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「おっちゃん(蘭)」たちが造ったTERU姫の活躍回!ベヴストザインの進化に危険を感じます - アニメ『アトム ザ・ビギニング』7話「蘭とTERU姫」の感想

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2017年4月15日土曜日23:00より、NHK総合にてアニメ『アトム ザ・ビギニング』が放送されています。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目次 

 

 

アニメ「アトム ザ・ビギニング」

atom-tb.com

 

2017年6月3日の放送は第7話「蘭とTERU姫」でした。

 

 

イントロダクション

これは、まだ誰も知らない“鉄腕アトム”誕生までの物語(エピソード・ゼロ)
大災害後の日本に、未来を夢見るふたりの天才がいた。ひとりは天馬午太郎。もうひとりはお茶の水博志。天馬はその手で「神」を作り出すことを、お茶の水はその手で「友」を作り出すことを夢見て、日夜ロボット研究に明け暮れていた。そしてふたりの友情が生み出した1体のロボット、A106(エーテンシックス)。A106は果たして「神」になるのか「友」となるのか。若き天才コンビは、来るべき未来を垣間見る---。

このようなイントロダクションです。私は原作未読。

 

 

7話「蘭とTERU姫」

7話は主人公の2人、練馬大学ロボット工学科第7研究室でロボット研究をしている大学院生「天馬午太郎(てんま・うまたろう)」と同じく「お茶の水博志(おちゃのみず・ひろし)」ではなく、博士の妹「蘭(らん)」が話の主役でした。

蘭は「都立三宝寺高校」に通う高校生で、学校の「ロボット研究部(ロボコン部とかいてありましたか?)」に所属しています。毎回のように練馬大学に来ては第7研究室にある瓦礫の山からロボット作りに役立ちそうな部品を集めていました。彼女が集めた部品は何にどのように活用されているかはこれまで明らかにされませんでしたが、今回それが明らかになっています。

集めた部品を何に活用しているのか、それがサブタイトルやTwitter画像にある「TERU姫」です。

 

 

TERU姫は人型

蘭たちロボット研究部は「ロボコン」の大会出場を目指しています。災害救助をシミュレーションする競技会で優勝するために、部員たちによって造られたロボットが「TERU姫」ということです。

「TERU姫」は人間型です。蘭が主導で製作作業が進行しています。しかし、直立二足歩行のロボット製作は非常に難しく、蘭の他の部員たちは迷っているようでした。蘭は高校生レベルを超えた技術と発想を持った優れた部員のようで、他の部員たち(全員女性)は蘭の足手まといになっていないかと心配しているのですね。二足歩行型ではなく単機能型(四足歩行?)にすれば良かったかなと。

蘭はポーカーフェイスで感情表現が乏しく、言葉数が少ないことも相まって、周りの部員たちは蘭に対して遠慮しているというか、とっつきにくいというか、若干萎縮しているようにも見えました。

 

 

照姫とは?

照姫(てるひめ)は室町時代の伝説上の女性。石神井城(東京都練馬区)城主豊島泰経の二女(長女または豊島泰明の妻という説もある)。名は照日姫とも。練馬区では照姫をしのんで毎年、時代まつり「照姫まつり」を開催している。

(略)

泰経には照姫という美しい二女がいた。照姫は父の死を悲しみ、父を追って三宝寺池に身を投げた。

照姫 (豊島氏) - Wikipedia

照姫 (豊島氏) のWikipediaにはこのように書かれています。三宝寺に因んでロボットにTERU姫と名付けたのですね。

 

 

博士のアドバイス

蘭の兄の博志は、高校の卒業生でロボット研究部のOBということで、蘭たちを陣中見舞いするべく三宝寺高校へ顔を見せました。

博士に関心のある練馬大学のロボット工学科「堤茂斗子(つつみ・もとこ)」も当然のごとく博志について来ていて、博志と午太郎が研究・開発しているロボット「A106(えー・てん・しっくす)」も一緒です。

差し入れのケーキを持っていたA106。A106がケーキの箱の蓋を開けるときの手首の動作を見て、部員たちはケーキよりもA106に興味津々です。さすがロボット研究部という。

博士は部員たちにあるアドバイスをしていました。大人がロボット製作に口を挟むことはルール違反になるので、物事に取り組む姿勢的なアドバイスです。

「技術ってさ、正解が一つじゃないんだと思う。蘭の思っている正解と君たちの思っている正解とが違っていても良いんじゃないか」「(どうしたら良いかわからない)そういうときは手を動かす。論理的じゃないけどね。でも手を動かして失敗しなければ得られないノウハウもきっとある。それが僕らのシックスにも繋がっているんだ」

博士はそうアドバイスしていました。また、博志が部活のOBで人間型を造ることが部活の伝統ならどうしてノウハウを後輩に残してくれなかったのかと言っていた後輩に対して「だってそれじゃあ先輩が造った物の真似になっちゃうでしょ? そんなのワクワクしないじゃない」と答えました。

 

 

JRRC

そうして「JRRC」の大会当日を迎えました。JRRCは「Junior Rescue Robot Competition(ジュニア・レスキュー・ロボット・コンペティション)」の略です。

大会はこじんまりとしていて、お客さんもまばらです。博志と茂斗子とA106、そして午太郎が応援に来ています。午太郎は乗り気ではないみたいですけど。

大会は、スタート位置からロボットが進み、ドアを開けて建物に進入して、障害物を乗り越えて、要救助者に見立てたダミーを捜索し、位置情報を通知、そしてゴールに辿り着くまでの、総合タイムを競います。

要救助者のダミー人形は、鼓動音を発したり二酸化炭素を吐き出したりしています。災害現場の不足の事態を見越し、道中には落石や水の流入、ガスの噴出などのトラップが仕掛けてあるようです。

 

 

TERU姫の結果は?

三宝寺高校の出番が来ました。「TERU姫」は順調にコースを進んでいました。二足歩行をし、ドアも上手に開けたり要救助者を探して通知したりいます。順調そうに見えましたが、あとはゴールをするだけという段階でTERU姫の動きが止まってしまいました。

午太郎はTERU姫の動きが止まった原因をすぐに看破しています。「TERU姫はボディ全体が柔軟なサスペンションみたいなもんだ。そのアイデアは正しい。しかし、柔軟性と頑丈さを両立させるには、カーボン素材や特殊合金みたいな材料が必要だ。そんなもの高校生のロボコン予算で手が届く訳がない。かなりの妥協をしたはずだ」と。

「安い分、耐久性の低い材料を使っていたんだ」「だから段々TERU姫は機体の精度が下がった。そのせいでサーボの負荷が上がり、関節がロックした」と博志と蘭が兄妹で台詞を繋げて説明をしていました。

蘭はゴールを諦めて途中棄権をしようとしましたが、他の部員は諦めません。TERU姫を直立二足歩行モードから四足歩行モードに変化させて、より安定した機体制御へと移行すると、TERU姫は再び動き始めます。

しかし、ここで大会の施設の骨組と思われる箇所に締められたネジが、他のロボットが何度かぶつかった弾みで緩み、さらにTERU姫がコースに入っていた中で幾つか外れてしまったことにより、施設の崩落が起こります。

A106はネジの緩みの段階からそれを察知しており、崩落が始まった瞬間に観客席から飛び出し、施設内に進入しTERU姫を救助していました。TERU姫を抱えたA106はゴールラインを通過したため、TERU姫はゴールした判定を受けていました。

総合結果はTERU姫が優勝に相当するタイムを計測したようですけれども、蘭たち三宝寺高校は優勝を辞退しました。厳密には自力でゴールした訳ではないからです。

 

 

「おっちゃん」

大会後、部員たちは蘭に内緒で四足歩行の制御プログラムを作り、機能させるように改造し、大会でそれを使ってしまったことを謝りました。でも蘭はそれを怒るような子ではありませんで、「面白かった」と返事をしています。

 

蘭はポーカーフェイスで何を考えているかわかりづらい子なので接し方が難しそうですけど、根っから素直で優しい子なのですね。

ニックネームは「おっちゃん」ですって、「お茶の水」だから「おっちゃん」。そういうことなら博志もおっちゃんですね。

 

 

おわりに

午太郎は、今回A106が自分で判断してTERU姫を助け蘭たちの手助けをしたことで、搭載されている自律型AI「ベヴストザイン」が確実に進化していると感じています。

私は「ベヴストザイン」の進化は非常に危険なものでもあると、今回の放送を観て感じました。

理由は善悪の捉え方があくまでA106の価値判断で決まるからです。A106の正義が人類全体にとっての正義とは限らないと。A106にとって人類が悪と判断されたらどうするのか、どうなるのか。これらが物語の鍵になるのではないでしょうか。

下手をするとベヴストザインによって「スカイネット」が創設されるかもしれませんね。『ターミネーター』のあれ。

今回の終盤に「Dr.ロロ」とロボット「マルス」が登場していました。前回「ロボレス」参加への招待状が午太郎たちに届いていましたが、Dr.ロロはそのことを知っていました。ロボレスとはロボット・レスリングのことです。

午太郎はDr.ロロに惚れたようですが、マルスが以前A106と蘭を襲ったロボットであることもわかっています。冒頭では午太郎たちはロボレスに関心がなさそうにしていましたけど、Dr.ロロとマルスが絡んでいるとわかれば事情は異なるでしょう。

私は、Dr.ロロは軍事関係の組織で活動している人物だと考えています。Dr.ロロは表の顔。とすればマルスは兵器ですね。軍事開発として資金を大量に投入されなければ、マルスが見せるロボットの枠を超越しているかのような滑らかな動きは実現できないと思えるからです。

以前も感想で書いていますが、本作は漫画『プラレス3四郎』に類似しているように感じています。Dr.ロロが「ペドロ・ロドリゲス」と、マルスがプラレスラー「エル・ウラカン」に対応しています。

それとDr.ロロは男性の可能性がありそうだとも感じています。ゴシック調(?)のドレスを着ているんですけどね。予想が合っているかは今後のお楽しみということで。

 

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