ディスディスブログ

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「すみれ」がキアリスを辞めました…。「ゆり」が潔に妊娠を言えなかった理由は何でしょう? - 朝ドラ『べっぴんさん』66話の感想

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NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』、2016年12月17日放送の第66話では、すみれが「キアリス」を辞める宣言をしていました……。

 

 

第11週「やるべきこと」

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1948年(昭和23年)秋、ヒロインの「坂東すみれ(芳根京子)」と「小野明美(谷村美月)」、「村田君枝(土村芳)」、「小澤良子(百田夏菜子)」の4人で始めた、赤ちゃん用と子ども服を扱うお店「キアリス」は、大手百貨店「大急百貨店(だいきゅう・ひゃっかてん)」の社長「大島保(伊武雅刀)」から直接依頼を受けて、「キアリス」の支店を出店することになりました。

「キアリス」の本店の仕事と大急支店の準備だけでもすみれは大変な思いをしていますが、すみれの実家・坂東家の元女中頭で、今はすみれたちと暮らしている「佐藤喜代(宮田圭子)」が腰を悪くして入院してしまいました。

仕事だけでなく、これまで喜代に任せていた家事と、4歳の一人娘「さくら(粟野咲莉)」の世話もみないといけなくなります。さくらは君枝の姑のところへ預けることになっているようですけど、日々の食事は仕事前と仕事後にしなければならず、それだけでも大変そうです。

 

 

すみれが「キアリス」を辞める?

64話で仕事に没頭してしまい朝帰りをしたすみれに、夫の「坂東紀夫(永山絢斗)」は理由も聞かずにビンタをし、それ以降夫婦の関係はぎくしゃくしています。

また、仕事のしすぎと、おそらく心労も重なって、すみれは大急の「キアリス」で倒れてしまいました。3日間の休養をすることになります。そんな夜、川の字になって寝ていたさくらに「お父さんのどこが好き?」と聞かれて、すみれは答えることができませんでした。紀夫もさくらから「お母さんのどこが好き?」と聞かれましたが、紀夫もまた答えることができません。

休養を終えたすみれは、さくらの通う保育園に彼女を迎えに行くと、さくらの身体がいつの間にか大きく成長していたことに気が付きます。すみれは仕事に追われていて、家庭を顧みなかったことにそこで気がついたようでした。

すみれは考えた結果、「キアリス」を辞めることにし、本店で明美や君枝、良子だけでなく、店で事務関連の仕事を手伝いに来てくれていた紀夫と、君枝の夫「村田昭一(平岡祐太)」と良子の夫「小澤勝二(田中要次)」、「キアリス」に住み込みで雑用をして働いている「足立武(中島広稀)」の前で頭を下げ、辞めさせて欲しいと宣言していました。

 

すみれの決断は、家族のことを顧みないで突き進んでいたことを反省した結果のようですけど、本当に反省しているのなら省みようと思うのなら、どうして「キアリス」を辞める前に家族としっかり向き合って話し合わなかったのでしょう? どうして「キアリス」の仲間たちに相談を持ちかけなかったのでしょう? 

すみれは自らの行動に責任を感じて辞める決断をしたかのように思いますが、その実、無責任なまま変わっていないんですよね……これだと。

 

 

「ゆり」はどうして潔に子どものことを言えなかったのか?

すみれが退社を決めるきっかけになったことは、上記のことに加えて、すみれの姉「野上ゆり(蓮佛美沙子)」の言葉にもあったようです。

しかし、ゆりもまた、夫「野上潔(高良健吾)」との夫婦関係に自身を持てずにいました。理由は子どもができたこと、みたいです。妊娠。

ゆりは子どもができたことをずっと潔に言えずにいましたが、父「坂東五十八(生瀬勝久)」のいる近江にある坂東の本家へ行き、五十八の義理の姉「坂東節子(山村紅葉)」や自身の義理の姉「坂東静子(三倉茉奈)」、また、坂東の執事であった「井口忠一郎(曽我廼家文童)」との会話から、家族は一蓮托生だと教えられたことで背中を押してもらい、伝えることができました。

「潔さんと私の子どもができました」と伝えると、潔は「ありがとう」と大声で何度も、涙ながらに喜んでくれました。それを見たゆりも一緒に涙……。

そもそも、どうして「ゆり」は潔に子どもができたことを言えなかったのでしょうか?

おそらくですけど、潔は自分を好きなのは仕事ができるからだ、仕事をしている自分のことが好きなのだ、と「ゆり」は思い込んでいたのではないかと思われます。

ですから、子どもができて仕事が今までのようにはできなくなることを、ゆりは潔に報告できなかったではないでしょうか。潔がそれを知って自分を見限ること、知った瞬間の顔・表情を見ることすら怖かったのでしょうね。たぶん。

でも潔はそんなことは一切なく、心から喜んでくれました。救われましたね。しかし……。

 

 

おわりに

今週は62話の終わりに本作の主題歌、Mr.Childrenの 「ヒカリノアトリエ」が唐突に流れました。これは尺が足りなかったためと思われますけど、今日の66話では、ゆりが近江へ行って節子や静子から一蓮托生の話を聞いたシーンは回想で簡単に終わらせてしまっていたで、「ヒカリノアトリエ」の件を踏まえてなお一層モヤモヤしてしまいました。

そんな下手な尺稼ぎ(と私は思っています)をするくらいなら、近江の場面は回想ではなくしっかりと放送しなさいよと思うわけです。1話1話で切りの良いところで切らないといけないこともわかりますし、週単位、週単位、大きな起承転結、物語全体の流れも同時に考えていくと、全てを盛り込む訳にもいかないこともわかります。

しかし、ゆりが思い悩んでいることは何だったのか、どのようにして悩みを解消させたのか、一歩を踏み出すためのきっかけを描写することは、人間ドラマとして重要な部分と思います。そんな重要な部分を簡略化するとは如何なものかと思うわけです。いえ、本当に脚本さんにそういう意図があったかは知りようがないのですが……。

また、少し前には、良子が家庭の問題や顧客との問題で、また君枝も自身の病と家族の問題で、いずれも辞めては復帰する流れがあったばかりで、今度はすみれが辞める話が出てきたことは、非常に激しい既視感を覚えます。食傷を起こしています。物語はまだ半分終わっていないのにもうネタ切れなのでしょうか?

次週は第12週「やさしい贈りもの」です。紀夫が「坂東営業部」を辞めそうですね。サンタクロースの格好をした「麻田茂男(市村正親)」が出ていましたね。現実とリンクさせるのでしょう。ゆりは潔の元を離れてどこかへ行ってしまったかのような描写もありましたが……前述した私の解釈は間違っていたのでしょうか、解釈が足りないのかもしれません。

 

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