F1の2021年プレシーズン・テストが、日本時間の2021年3月12日金曜日から始まりました。
2021年3月12日金曜日はバーレーンでのテスト1日目です。
目次
F1 2021年ウィンターテストの日程
2021年の、F1のプレシーズンに行われるF1合同テストの「日程」についてです。
プレシーズンテストはトータル3日間予定されています。
2020年は第1回3日間、第2回も3日間の計6日間でした。
ところが2021年はトータルで3日間しか設定されていません。
- 2021年3月12日と2021年3月13日と2021年3月14日
2021年のウィンターテストは上記の日程で行われます。
テストの開催時間
テストが行われる「時間」についてです。
日程とは違って、時間は昨年までと変わりなさそうです。
午前の部が日本時間16:00から20:00まで。
20:00から1時間の昼休憩が入ります。
午後の部が21:00から25:00までとなっています。
F1プレシーズンテストが行われる場所は?
プレシーズンテストが開催される「場所」についてです。
開催地は2020年から変更されました。
昨年までは「カタロニア・サーキット(カタルーニャ・サーキット)」で行われていました。
今年は「バーレーン・インターナショナル・サーキット」で開催されます。
バーレーンテスト1日目結果
2021年3月12日に行われた第1回バルセロナテスト1日目の結果です。
FINAL CLASSIFICATION
— Formula 1 (@F1) 2021年3月12日
More than 1️⃣0️⃣0️⃣0️⃣ laps on the board on day one 💪#F1 #F1Testing pic.twitter.com/GB3dG6kd0S
Formula 1 (@F1) のTwitterアカウントによるウィンターテスト初日の結果のツイートです。
#F1Testing Here's how things are looking at the end of day 1. #Fit4F1 pic.twitter.com/N5VNPztivw
— Pirelli Motorsport (@pirellisport) 2021年3月12日
ピレリのTwitterアカウント「Pirelli Motorsport (@pirellisport) 」のツイートです。
こちらはタイヤコンパウンドまで書かれているのでこちらの方が良いでしょうか。
- Verstappen (Red Bull), 1:30.674, 139(laps), C3
- Norris (McLaren), 1:30.889, 46, C3
- Ocon (Alpine), 1:31.146, 129, C4
- Stroll (Aston Martin), 1:31.782, 46, C3 Proto
- Sainz (Ferrari), 1:31.919, 57, C3
- Giovinazzi (Alfa Romeo), 1:31.945, 68, C3
- Ricciardo (McLaren), 1:32.203, 45, C2
- Gasly (Alpha Tauri), 1:32.231, 74, C3
- Tsunoda (Alpha Tauri), 1:32.727, 37, C2
- Hamilton (Mercedes), 1:32.912, 42, C2
- Leclerc (Ferrari), 1:33.242, 59, C3
- Räikkönen (Alfa Romeo), 1:33.320, 63, C3
- Vettel (Aston Martin), 1:33.742, 51, C3 Proto
- Nissany (Williams), 1:34.789, 83, C3
- Mazepin (Haas), 1:34.798, 70, C3
- Schumacher (Haas), 1:36.127, 15, C2
- Bottas (Mercedes), 1:36.850, 6, C2
以上の結果となりました。
間違いがあったら申し訳ありません。
タイヤコンパウンド
タイヤのコンパウンドについてです。
Here’s what’s on the menu for #F1 tyre testing from tomorrow in Bahrain: a feast of five different 2021 compounds and a prototype! Buon appetito.#Pirelli #F1Testing #Fit4F1 pic.twitter.com/lDFjXOuFt4
— Pirelli Motorsport (@pirellisport) 2021年3月11日
ピレリのTwitterアカウント「Pirelli Motorsport (@pirellisport) 」のツイートです。
2021年はC1からC5までのコンパウンドが用意されています。
C3はプロトタイプも用意されているみたいです。
C1へ行くほど硬く、C5へ行くほど柔らかいタイヤと認識すれば良いでしょう。
コンパウンドの違いはタイヤに入ったピレリのロゴマークなどのカラーでわかるようになっています。
白色には2タイプあって、白色にブラケット(横線)が入っていないタイヤがC1で最も硬く、白色にブラケットが入っているタイヤがC2で2番目に硬いタイヤです。
赤いにも2タイプあって、赤色にブラケットが入っているタイヤがC4で2番目に柔らかく、赤色にブラケットが入っていないタイヤがC5で最も柔らかいタイヤです。
- C1:白・ブラケットなし(↑硬)
- C2:白・ブラケットあり
- C3:黄・ブラケットあり
- C3プロト:マーキングなし
- C4:赤・ブラケットあり
- C5:赤・ブラケットなし(↓柔)
上記のように見分けると良いでしょう。
硬いタイヤは持ちが良い・グリップが落ちる→長距離を走るときに使う。
柔らかいタイヤは持ちが悪い・グリップが高い→一発の速さが欲しいときに使う。
簡単に覚えておくと良いです。
プレシーズンテスト1日目の感想
バーレーンテスト1日目の結果を受けての感想を書きます。
砂嵐!
いやいや驚きました。
Twitterを見ていたところ、最終コーナーからストレートが煙っている画像がタイムラインに流れてきたのですね。
大雨でも降っているのかと思ったら、よく見ると砂嵐でした。
他の区間がどうかはよくわかりませんけど大きな違いはないでしょう。
A sandy track makes for tricky driving 😮#F1Testing #F1 pic.twitter.com/Hs6kePYn4m
— Formula 1 (@F1) 2021年3月12日
Formura 1のTwitterアカウントの動画からも砂の様子がわかります。
大雨が降ってマシンが水しぶきをあげるように「砂しぶき」をあげています。
何より驚いたことは、あれほどひどい砂嵐でもF1マシンは走らせることができていることです。
しかし、2日目と3日目も同じような砂嵐が吹いてしまうと、さすがに予定されているテストプログラムを消費できない事態が起こってしまいそうです。
その場合は延長などできれば良いのですが。
同日カタールでテストをしていたMotoGPも同じように砂嵐で苦しんでいたみたいです。
メルセデスが失敗したかも?
初日、「メルセデス」が制裁を欠いたようでした。
午前中走行したボッタスはギアボックスを交換して6周しか走れませんでした。
午後を担当したハミルトンは走れていたようですけどタイムは振るわず。
テクニカルトラブル以上の問題が、2021年型のメルセデスにはあるかもしれません。
コーナーでの挙動が昨シーズンまでより不安定との報告を見たからです。
私はテキストでしか情報を追えていませんので走りを見られていません。
しかしこのコーナーの挙動が不安定であることが事実であれば、その理由はレギュレーション変更にあるかもしれないと感じます。
フロアの両側が後端に向けて最大10cmまで削られる(上記黄色部分)。さらに去年のマシンに見られたフロア表面の切り欠きやウイングレットも禁止される。
『AUTOSPORT』さんによる、F1の2021年レギュレーションに関する記事から抜粋しました。
車体の底部分のフロアの面積が少なくなり、フロアを切り欠いたりウイングレットをつけたりをできなくなったことが、コーナーの不安定さに影響を及ぼしている可能性です。
メルセデスはこれまで、他チームよりも長いホイールベースを使用してきました。
ホイールベースとは前輪軸から後輪軸までの長さですね。
今回のフロアカットの新レギュレーションの影響を、レッドブルなど他チームよりも強く受けたのではないかと想像します。
A sandy track makes for tricky driving 😮#F1Testing #F1 pic.twitter.com/Hs6kePYn4m
— Formula 1 (@F1) 2021年3月12日
メルセデスの走行動画を見ますと滑っていますね。
砂の影響も大きいのかもしれませんけど。
また、動画を見るとメルセデスはフロントウィングの形状が、2020年とは変わっている印象を持ちます。
19年型以降のアルファロメオやフェラーリに似た形状に見えます。
アルファタウリも似ていたでしょうか。
20年型のメルセデスは端が動画ほどは落ち込まず、もう少し大きかった気がします。
このフロントウィングの形状変更もフロアカットの新レギュレーションの影響でしょうか。
アルファロメオ型やフェラーリ型のフロントウィングは「アウトウォッシュ」を狙ったものと言われています。
アウトウォッシュとは翼端板からタイヤの外側へ向かう気流のことです。
どうしてアウトウォッシュが必要かというと、タイヤの内側から入る気流がフロア下に流れる動きに、タイヤの外側からの気流を干渉させないためでしょう。
ダウンフォースの安定化を図るためではないかと思われます。
さらに動画を見ると、21年型メルセデスは「レーキ角」を20年型より角度をつけているように見えます。
レーキ角とはフロントよりリアがどれだけ持ち上がっているか、要するにどれだけ前傾しているかということですね。
これまではレッドブルがレーキ角が高い=ハイレーキの代表で、メルセデスはレーキ角が低い=ローレーキの代表と認識されてきました。
ハイレーキはレッドブルというか「エイドリアン・ニューウェイ」による、前傾させることでフロア全体をディフューザー化しようという考え方ですね。
ディフューザーとは、車体のリアエンド下に取り付けられるエアロパーツのことです。
ディフューザーでフロア下の気流を拡散させることでより多くダウンフォースを得ようということだと思います。
ハイレーキの弊害としては、マシン側面からフロア下に入る気流が多くなることによって、マシンの挙動が安定しなくなることが挙げられるでしょうか。
レッドブルやそのフォロワーのマシンは、特に風が強い日にはコーナーでスピンするなど不安定な挙動を見せることがしばしばありますね、あれです。
ローレーキは、そういったマシンのサイドからの気流の乱入を極力防ぐことにより、不安定さが軽減されることにメリットがあるでしょう。
ローレーキにした分、ダウンフォースをより多く得るためにロングホイールベースにしたという。
それが21年型メルセデスは前年よりハイレーキになったように見えます。
メルセデスがハイレーキ傾向にあるとすれば、その理由もフロアカットの新レギュレーションが影響している可能性があると考えられます。
フロアカットにより20年型よりダウンフォースを得られなくなったのでしょう。
ですからハイレーキにすることで、フロア全体でより強いダウンフォースを得ようとしているのではないか。
タイヤの外側からくる乱流でフロア下への空気の流入を乱されたくないから、言い換えるとどのようなコーナーでも安定した空気の流入量を得たいから、フロントウィングで発生させたアウトウォッシュで乱流をマシン外側へ逃がそうとしているのではないか。
フロントウィングが小さくなって外側へ逃がすため、ウィングやマシンの上を通り抜ける気流は制限されると思います。
そのメリット・デメリットのどちらを取るか。
書きながら20年型の画像などをいくつも見ていると、レーキ角は大きく変わっていない気がしてきました。
なのでレーキ角を変えたかどうかは考えから外して良いかもしれません。
しかしまぁ優秀な人材と豊富すぎるお金を持つチームですから、既に問題点を見つけているでしょうし対策も練られていることでしょう。
メディアへの発言が本当かどうかを含めて注意深く観察したいです。
開幕戦ではいつもどおりの強いメルセデスがそこにいるのではないかと思っています。
さすがにそろそろ下剋上を見たいですけど。
書いていることはあくまで私の感想です。
必ずしも正しいことを書いているのではないことはご留意なさってください。
ホンダ勢は順調
「レッドブル・ホンダ」と「アルファタウリ・ホンダ」のホンダPU勢は概ね順調そうに見えました。
Max was pushing to the limit in his new RB16B 😅#F1 #F1Testing pic.twitter.com/26VYRYbVZK
— Formula 1 (@F1) 2021年3月12日
レッドブルは初日「マックス・フェルスタッペン」が担当して、1番手タイムを叩き出しました。
午前にハーフスピンを喫したみたいですけど、他は大きな問題は出なかったようです。
テスト後にはドライバーからポジティブな言葉が出ていたこともあり、ニューマシンは良い出来なのでしょう。
2日目は新加入の「セルジオ・ペレス」が乗る予定です。
こちらも楽しみ。
「角田裕毅」選手(以降敬称略)は初日、アルファタウリからF1の公式デビューを果たしました。
おめでとうございます。
角田は初日の午後を担当して37周を走行、C2タイヤでベストタイム1分32秒727の9番手でした。
8番手がチームメイトのガスリーでC3タイヤでした。
角田が走った午後は、午前よりも砂嵐が激しくなっていて、ガスリーより硬いコンパウンドで0.5秒以内のタイム差。
これはデビューとしては上々だったのではないかと感じられます。
マシンはテストの終盤に燃料システムの問題が発生したようです。
予定より早くテストを切り上げていたことが気がかり。
ただし問題はテスト2日目の開始までは解決できるとの情報を読みました。
問題を見つけることもテストの重要な意義ですから、本番でトラブルが出るよりテストで出て良かったと前向きにとらえたいです。
トラブルこそあったものの、角田もガスリーも新車には好感触を持ったようです。
コーナー時の挙動が安定している、ステアリングを修正している様子がほとんど見られないとの情報も見られました。
マクラーレンが速そう
「マクラーレン」が速そうです。
マクラーレンは2021年からルノーからメルセデスにPUを変更しています。
「ランド・ノリス」が2番手、ルノーから移籍した「ダニエル・リカルド」も午前中のトップタイムを出してました。
2020年に復調の兆しを見せたマクラーレン。
チームの復調は、代表の「アンドレアス・ザイドル」とテクニカルディレクターの「ジェームス・キー」の加入が大きかったのでしょう。
最強PUであるメルセデスにチェンジし、さらに実力者リカルドの加入により、チームは復調の度合いをさらに高めると予想されます。
メルセデスとレッドブルの争いに割って入るポテンシャルを感じさせるテスト初日でした。
フェラーリ
2020年に大不振に陥ったフェラーリ、こちらは初日から良いところはあまり見られなかったように思います。
Charles Leclerc's morning didn't end perfectly, but the 2019 polesitter helped the marshals clear his car in Bahrain 👌#F1 #F1Testing pic.twitter.com/6cwrjFdLHS
— Formula 1 (@F1) 2021年3月12日
午前を担当した「シャルル・ルクレール」が、今年のプレシーズンテスト初の赤旗を誘発するマシントラブルが発生していました。
ストップした原因はメカニカルトラブルとのことですが詳細はわかりません。
新加入の「カルロス・サインツ」は午後に57周走れていますので、ルクレールのマシンにのみ発生した問題だった可能性もあります。
異なるマシンで走っているか知らないのですが。
トラブルが大きな問題ではなかったとしてもタイムは出ていませんでした。
フェラーリはエンジンを始め、おそらく全チームで最も多くの箇所に手を加えたチームであろうと想像されます。
昨年大不振に陥ったからデザインを刷新した可能性ですね。
そのためどうしても初歩的な新パーツや空力、バランスチェックに時間をかけざるを得ず、セッティングを煮詰める作業などは、他チームより遅れを取ることが否めないのではないでしょうか。
特にシーズン序盤は苦戦を強いられるかもしれないです。
ネット情報を見ても、フェラーリに関する情報がとても少ないです。
そここそにフェラーリの低迷が表している気がしなくもない。
メディアの関心を集めるほどの情報を提供できなくなっているのではないかと。
トップを替えるところから始めないとどうしようもないところに来ているように見えるのですが。
おわりに
ということで、2021年F1のバーレーンテスト1日目の結果と、その感想を書いた記事でした。