「FIM ロードレース世界選手権2017」は2017年4月9日に第2戦、「Termas de Río Hondo(アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド)」での「GRAN PREMIO MOTUL DE LA REPÚBLICA ARGENTINA(アルゼンチンGP)」の決勝レースが行われました。
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第2戦アルゼンチンGPはビニャーレスの優勝で開幕2連勝
2017年のロードレース世界選手権の最高峰「MotoGP」クラスは、今年「SUZUKI(スズキ)」から「YAMAHA(ヤマハ)」に移籍した「Maverick Viñales(マーヴェリック・ヴィニャーレス、スペイン)」が、開幕戦「GRAND PRIX OF QATAR(カタールGP)」を勝利し、移籍後初レースを制しました。
異なる2チームで優勝をした史上最年少(22歳)での記録を達成したのだそうです。
第2戦アルゼンチンGPもそのViñalesが優勝しました。開幕2連勝。
予選は「HONDA(ホンダ)」の「Marc Márquez(マルク・マルケス、スペイン)」がポールポジションを取って、レースでも1周目から2位以下を引き離し独走しかけていました。ところが4周目、2コーナーの飛び込みで転倒してしまい、そのままリタイアです。
そのとき2番手を走行していたのがHONDAサテライトの「Cal Crutchlow(カル・クラッチロウ、英国)」を抜いたViñalesで、その後はViñalesがトップのままゴールしています。
2位がYAMAHAの「Valentino Rossi(ヴァレンティーノ・ロッシ、イタリア)」、3位がCrutchlow、4位が「DUCATI(ドゥカティ)」サテライトの「Alvaro Bautista(アルヴァロ・バウティスタ、スペイン)」、5位が YAMAHAサテライトの「Johann Zarco(ヨハン・ザルコ、フランス)」、6位がYAMAHAサテライトの「Jonas Folger(ジョナス・フォルガー、ドイツ)」……といったリザルトです。
Zarcoが相変わらず元気ですね。見慣れた上位陣とは異なるライダーが上位を走ることは新鮮で楽しいです。Zarcoというと「Moto2の顔」的な存在だったので、彼の名前が登場するとMoto2を見ているような錯覚に一瞬だけ陥ります。すぐ慣れるでしょう。
レプソル・ホンダが2コーナーで転倒
実はMárquezが転倒した2コーナーは、彼のチームメイト「Dani Pedrosa(ダニ・ペドロサ、スペイン)」も14周目に転倒していました。
このコーナーはバンピーで突如としてコントロールが利かなくなる場合があるようです。グリップを失ってスリップダウン。
しかし、他のライダーも多く転倒していたかというとそうではないので、REPSOL HONDA(レプソル・ホンダ)のマシンの問題なのかタイヤの問題なのか、タイヤの問題としたらコンパウンドの問題なのか内圧の設定の問題なのか、という疑問は残ります。
実力も経験もある2人が同じコーナーで同じように転ぶのですから、偶然では片付けられない何かがありそうに感じられます。
確か、地上波放送では、このTermas de Río Hondoのサーキットが普段からレースをしている場所ではない的な指摘を、レギュラーゲストのお笑いコンビ「チュートリアル」の「福田充徳(ふくだ・みつのり)」さんがしていたかと思います。
要するに、バンピーなだけでなくダスティでもあったのではないかということでしょう。路面に埃などが付着していてタイヤのラバーが付きにくいから、他のサーキットよりもスリップしやすいよと。
ドゥカティのロレンソが冴えない
心配なライダーが「Jorge Lorenzo(ホルヘ・ロレンソ、スペイン)」です。
Lorenzoは今年YAMAHAからDUCATIに移籍していますが、開幕戦は良いところがなく11位フィニッシュでした。
今回の第2戦も、予選16位でチームメイトの「Andrea Dovizioso(アンドレア・ドヴィツィオーゾ、イタリア)」より遅く、レースも1周目でSUZUKIの「Andrea Iannone(アンドレア・イアンノーネ、イタリア)」でしたか、彼に追突してしまいリタイアを喫しています。
DUCATIのマシンを自分のものに出来ていないのでしょうか。だとすると、もうしばらく時間が必要なのかもしれません。
このままだと、MárquezとPedrosa、Rossi、Lorenzo、Viñalesの「BIG5」から外されてしまうのではないかと。Pedrosaも危うい気がしますが……。
ドヴィツィオーゾが相変わらず不運
先ほど名前を挙げたDUCATIのDoviziosoは、15周目の5コーナーで「Aprillia(アプリリア)」の「Aleix Espargaró(アレイシ・エスパルガロ、スペイン)」の転倒に巻き込まれて、転倒リタイアでした。
昨年2016年もDoviziosoは何度かもらい事故でリタイアしていたかと思いますので、不運は今年も継続中なようです。何だか可哀想になってきます。
地上波放送の解説を務めていた元GPライダー「中野真矢(なかの・しんや)」さんが放送中に仰っていたことは、事故時のターンでDoviziosoがクリップに付けられていなかったから、Aleixにインに突かれてしまったのだということでした。
もちろん転倒してぶつけたAleixの方が悪いのですが、隙きを見せたDoviziosoもいけなかったようです。自ら不運を呼び込む行動を取ってしまっている……?
おわりに
実は今回何より驚いたことは、DUCATIサテライトの「Karel Abraham(カレル・アブラハム、チェコ)」が予選2位だったことです。初め自分の目を疑いました。決勝は10位フィニッシュ。
Abahamというと、だいたいが予選では下位に沈んでいて、決勝でもほとんど画面に映らないライダーです。このレースがMotoGP161戦目だったそうですが、私は彼がどういったライダーなのか全く知らないです。地上波放送だけが情報源の私には、彼の情報はほとんど届きません。彼女が凄い美人だという福田さん情報くらい。家がお金を持っているのでしたっけ?
DUCATIサテライトの「Danilo Petrucci(ダニロ・ペトルッチ、イタリア)」も予選4位・決勝7位で、こちらにも驚きました。DUCATIサテライトには何が起こっているのでしょうか。