FIM ロードレース世界選手権2016は、2016年10月30日に第17戦、Sepang International Circuit（セパン・インターナショナル・サーキット）での「SHELL MALAYSIA MOTORCYCLE GRAND PRIX（マレーシアGP）」の決勝レースが行われました。
2016年第17戦マレーシアGPはアンドレア・ドヴィツィオーゾが優勝
私は日本テレビで放送されている地上波の番組でしかMotoGPを観戦できていません。地上波では2016年11月4日金曜日（木曜深夜）にマレーシアGPが放送されていました。
最高峰のMotoGPクラスは、ウェットコンディションで行われ、ポールポジション（予選1番手）からスタートしたDUCATI（ドゥカティ）のAndrea Dovizioso（アンドレア・ドヴィツィオーゾ、イタリア）が優勝しました。ポール・トゥ・ウィンです。
Doviziosoは、2009年7月の第10戦イギリスGP以来、7年ぶりとなる最高峰クラスの優勝で、最高峰クラスの2勝目だそうです。もちろん今シーズン初優勝。2009年当時はHONDA（ホンダ）に所属していたはずです。
2位にはYAMAHA（ヤマハ）のValentino Rossi（ヴァレンティーノ・ロッシ、イタリア）が、3位には同じくYAMAHAのJorge Lorenzo（ホルヘ・ロレンソ、スペイン）が入っています。
意外と言っては失礼かもしれませんが、4位にはDUCATIサテライトのHector Barbera（エクトル・バルベラ、スペイン）と、5位に同じくLoris Baz（ロイス・バズ、フランス）が入っていること、7位にAPRILIA（アプリリア）のAlvaro Bautista（アルヴァロ・バウティスタ、スペイン）が入っています。上位に転倒があったことを加味してもMotoGPではあまり見かけないライダーが上位に入っていました。MotoGPクラス上位でAPRILIAという名前自体ほぼ聞きません。SUZUKI（スズキ）のMaverick Viñales（マーヴェリック・ヴィニャーレス、スペイン）は雨のレースで元気がなく6位フィニッシュ。
先ほど書きました上位の転倒に関して、HONDAのMarc Márquez（マルク・マルケス、スペイン）は、予選4番手からスタートし4位を走行中の12周目にスリップ、その後も走り続けましたが11位で終えています。また、前戦オーストラリアGPで今シーズン2勝目をあげていたHONDAサテライトのCal Crutchlow（カル・クラッチロウ、英国）は5番手スタートから5位走行中の12周目に転倒リタイア、怪我から復帰したDUCATIのAndrea Iannone（アンドレア・イアンノーネ、イタリア）も6番手スタートから3番手を走行中の13周目に転倒リタイアしてます。
レースは序盤から中盤にかけては、RossiとIannoneがレースを引っ張っていて、抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げていましたが、ポールスタートのDoviziosoが徐々にトップとの差を詰めてくると、ラスト5周の1コーナーでRossiがクリップに付けずに大きく膨らんだところを抜き、そこから独走状態に持ち込み勝利しました。
Rossiとしては、転倒しやすいウェットレースということもありますし、Doviziosoはチャンピオンシップの順位争いに直接関係ないライダーで、チャンピオンシップで直接争っているチームメイトのLorenzoは後方にいたため、無理にせずポジションをキープしたのでしょう。逃げるDoviziosoを無理には追わなかったようです。Iannoneとのバトルでタイヤを消耗してしまったのかもしれません。
雨のレースは手足の長いライダーが有利？
地上波の解説は元GPライダーの「中野真矢（なかの・しんや）」さんでした。レース中に中野さんが雨のレースに関することを話していらっしゃいました。
「トップの2人（IannoneとRossi）は手足も長いし身長も高いんで、雨はちょっと有利なんですよねぇ。やっぱりコントロールしやすい。あと脚を出すときに膝が着きやすいとか、安心感が得られるんで。小柄なライダーは雨ってちょっと苦手なイメージがありますね」
ということを仰っていました。私はバイクを乗らないですしレースもしたことがないので分かりませんでしたが、身長が高く手脚が長いとそういう雨の利点があるのですね、全然知らなかったです。
おわりに
今回マレーシアGPでDoviziosoが優勝したことで、今シーズン優勝したライダーは9人になったそうです。Márquez、Rossi、Lorenzo、HONDAのDani Pedrosa（ダニ・ペドロサ、スペイン）、Dovizioso、Iannone、Viñales、HONDAサテライトのJack Miller（ジャック・ミラー、オーストラリア）、Crutchlowの9名です。
まだ最終戦ヴァレンシアGPがありますから、10人目のウィナーが登場するかもしれません。10人目が出るなら、スペイン開催ですから、SUZUKIファクトリーチームのAleix ESPARGARO（アレイシ・エスパルガロ、スペイン）が最も可能性が高いでしょうか。楽しみです。
