ目の試験が始まります。次が最後の問題だ、と花山は言っていました。

「記者たるもの、いかなるときでも人の話をボヤボヤ聞いていてはいけない。目だけでなく耳による観察力も備えていなければ、記者は務まらんぞ!」ということでした。

 

 

おわりに

ということで、たまきは大変な目に遭っています。しかし、たまきは頭の良い人のようですから普通に試験には受かると思います。そうでないと話が進みませんからね。

それと、花山は最後だと言った、自らのスピーチを原稿用紙にまとめさせた試験は、あれは最後ではないでしょう。そういって受験者を油断させたのだと思われます。

後の、例えば慰労会のような食事会を開いて、受験者を労う体で彼らの素の状態を観察するはずです。花山たちならそうするでしょう。一般的な面接試験のような、嘘に塗り固められた小芝居などでは、その人物の本当の人間性はわからない、みたいなことを言いそうですから。

今回の採用試験は史実なのでしょうね。私は史実を知らないのですが、『暮しの手帖』の花森安治さんならしてもおかしくないです。

 

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