『大相撲』の「平成二十九年五月場所(2017年夏場所)」、2017年5月28日は十五日目、千秋楽です。
大相撲2017年夏場所
平成二十九年夏場所は、15日目、千秋楽です。記事作成現在まだ取組が残っていますが、既に14日目の時点で西の横綱「白鵬(はくほう)」が14戦全勝の勝ちっ放しで優勝を決めています。38回目の優勝です。
記事作成中に白鵬の全勝優勝が決まりました。おめでとうございます。
優勝は1年ぶりということで、その間怪我もありましたからこの優勝は格別なものがあったでしょう。現在32歳で肉体的な衰えも指摘されています。衰えとは怪我のしやすさ治りにくさも含まれるはずで、それだけにこの復活劇は素晴らしかったです。
2017年夏場所の三賞は?
本日三賞選考委員会が開かれ、三賞(殊勲賞・敢闘賞・技能賞)が決定しました。
殊勲賞は東の小結「御嶽海(みたけうみ)」が受賞し、敢闘賞は東の前頭14枚目「阿武咲(おうのしょう)」が受賞しました。
技能賞は2人です。西の関脇「高安(たかやす)」と西の小結「嘉風(よしかぜ)」が受賞しました。
私は幕内下位ながらも会場を沸かせて、場所の終盤まで数字上優勝争いに加わり、最終的に11番勝った前頭10枚目「宇良(うら)」には敢闘賞が与えられるかと思っていました。さすがに上位との対戦がないと厳しかったのでしょうか。
阿武咲と貴景勝のライバル関係
敢闘賞受賞の阿武咲は新入幕での二桁勝利という点が評価されたようです。
千秋楽は同じ二十歳のライバル、西前頭7枚目「貴景勝(たかけいしょう)」との対決でした。お互いの意地とプライドのぶつかり合いは非常に見応えがありました。相撲を取った時間は短かったですけど、小細工なしのガチなぶつかり合いは観ていて清々しさすら感じさせます。
2人は同い年で幼いころから意識しあっていた関係だそうです。しかし大相撲界に入ってからは取組が組まれそうでなかなか組まれないまま今日まで来ていて、今日の取組が初顔合わせでした。
貴景勝にとっては阿武咲は目標の存在だったようです。中学(全中)のときに決勝で勝って初めて肩を並べることができた、阿武咲関がいなければここまで頑張れていなかったとまで言わしめる存在です。
阿武咲にとってもそれは同じで、全中(全国中学)で貴景勝で負けたことがあったから強くなることができたと言っていました。解説の「北の富士(きたのふじ)」さんも仰っていましたが、まさに絵に描いたようなライバル関係です。
解説の「北の富士(きたのふじ)」さんは、この2人の対決は(立合いに)変化するということはないだろうと仰っていました。どちらかがそういうことをしたらその時点で変化をした方がライバルの権利を失うと。
2人とも二十歳で先が長いですから、これからの相撲人生で何十番も戦います。この2人の今後が楽しみです。できればずっとガチな勝負をしていただきたい。
宇良は11勝4敗の好成績
私が注目している西の前頭10枚目「宇良(うら)」は、千秋楽に西の前頭13枚目「大翔丸(だいしょうまる)」と対戦しました。「すくい投げ」で宇良が勝利し、夏場所を11勝4敗の好成績で終えることができました。
実は地上波では大相撲中継の前に競馬の『日本ダービー』の放送があったため、宇良の取組が中継されませんでした。中継開始後に録画のダイジェストで流れています。
取組を観られなかったことは残念でしたけど番付を上げればそういうことも少なくなる訳で、11勝もすれば来場所は大きく番付を上げるでしょうから、少なくとも来場所に関してはあまり心配がないです。
ダイジェストで観た限りでは、宇良は立合いで相手に当たるのではなく下がっていました。大翔丸も少し驚いた様子でしたね。大翔丸が出てきたところを宇良は足をすくっていました。
14日目の宇良は、前述の貴景勝と対戦して、一方的に負けていました。やはり貴景勝を苦手としています。宇良本人が言うには、苦手というレベルの話ではなく物が違うんです、ということでしたが。宇良だって幕内で二桁勝てる力士なのですから、そこまで自分を下に置くことはないと思うのですが……。
宇良の来場所の番付が気になるところですけど、かなり上位に行きそうな感じがします。前頭上位で大きく負け越している力士が多いんですよね。貴景勝や阿武咲、東の前頭7枚目「北勝富士(ほくとふじ)」や東前頭10枚目「栃ノ心(とちのしん)」辺りの二桁勝利をしている力士は上位に顔を出してくるのではないでしょうか。
おわりに
高安の大関昇進はまだ決まっていないと思います。しかし、本日高安の大関昇進を諮る臨時理事会の要請がありましたから、昇進はほぼ確実でしょう。
個人的には東の関脇「玉鷲(たまわし)」も十分大関の資格があると思っているのですが、来場所二桁勝利できればいけるのかなぁと期待しています。
若い力が台頭してきて、新しい時代の到来を大いに予感させる2017夏場所でした。しかし、終わってみれば白鵬が全勝優勝で、俺の時代はまだ終わらせないぞという強くメッセージが込められているような、横綱の維持が見られたように感じています。
今場所も楽しかったです。