NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』、2016年11月1日放送の第26話は、すみれたちの関係に亀裂が入っていました。
ベビーショップ「あさや」のダメ出し
ヒロインの「坂東すみれ（芳根京子）」は、女学校時代の「手芸倶楽部（しゅげい・くらぶ）」で活動を共にしていた「小澤良子（百田夏菜子）」と「村田君枝（土村芳）」、そして以前神戸でベビーナースとして外国人の女性に子育て方を教えていた看護婦の「小野明美（谷村美月）」の4人で、事情を始めています。
すみれたちの起こした事業は、赤ちゃん用の服を扱う「ベビーショップあさや」です。名前からもわかるように、すみれたちのお店は靴屋「あさや」の主人、「麻田茂男（市村正親）」の厚意で靴屋の一角を使わせてもらっています。一角というか大部分を。
先週土曜日の終わりに、「ベビーショップあさや」へのお客様第一号が来店しました。それはすみれの父「坂東五十八（生瀬勝久）」と、坂東家の執事だった「井口忠一郎（曽我廼家文童）」です。忠さんは今も執事……なのでしょうか？ 五十八はすみれと終戦した頃以来の再会を果たし、また良子たちとはそれ以上の期間を空けての再会をし、皆の無事を喜んでいました。
落ち着いたところで、五十八は「ベビーショップあさや」で働いている娘達の様子を見ています。彼女たちは皆、お嬢様育ちなことから、世間知らずな様子がそこかしこに見られ、とてもじゃないが商売にならなそうだとしびれを切らし、五十八は彼女たちに「商売のいろは」を手ほどきしていました。洋服に値段を設定していないことはさすがにどうかと思いますけど……。
麻田さんは、彼女たちのそういうことに気がついていたのでしょうけど、彼女たちを見守る姿勢を取っているみたいですね。
お嬢様「良子」へのダメ出し
今日の26話では、「ベビーショップあさや」に派手な格好をした女性客が米兵を連れて店にやって来ました。いわゆるパ○パ○というやつでしょうか。
その女性客に対して良子が露骨に態度に表してしまいます。いらっしゃいませも途中で切って最後まで言わず、お客さんをじっと見る、接客をするでもなくバックヤードに下げる（逃げる）、といった行動を取ります。
代わりにすみれと君枝が応対をし、その女性客はたくさんの服を買って行ってくれました。女性客と米兵が店を出ていくと、良子がバックヤードから店に戻ってきます。そういった言動に対して、君枝と明美が注意をすると、今度は良子はむくれてしまいます。この辺もお嬢様育ち感が濃く表れているようです。
良子はさらに明美がいないところで明美が好かないと、すみれと君枝に言っていました。
潔が釈放される
大阪・梅田の闇市では、前々回でしたか、すみれの姉「野上ゆり（蓮佛美沙子）」の夫「野上潔（高良健吾）」が警察に捕まってしまいました。闇市で元締をしているウルトラマンジャックこと「根本（団時朗）」に嵌められたのでしょう。
潔は警察の厳しい取り調べを受けた後、26話に釈放されていました。結局、潔は何の容疑がかかって捕まったのかは定かではないままだったと思いますけど、釈放された潔は根本の手下にショバ代（場所代）を300円支払っていたので、その点で根元側から何らかの告発が警察に届けられて……ということなのでしょう。
ゆりは潔が警察に捕まった直後に単独で神戸に行って助けを求め、その場に居合わせた五十八と忠さんと一緒に大阪へと舞い戻り、釈放された潔を迎えていました。警察には潔の舎弟「岩佐栄輔（松下優也）」もいて、ゆりたちと合流しています。ゆりはこの物騒な時代・状況で、よく一人で大阪から神戸へ行けましたね……。
おわりに
明美は未だ病院で看護婦として働いていますけど、病院側から看護婦を辞めさせられることになりそうです。元々病院にいた医師や看護婦が戦争と戦後の混乱から戻ってくることになり、若く独身の明美が弾き出される格好となったみたいでした。
明美は良子ともいざこざがあって、今後の展開によっては「ベビーショップあさや」が空中分解しかねない状況ですから、前途多難です。君枝の家のあったところに住んでいるランディ夫妻からテーブルクロスを依頼されているみたいですけど、それどころの騒ぎではなくなるかもしれません。でも、すみれたちにも生活がありますから、どんな状況であってもテーブルクロスを作るしかないでしょう。
良子の接客態度に関しては、基本的には良子が悪いとは思いますけど、明美も「感じ悪いわ」や「これだからお嬢様は……」などという言い方も良くなかったかなと感じられますので、どっちもどっちでしょうか。まだお互いの性格を知らない段階でしょうから、お互いがお互いを知る努力、歩み寄りが今は一番必要と思います。
今後は、おそらく良子の夫が戦地が戻ってくるのでしょうし、五十八は根本と話を付けるのでしょうね。明美の今後だけは想像がつかないです。
