毎週土曜日18:10から放送しているNHKの情報バラエティ番組『マサカメTV』、昨日2015年11月21日の放送は「キノコ」の特集でした。
この『マサカメTV』のマサカメは「まさか!の目のつけどころ」の意味です。今回のマサカメは「魅惑のキノコ」でした。
幻のきのことは何か?
個人的に今回最も興味をひかれたのは「幻のきのこ」です。幻と呼ばれる理由とは何?という疑問が出てきますよね。普通に考えると「幻の○○」と呼ばれるものは、それくらいに希少な、勝ちの高いものであることを指していると思います。こちらのキノコももちろんそういう意味もあるのでしょうが……。
「幻のきのこ」は、美肌を保つ力、アミノ酸の一種「エルゴチオネイン」を大量に含んでいて、女性に人気のあるキノコだそう。その抗酸化力はビタミンEの7000倍(!)もあるのだとか。
このエルゴチオネインの成分情報が、「わかさ生活」さんの『わかさの秘密』というWebサイトにありましたので、併せてご覧になってください。
さて、その「幻のきのこ」は、日本では長野県と静岡県のわずか2軒でしか生産されていないということでした。高級レストランなどで使われているこのキノコが幻と言われている理由、それは……。
すぐに溶けてしまうから、でした。
えっ、キノコが溶けるの? と思いますよね。実際に早回しの映像でそのキノコを撮影している様子が画面に映し出されていましたが、24時間のうちに見る見る間に黒ずみ小さくしおれていました。わずか一日、食べられそうに見えたのは半日くらいでしょうか。おそらく24時間以上放置していたら液状化していくのでしょう。それと成長も著しく早く、こちらも24時間の早送り映像で見る見る間に大きくなっていました。一日前と後では同じキノコには見えないくらいに変化しています。
この幻のきのこの名前は「ササクレヒトヨタケ」と言います。ヒトヨは一夜のことで、一日で伸びるキノコです。
溶ける理由は、繁殖のためです。溶けて臭いを発することで虫を引き寄せ、虫に胞子を付着させます。虫が他の場所へ飛んで行って胞子を運び、そこでまた繁殖する、という。溶けて液状化するのは腐敗ではないみたいです。ササクレヒトヨタケ - Wikipediaのページも参考になさってください。
春から晩秋にかけて、草地・庭園・畑地、あるいは路傍などの、有機質に富んだ地上に孤生ないし群生する。ときに、ウマやウシなどの糞上にも見出されることがある。代表的な腐生菌の一つである。
上記Wikipediaによると、ササクレヒトヨタケはほぼ世界中で見られ、日本でも各地で見られるそうです。馬や牛の糞の上にも見られるって……。そういう有機物を栄養源にして生育する腐生菌なのですね。
ササクレヒトヨタケは、高級レストランや首都圏のきのこ料理専門店などで料理に出されるそうですから、上記のようなサイトに載っているお店にもしかしたら出されているかもしれません。ヨーロッパでは超高級食材だそうですよ。
ササクレヒトヨタケは「コプリーヌ」や「コケシタケ」の名前でも売られているとのことです。
おわりに
他にも、全国のきのこ料理が紹介されていたり、きのこの巨大化の謎や方法が紹介されていたりしていました。大分県の「からしシイタケ」や高知県の「シイタケのたたき」、青森県の塩辛きのこ、どれも美味しそうでした。特にシイタケのたたきは一度食べてみたいです。巨大化したブナシメジは、大味になるどころか、味が濃厚になっているというのも驚きでした。面白かったです。