母が2016年の春以降に旅行に行くことになりました。旅行のためにデジカメが欲しいと言っています。購入を頼まれたわけではないのですが、最近どのカメラを選んだら良いか非常に迷っています。
還暦を過ぎた母におすすめするカメラは何か?
母は結構前に還暦を過ぎています。普段カメラを使っておらず、ガラケー(フィーチャーフォン)の写メでよく草花を撮影しています。パソコンは、たまにExcelで何か入力していますが、ほとんど触りません。
そんな母に勧めるカメラは何か?
デジタル一眼レフカメラではなく、コンパクトデジタルカメラ、いわゆるコンデジになります。デジイチは写りは素晴らしいですけど、旅行に持っていくには大きく重すぎます。二者択一なら間違いなくコンデジです。
コンデジでも、あまりに高価なものは金銭面で躊躇してしまいます。出せてもせいぜい2万円に少し足が出るくらいでしょう。できれば2万円以下に抑えたい。
また、スマホも選択肢に入るかもしれません。ボタン一つで撮影できることはお年寄りには大きなメリットになりそう。ただ本人はスマホに乗り気ではないようで、カメラのためだけにスマホを購入することは割高に感じている様子でした。スマホでなくても、中古のiPod touchなら安くて良いかもしれないですから、選択肢としては残しておきたいところです。
2万円前後のコンデジに期待する機能は?
取り敢えず今はスマホを置いておいて、価格が2万円以下、足が出ることも考慮すれば2万円前後以下のコンデジに期待する機能は何か?を考えてみます。
還暦を過ぎた女性ですから、操作がシンプルで、搭載される機能が多くない方が良いです。そう考えると型落ちや中古の選択肢は現実的かもしれません。
2万円前後の価格帯だとイメージセンサーのセンサーサイズは「1/2.3」が主になろうかと思います。型落ちや中古を含めればセンサーサイズの選択肢は広がりますが、ポスターサイズ以上にプリントするとは思えないので、画素数を含めてさほど気にしないで良いでしょう。
レンズはF値の低い方が良いでしょう。室内や夜に撮影する機会がないとは言えません。ただ、景色を撮る機会も多いでしょうし、いきなりボケ感が欲しいとは言わないと思いますから、こちらも画素数と同様、あまりこだわらなくて良いかと思います。
機能で欲しいものは、一つは「手ぶれ補正」です。年齢的にもカメラ技術的にも必須な気がします。もう一つは「バリアングル液晶モニター」あるいは「チルト液晶モニター」です。バリアングルはモニターを上下左右に、チルトは上下に動かせるタイプになります。草花を撮影する機会が多いであろう母には、こちらもあった方が良い機能のはずです。チルトがベター。
操作関係は、スマホを使っていない母は、タッチパネル式にしてしまうとむしろ混乱するのではないかと思いますので、物理ボタンで操作する方が良いでしょう。ボタンが多すぎても良くない。
あと、できれば「乾電池」で稼働するタイプであると尚良いです。案外これはお年寄りには大事なことかもしれません。バッテリーを取り出して充電器で充電して、という作業にアレルギー反応を起こす人は少なからずいそうです。乾電池ならアレルギーは起こさないでしょう。しかし乾電池式のコンデジは今はほとんどないみたいです。
動画はほぼ撮らないと思います。
価格2万円前後でおすすめのコンデジは?
価格が2万円前後で上記の機能をなるべく多く搭載した、母におすすめできるコンデジを探してみます。
Nikon COOLPIX S7000
価格2万円前後以下のコンデジで選択肢に挙がるのは、まず「Nikon COOLPIX S7000」です。ニコン。記事作成現在、Amazonで価格15,453円です。
COOLPIX S7000のスペックは有効画素数1602万画素、撮像素子1/2.3型CMOS(裏面照射型)、画面サイズ3インチ、稼働液晶ではない、ズーム倍率(光学)20倍、焦点距離25-500mm、1cmマクロ、F値3.7-6.4、シャッタースピード1/4000秒、撮影感度ISO125~6400、電子式ファインダー、手ぶれ補正あり(レンズシフト方式)です。
高級感があって、スペックもバランスが良いです。問題は液晶モニターが固定されている点と、F値が大きな点です。F値はもう少し頑張ってもらいたかった。
Canon PowerShot SX610 HS
「Canon PowerShot SX610 HS」です。キヤノン。記事作成現在Amazonでは価格17,242円です。
「PowerShot SX610 HS」のスペックは、有効画素数2020万画素、撮像素子1/2.3型CMOS(裏面照射型)、画面サイズ3インチ、液晶可動式ではない、タッチパネルではない、ズーム倍率(光学)18倍、5cmマクロ、焦点距離25-450mm、F値3.8-6.9、シャッタースピード1/2000秒、撮影感度ISO80~3200、手ぶれ補正あり(光学式)です。
Nikon COOLPIX S7000の直接のライバルになりそうな機種です。バランスの良いスペックですが、全体的に少しずつあちらの方が優れているように感じられます。F値が高めな点も同じ。
CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR50
「CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR50」です。カシオ。記事作成現在Amazonでは価格17,777円です。
「HIGH SPEED EXILIM EX-ZR50」のスペックは、有効画素数1610万画素、撮像素子1/2.3型CMOS(裏面照射型)、画面サイズ3インチ、チルト式、タッチパネルではない、ズーム倍率(光学)10倍、焦点距離25-250mm、5cmマクロ、F値3.5-6.5、シャッタースピード1/4000秒、撮影感度ISO80~3200、手ぶれ補正あり(レンズシフト方式)です。
頭の固い私はカメラでカシオ?となってしまい選択肢に入りづらかったのですが、スペックには値段的にライバルになりそうなS7000やSX610に負けていません。チルト式の点でむしろEX-ZR50が優位とすら感じられます。問題は画質ですね、カシオ機の画質はどうなのでしょう。
本機は自撮りができるようです。母は自撮りはしないでしょう。
Canon PowerShot N100
変わり種の「Canon PowerShot N100」です。キヤノン。記事作成現在Amazonでは価格21,956円です。
「PowerShot N100」のスペックは、有効画素数1210万画素、撮像素子1/1.7型、画面サイズ3インチ、チルト式、タッチパネル、ズーム倍率(光学)5倍、焦点距離26-120mm、3cmマクロ、F値1.8-5.7、シャッタースピード1/2500秒、撮影感度ISO80~6400、手ぶれ補正あり(光学式)です。
変わり種ではありますが、レンズも明るく液晶もチルト式で、なかなか良いスペックです。長所はずんぐりしているためしっかり持てそうなこと、短所はずんぐりしすぎていて女性には大きそう・重そうなこと、携帯性が落ちること、でしょうか。望遠がもう少し欲しいかも。
本機も自撮りができるみたいです。
OLYMPUS STYLUS SH-2
「OLYMPUS STYLUS SH-2」です。オリンパス。記事作成現在、Amazonで価格22,900円です。
「STYLUS SH-2」のスペックは、有効画素数1600万画素、撮像素子1/2.3型CMOS(裏面照射型)、画面サイズ3インチ、液晶可動式ではない、タッチパネル、ズーム倍率(光学)20倍、焦点距離25-600mm、F値3-6.9、3cm(拡張)マクロ、シャッタースピード1/2000秒、撮影感度ISO125~6400、手ぶれ補正あり(CMOSシフト方式)です。
スペックは優秀です。望遠600mmが圧倒的ですけど、母にそこまでのズーム倍率が必要かというと……。価格が結構します。予備バッテリーやアクセサリーを買うとなると、2万5千円ほどしてしまいそうです。少々高いですね。
後継機のSH-3が出ているみたいです。こちらは値段が高すぎて無理です。
Sony Cyber-shot DSC-WX350
「Sony Cyber-shot DSC-WX350」です。ソニー。記事作成現在Amazonでは価格22,190円です。
「Cyber-shot DSC-WX350」のスペックは、有効画素数1820万画素、撮像素子1/2.3型CMOS(裏面照射型)、画面サイズ3インチ、液晶可動式ではない、タッチパネルではない、ズーム倍率(光学)20倍、焦点距離25-500mm、F値3.5-6.5、5cm(マクロ機能なし?)、シャッタースピード1/1600秒、撮影感度ISO80~1600、手ぶれ補正あり(光学式)です。
こちらもバランスの良いカメラですね。値段を含めてSTYLUS SH-2のライバルのような印象です。SH-2の方が若干優秀ですか。
Canon IXY 160
「Canon IXY 160」です。キヤノン。記事作成現在Amazonで価格8,780円です。
「IXY 160」のスペックは、有効画素数2000万画素、撮像素子1/2.3型CCD、画面サイズ2.7インチ、液晶可動式ではない、タッチパネルではない、ズーム倍率(光学)8倍、焦点距離28-224mm、1cmマクロ、F値3.2-6.9、シャッタースピード1/2000秒、撮影感度ISO100~1600、手ぶれ補正あり(光学式)です。
値段は中では一番安いです。値段を考えるとかなり良いスペックではないでしょうか。コンパクトですし(コンパクトすぎるのも良し悪しでしょうか)。コストパフォーマンスが高そう。問題は、液晶が2.7インチと他よりも小さいことで、老眼の母に見やすいのかという点と、F値とISO感度から夜間や室内での撮影に弱そうな点です。焦点距離の広角28mmは少々厳しいかも。
こちらも最新型ではないようです。後継機IXY170のスペックを見ると一長一短ですが、こちらの方がバランスは良さそうです。
森山大道さんはNikon COOLPIX S9500
Nikon COOLPIX S9500。ニコン。記事作成現在Amazonでは価格19,200円(ヴェルヴェットレッド)です。
「COOLPIX S9500COOLPIX S9500」のスペックは、有効画素数1811万画素、撮像素子1/2.3型CMOS(裏面照射型)、画面サイズ3インチ、液晶可動式ではない、タッチパネルではない、ズーム倍率(光学)22倍、焦点距離25-550mm、1cmマクロ、F値3.4-6.3、シャッタースピード1/4000秒、撮影感度ISO125~1600、手ぶれ補正あり(レンズシフト方式/電子式)です。
このS9500は、写真家の森山大道さんが現在スナップ撮影に使っている機種です。カラーはレッドではないと思いましたが、記憶が定かではありません。私は図書館で読みました。
2016年3月1日号(今号)の雑誌『BRUTUS』は、『森山大道と作る写真特集 - Brutus No. 818』というサブタイでした。そのうち「森山大道の写真術。39問39答。」の中で、使っているカメラは「S9500」だと答えていらっしゃいました。
おわりに
候補は他にもあるのですがこのくらいにします。この中ではカシオEX-ZR50とキヤノンN100が気になっています。しかし、冒頭に書いたように母から購入を頼まれたわけではありません。私が自分で勝手に考えているだけです。
母には一応これらのカメラを紹介するつもりでいます。彼女が私の選んだカメラの中から気に入ったものを見つけるかもしれないですし、勧めたカメラ以外を気に入るかもしれないですし、結局は親戚や友人にカメラを借りる選択をするかもしれません。
あれこれ考えるのは面白いです。コンデジは高級コンデジばかりを見てきましたが、コンデジも奥が深そうです。