NHK連続テレビ小説『半分、青い。』、2018年4月14日放送の12話で鈴愛の左耳の世界を律と2人で表現していました。
以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。
目次
『半分、青い。』第2週「聞きたい!」
2018年4月9日月曜日から朝ドラ『半分、青い。』の第2週「聞きたい!」の放送が始まりました。
物語の舞台は1980年(昭和55)年、岐阜県にある東美濃市、東美濃(ひがしみの)という、おそらく実在しない町です。
本作のヒロイン「楡野鈴愛(にれの・すずめ)」は1971年(昭和46年)7月7日生まれ。楡野家の長女です。
鈴愛は「永野芽郁(ながの・めい)」さんが演じますが、第1,2週時点ではまだ幼少期のため「矢崎由紗」さんが演じています。
鈴愛と同じ日同じ病院で生まれたのが「萩尾律(はぎお・りつ)」です。
律は「佐藤健(さとう・たける)」さんが演じますが、第2週現在は幼少期のため「高村佳偉人」さんが演じています。
鈴愛の実家の楡野家は家族でふくろう商店街の「つくし食堂」を経営しています。
鈴愛の母が「楡野晴(にれの・はる、演:松雪泰子)」、父が「楡野宇太郎(にれの・うたろう、演:滝藤賢一)」、弟が鈴愛の年子の弟「楡野草太(にれの・そうた、演:志水透哉)」、祖父が「楡野仙吉(にれの・せんきち、演:中村雅俊)」、祖母「楡野廉子(にれの・れんこ、演:風吹ジュン)」です。
1980年現在、廉子さんは他界していて、空の上から声(ナレーション)のみの出演に変わっています。
鈴愛の幼馴染み、律の実家は写真店を営んでいます。萩尾写真店?
律の母が「萩尾和子(はぎお・わこ、演:原田知世)」、父が「萩尾弥一(はぎお・やいち、演:谷原章介)」です。
鈴愛と律の同級生には「ブッチャー」こと「西園寺龍之介(さいおんじ・りゅうのすけ)」と、「木田原菜生(きだはら・なお)」等がいます。
ブッチャーを演じるのは「矢本悠馬(やもと・ゆうま)」さんですが、第2週時点では「大竹悠義」さんが演じていて、菜生を演じるのは 「奈緒(なお)」さんですが、こちらも同様に「西澤愛菜」さんが演じています。
ブッチャーの家、西園寺家は不動産屋を経営しているお金持ちの家です。
父が「西園寺満(さいおんじ・みつる、演:六角精児)」で、母が「西園寺富子(さいおんじ・とみこ、演:広岡由里子)」、姉が「西園寺麗子(さいおんじ・れいこ、演:幸田雛子)」です。
菜生の家はふくろう商店街の洋品店「おしゃれ木田原」です。
菜生の父は「木田原五郎(きだはら・ごろう、演:高木渉)」、母が「木田原幸子(きだはら・さちこ、演:池谷のぶえ)」です。
「岡田医院」の院長「岡田貴美香(おかだ・きみか、演:余貴美子)」も重要なキャラクターです。
鈴愛は「ムンプス難聴」
鈴愛が母親・晴子さんに左耳に耳鳴りがすると主張して、岡田医院に診察に行ったところ、一度しっかりと聴覚検査を受けた方が良いとアドバイスを受けて、後日大学病院で聴覚検査を受けました。
結果、鈴愛の左耳は既に「完全に失聴(聞こえない)」していること、病名が「ムンプス難聴」であることが判明しました。
宇太郎と晴子の夫婦だけで先生からそう伝えられ、また左耳が治ることはないと宣告されています。
特に大きな精神的ダメージを受けていたのは晴子で、どうして鈴愛が、どうして鈴愛だけがと現実を受け入れられない、受け入れたくない様子です。
家族や、和子さんたちが励ますものの、律の喘息は大人になったら治るかもしれないけど、鈴愛はもう治らないと、嫌な言い方をしてしまっていました。
和子さんには後に謝っています。
鈴愛は、自分が泣いてしまうと家族が気にしてしまうからと、律の前だけでしか泣けなかったようです。
そんな鈴愛に律は寄り添ってあげるのでした……。
ムンプス難聴とは?
「ムンプス難聴」とは何か?について調べてみると、国立感染症研究所のページが見つかりましたので、リンクを貼っておきましょう。
ムンプスの合併症として一側性難聴があっても年少児は自覚しにくく、その訴えもほとんどなく、また周囲の大人も気がつきにくい。そのため、発見が遅れ就学前健診で指摘されることが多くなる。
ムンプス難聴は血行性にウイルスが内耳に感染することにより生じるとされる1)。
ムンプス難聴は多くが片側性で、健側の耳が聴覚を補うとされており、確かに小児では片側ろうであっても本人も周囲も発症に気づいていないことが珍しくない。成人のほうが耳鳴りやめまいを伴うことが多く、難聴に関する自覚も強い。
世界的にはムンプスはすでにワクチンの徹底によりほぼ制圧された疾患であり、いまだにムンプス難聴患者が発生し続けている日本の状況が異常なことは、Plotkin5)が述べているとおりである。
このように書かれています。
鈴愛を診察した医師は「おたふく風邪が内耳に感染して急性発症する難聴です」と述べていました。
鈴愛はまだおたふく風邪を発症していないと宇太郎は言っていましたが、おたふく風邪は症状が表に出ないこともあると医師は言っています。
片耳が聞こえなくなることで日常生活にどのような支障が現れるかというと、下記のように先生は言っていました。
- 担任の先生に病気のことを伝えること
- 教室の後ろの方の席では聞こえにくい
- どこから音が出ているのか判別するのが困難
- 音の遠近感覚、方向がわからなくなる(遠くから話しかけない)
- 休み時間にたくさんの友達が一斉におしゃべりをすると何を言われているかわからなくなる
- 音楽が鳴っている所やテレビがついたままのおしゃべりも難しい
- 「気配」が感じにくくなる(後ろから人が来る気配、車がやって来る気配が感じ取ることが難しい)
- 鈴愛の右側から話しかけること
- 三半規管にダメージが及んでいるかもしれないから耳鳴りは今後も続く
- 三半規管のダメージによる平衡感覚の崩れの懸念(自転車に乗ることや階段の上り下りに気をつける)
片耳が聞こえなくなるということはこれだけの、実際にはもっとたくさんあるでしょうけど、日常生活への支障が生まれるようです。
私は幼稚園から「耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)」にかかっていたので、耳が良くない子どもでした。
失調している訳ではなく聞こえが悪い程度のようでしたが、日常生活には支障があったのでしょうね……。
他人事のように「でしょうね」と書いたのは、自覚がなかったので支障そのものを実感したことがなかったから。
家族によると、私が周囲に何かを言われると何度も聞き返したり、(自分の声も小さく聞こえるから)私の話す声が大きかったり、そういうことはあったみたいです。
ゾートロープとは何か?
回転のぞき絵(英: Zoetrope、仏: Zootrope)とは、静止画を素早く入れ替えることで、あたかも動いているかのように見せる器具。ゾエトロープ、ゾートロープとも。
zoetrope とは、ギリシア語の zoe(生命)と trope(回転)を組み合わせた言葉で、「生命の輪」あるいは「生きている輪」という意味がある。
側面に縦にスリットの入った円筒形をしている。スリットとスリットに挟まれるように、内側の面に個々の静止画が描かれており、連続写真のように並んでいる。この円筒を回転させ、スリットから反対側の内側を透かして見る。スリットを通すことで、絵がぶれないようにし、映画と同様の原理で絵が次々と入れ替わることで動いているように見せる。
回転のぞき絵のWikipediaにはこのように書かれています。
12話では、律の提案でこのゾートロープこと回転のぞき絵を2人で作ることになりました。
題材は鈴愛の左耳の小人たちが騒いでいる様子にしました。「耳鳴り」ですね。
晴子に「鈴愛の左耳はこんなに楽しいんだって見せる」そうです。
出来上がったゾートロープは楡野家の居間で披露され、楡野の家族と律の家族、和子と弥一も来ていました。
まるで『ピーターパン』のような、緑色の洋服や帽子をかぶった小人たちが楽しそうに踊っている様子を描いたものでした。
レコードから流れてくる音楽も『栗コーダーカルテット』の演奏のような可愛らしいもので……。
「どう?お母ちゃん。これが鈴愛の左耳の世界や。小人が踊る」
その楽しげな様子を見て、落ち込んでいた晴子も元気を取り戻したようです。
「鈴愛の左側、楽しいね」
確かに、子どもの病気、それも治らないものは不幸で悲しいことで悲嘆に暮れたくもなりますけど、誰より一番辛いはずの本人から励まされては元気にならない訳にはいきませんね。
おわりに
12話のラストで時代が飛び、鈴愛も律も高校3年生になっていました。
幼少期の鈴愛役の「矢崎由紗」さんの演技が私は気に入っていたので少々残念です。
ていうか鈴愛は勉強ができない、律は勉強ができる設定なのに、同じ高校に進学したのですか?
鈴愛が相当な努力をして律と同じ高校に受かったというよりも、鈴愛を支えるために律が偏差値の低い高校を選んで進学した、と捉える方が自然でしょうか。
さて、次週は第3週「恋したい!」です。律が恋に落ちるような感じでした。
律は鈴愛が好きだから支えたい……のではないのでしょうか??